Basic Instinct 2


2006年11月12日(日)「氷の微笑2」

BASIC INSTINCT 2・2006・独/英/米・1時間54分

日本語字幕:手書き風書体下、小原陽子/シネスコ・サイズ(マスク、Super 35、with Panavision)/ドルビー・デジタル、dts、SDDS

(独16指定、米R指定、日R-18指定)(一部レイトショー公開)

http://www.ko-ri2.jp/
(全国の劇場案内もあり)


人気女流小説家キャサリン・トラメル(シャロン・ストーン)の乗った車が川へ突っ込むという事故が発生。同乗していた有名サッカー選手だけが脱出できずに溺死する。ロイ・ウォッシュバーン刑事(デヴィッド・シューリス)はキャサリンの仕業とにらみ、精神科医のマイケル・グラス(デヴィッド・モリッシー)に精神鑑定を依頼する。

70点

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 うーん。これは……。とにかく精神科医のマイケル・ダグラスじゃなく、マイケル・グラスがダメダメ男。専門家でありながら、回りにいいように振り回され、あげくに冷静さを失い、事件を複雑にし、自滅する。何なんだろう。

 表向きの決着はつくが、結局、事件の真相はわからないまま。3つの可能性が同等に示されて、誰が殺していたのか明かされない。まったくスッキリしない。

 日本でR-18に指定されている割には、Hなシーンもたいして際どくないし、残酷シーンもレイティングされていないホラーとたいして変わらない。どこがR-18なんだろう。チラリとジャロン・ストーンのバス・ローブがはだけて全裸が見えるシーンがあるが、なんだか修正されているのと変わらない感じだったし……。

 驚くべきは、48歳とは思えない若々しいシャロン・ストーンだろう。顔にも全くシワがない。目の回りがちょっとシワっぽいだけで、赤ちゃんのような肌。超アップもまったく平気。オール・ヌードだって、ぜんぜんたるみとかなく、引き締まった肉体美。西洋人らしくしみはちょっとあるようだけど。しかし、なんだかいつも同じ様な演技。「キャット・ウーマン」(Catwoman・2004・米)の悪役もそうだったし、最悪のリメイク「グロリア」(Gloria・1999・米)もそう。SFホラーの「スフィア」(Sphere・1998・米)は良かったが(役としては似ていたが)、西部劇の「クイック・&デッド」(The Quick and the Dead・1995・米)も同じ。SFアクション「トータル・リコール」(Total Recall・1990・米)は初々しく新鮮で、恐ろしいテロを描いた「イヤー・オブ・ザ・ガン」(Year of the Gun・1991・米)なんか衝撃的だったし、「キング・ソロモンの秘宝」(King Solmon's Mine・1985・米)なんか素晴らしかったもんなあ。だんだん悪くなってきているってこと?

 相手役の情けない精神科医は、デヴィッド・モリッシーというイギリス生まれの人。二枚目なのに、情けない感じがめちゃくちゃうまい。ピーター・グリーナウェイ監督の「数に溺れて」(Drowning my Numbers・1988・英)に出ているらしいが、残念ながら未見。その後TVを中心に活躍し、再びスクリーンにもどってくるのは「ほんとうのジャクリーヌ・デュ・プレ」(Hilary and Jackie・1998・英)あたりから。これも未見で、メジャーな作品でいうと、「コレリ大尉のマンドリン」(Captain Corelli's Mandolin・2001・米)の音楽のわかるドイツ将校役か。劇中、持たされるハメになる銃はP230(P232?)のステンレス。

 怪しげな刑事ウォッシュバーン刑事もイギリス生まれのデヴィッド・シューリス。「ドクター・モローの島」のリメイクでマーロン・ブランドが出た「D.N.A.」(The Island of Dr. Moreau・1996・米)なんかに出ていた人で、つい最近は「ハリー・ポッターとアズカバンの囚人」(Harry Potter and The Prisoner of Azkaban・2004・米)とか、がっかりのリメイク「オーメン」(The Omen・2006・米)にも出ていた人。

 マイケル・グラス医師の先輩精神科医ミレーナに、これまたイギリス生まれのシャーロット・ランプリング。とにかく「愛の嵐」(The Night Porter・1973・伊/米)が強烈で、ショーン・コネリーのSF「未来惑星ザルドス」(Zarooz・1974・英)とか、「オルカ」(Orca・1974・米/伊)にも出ているのに、あのセミ・ヌードでドイツ将校の前で踊る姿がすぐに思い浮かんでしまう。最近では、電子紙芝居みたいだった「ゴッド・ディーバ」(Immortel ad Vitam・2004・仏)に出ていた。

 監督は、もちろんイギリス、スコットランド生まれのマイケル・ケイトン=ジョーンズ。B17の最後の出撃を描いた「メンフィス・ベル」(Memphis Bell・1990・米)や18世紀のスコットランドを描いた「ロブ・ロイ/ロマンに生きた男」(Rob Roy・1995・米/英)、名作「ジャッカルの日」を豪華スターでリメイクした「ジャッカル」(The Jackal・1997・米)、容疑者が自分の息子という刑事の姿を描いた「容疑者」(City by the Sea・2002・米)などを監督している人。うむむ。

 公開2日目のレイト・ショー、25分前に着いたらロビーには10人くらいの人。若い3カップルと、オヤジが2〜3人に、若い男性が1人。15分前になって「地下鉄に乗って」が終わり、清掃後の入場という案内。

 10分前に入場。全席自由。この劇場はスタジアム形式でスクリーンが見やすい。スクリーンはシネスコで開いていた。最終的には、305席に20人くらい。男女比は6対4という感じ。確かに早めに打ち切りになりそう。

 携帯をお切りくださいという案内が流れている時も、前の方の席で平気でメールを打っている女。まったく呆れる。メールも迷惑だと、案内でハッキリ言った方がいい。

 予告ではタイトルがアメリカ映画を思い出させる「天国は待ってくれる」は幼なじみの男2人に女1人という永遠の三角関係らしいが、なんかウエットで……。「武士の一分」はもう良いかなあ。


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