Saw III


2006年11月18日(土)「ソウ3」

SAW III・2006・米・1時間48分(IMDbでは107分、米版113分)

日本語字幕:丸ゴシック体下、松浦美奈/ビスタ・サイズ(with Panavision)/ドルビー・デジタル、dts、SDDS

(米R指定、日R-15指定)

http://saw-3.jp/
(全国の劇場案内もあり)


ジグソウと似た手口の殺人が続いていたある日、女医のリン(バハール・スーメキ)は誘拐され、絶命寸前のジグソウの前に連れて行かれ、ある目的を達成するまで自分を活かしておくように命令される。リンの首の回りにはジグソウ(トビン・ベル)の心臓と連動した仕掛けが付けられ、心臓が止まるとリンの頭が吹き飛ばされるようになっていた。ジグソウの目的とは、ある男(アンガス・マクファデン)に死のゲームを仕掛けることだった。

73点

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 気持ち悪い。怖いとか、ホラーを飛び越して、変態SM映画まで行ってしまったような感じ。ちゃんとストーリーはあって、ラストには瀕死のジグソウが仕掛けたすごい試練というかテストがあるわけだけれど、そんなのどうでも良くなってくる。

 同様に、2つの話というか試練が並行して進むわけで、その1つが、自分の息子をひき殺された父親の話だが、いくら被験者が心改めても、結局は斬殺されてしまうのであれば、2度目からどうでも良くなってくる。どんな選択をしようとも意味はない。殺戮ショーを見るしかないのだ。

 ただ、その殺戮の仕方が良く考えられている。ものすごく不快だが、とにかく良く考えたものだなあと感心するし、それを良くリアルに映像化したものだなあと。脚本家はかなり変わった人なのかも。

 女医さんの場合は、大きな首輪にショットガンの弾薬が数発取り付けてあって、それぞれにS&Wリボルバーのハンマーが付けられている。これをコックしてセットするわけ。そしてリリースのキーがジグソウの心臓モニターとつながっている。ジグソウの心臓が止まったら。ハンマーが落ちる仕掛け。うーむ。

 ジグソウ役は引き続きトビン・ベル。TVを中心に活躍してきた人で、有名な作品がずらりと並ぶ。独特の危ない雰囲気がいい。映画でもいい脇役として、大作に出演している。

 ジグソウの助手を務める危ない女アマンダは、「I」「II」から引き続き出演(ほとんど忘れてたけど)のショウニー・スミス。「アルマゲドン」(Armageddon・1998・米)にも出ていたらしいが、そうかなあという感じ。憎たらしい感じがうまい。

 女医のリンを演じたのは、イラン生まれのバハール・スーメキ。名作「クラッシュ」(Crash・2004・米)の襲撃を受けるお店の娘を演じていた人。トム・クルーズの「M:i:III」(Mission: Impossible III・2006・米)ではフィリップ・シーモア・ホフマン演じる敵役の翻訳係を演じていた。知的美女だが、本作ではあまり美しく撮られていない。

 息子をひき殺された父親ジェフを演じたのは、アンガス・マクファデン。どこかで見た顔だなあと思っていたら、メル・ギブソンの「ブレイブハート」(Braveheart・1995・米)王を演じていたらしい。

 脚本を手がけたのは、第1作の「ソウ」(Saw・2004・米)の脚本も書いたオーストラリア生まれのリー・ワネル。原案は「ソウ」の監督と原案を兼ねたマレーシア生まれのジェームズ・ワンとリー・ワネルが2人で当たっている。

 監督はダーレン・リン・バウズマン。「ソウ2」(Saw II・2005・米)で監督と脚本を手がけた人。うーん、気持ち悪さを狙ったのだとすれば、スゴイ演出力だと思うけれど、怖さを狙ったのなら、どうだろう。ただ殺戮の仕方のアイディアはスゴイ。
 ちなみに、あの恐ろしい人形はほとんど出てこない。今回はイノシシのようなお面がフィーチャーされている。前売りの特典は人形付きのストラップだったんだけど。

 公開初日の初回、新宿の劇場は55分前に着いたら、前売りの列に5人、当日の列に5人。ほとんど若い男性で意外。女性0で、中高年はボクを入れても1〜2人。あらら。45分前に10人、10人くらいになり、案内のないまま35分前に開場。列がぐじゃぐじゃになりかけていたので、整列させて欲しかったなあ。この時点で前売り10人くらいの、当日30〜40人。

 最終的に、全席自由の406席の7.5割くらいが埋まった。ほとんど高校生から大学生くらいで、男性ばかり。女性は1割くらいいただろうか。中高年は1〜2割くらいの感じ。

 なぜかトイレの匂いがしてきて、しかもエアコンが強いのかちょっと寒かった。そしてカーテンが開いて、暗くなってからわざわざメール・チェックするヤツが数人。最近の液晶は明るいから、ものすごくまぶしい。まったく。

 R-18の「氷の微笑2」をしのぐ全裸シーンがあるが、暴力シーンでか、R-15指定で中学生以下は見られないことになっている。

 予告は、そろそろ見飽きてきた「ナイトミュージアム」と、全編英語ながらヴェルサイユ宮殿で撮影したというソフィア・コッポラの「マリー・アントワネット」、今度は元特殊部隊員という設定のクリスチャン・スレーターが消える「インビジブル2」(上下マスク)、というところ。


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