The Guardian


2007年2月10日(土)「守護神」

THE GUARDIAN・2006・米・2時間19分(IMDbでは136分)

日本語字幕:手書き書体下、森本 努/ビスタ・サイズ(Panavision)/ドルビーデジタル、dts、SDDS

(米PG-13指定)

http://www.movies.co.jp/guardian/
(入ったら音に注意)


アラスカ・コディアック基地に勤務する沿岸警備隊の伝説的救難士のベン・ランドル(ケビン・コスナー)は、救難中の事故でヘリが墜落、相棒を失い心に深い傷を負ってしまう。そこで一定期間、救難士養成学校Aスクールの教官を務めることになる。

70点

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 ズバリ、感想としては「海猿 ウミザル」(2004・日)そっくり。しかも「海猿」の方が出来が良い。見方によっては「海猿」にこういった青春成長ものの定番要素がすべて含まれていたということもできるのかもしれないが、本作は各エピソードがバラバラで相乗効果とならず、散漫なものとなってしまった感じ。クライマックスに向けて感情が盛り上がっていかず、長いこともあってラスト近くで眠くなった。ただ、最後の最後だけは感動的だが、それでは今までの積み重ねが不要だったということになり……。

 心に傷を負った教官、生意気な新入生、厳しい訓練、挫折、チーム・ワーク、ケンカ、恋愛、卒業そして現場へ。あらためて「海猿」がよくできていることを再認識させられた。ただ嵐の海やヘリの墜落などの3D-CGなどのSFXは、お金がかかっている分、大迫力でリアルで素晴らしい。だったらシネスコにすれば良かったのに。ドラマに注力したいということで、ビスタにしたのかもしれないが、残念。

 主演のケビン・コスナーは、なんだかヒーローを演じるとどこかに素直に見れない感じが漂うようになってしまった感じ。普通の人とか、むしろ悪人を演じたほうがリアルに見える。これが彼の映画が最近、日本で受けない理由かもしれない。悪役を演じた「スコーピオン」(3000 Miles to Graceland・2001・米)、普通の人を演じたミステリー「コーリング」(Dragonfly・2002・米)、監督も兼ねガンマンを演じた「ワイルド・レンジ 最後の銃弾」(Open Range・2003・米)なんか良かったのに、あんまり人が入っていなかった。ケビン・コスナーで人が入っていたのは、ヒーローを演じて評価が低かった「ポストマン」(The Postman・1997・米)が最後か。

 アメリカではすごい人気というアシュトン・カッチャーは、ボクにはどこが良いのかよくわからない。本作でもキャラクター設定がいまいちで、わかりにくい。演技にも迷いがあったのではないだろうか。アメリカでの人気だけが先行し、肝心の映画は、自身がプロデューサーも務めたSFファンタジー「バタフライ・エフェクト」(The Butterfly Effect・2004・米)くらいしか話題にならなかった気がするが……。

 アシュトン・カッチャーの相手役の美女は、メリッサ・サージミラー。まだあまり出演作は多くないようで、メジャー作はロバート・レッドフォードと共演した「二重誘拐」(The Clearing・2004・米)。日本では小劇場での公開だったので見なかったが、どうだったのか。

 ケビン・コスナーと衝突しそうになるがこれも中途半端なキャラクターの教官、ジャック・スキナーには、悪役の多いニール・マクドノー。スピルバーグ&トム・クルーズのSF「マイノリティ・リポート」(Minority Report・2002・米)とか、TVムービーの「バンド・オブ・ブラザース」(Band of Brothers・2001・米)が有名。

 監督はカメラマン出身のアンドリュー・デイヴィス。アクションに定評のある人で、代表作にはチャック・ノリスの「野獣捜査線」(Code of Silence・1985・米)、スティーヴン・セガールの出世作「刑事ニコ 法の死角」(Above the Law・1988・米)、傑作暗殺映画「ザ・パッケージ 暴かれた陰謀」(The Package・1989・米)、スティーヴン・セガールの代表作「沈黙の戦艦」(Under Siege・1992・米)……とアクション映画の名作、ヒット作がズラリ。ただ最近はいまひとつの印象。大好きだったんだけどなあ。「逃亡者」(The Fugitive・1993・米)とか「ダイヤルM」(A Perfect Murder・1998・米)なんかはなあ……。

 脚本はロン・L・プリンカーホフという人。この前に書いた脚本は、シルベスター・スタローンが主演した不入りアクション「D-TOX」(D-TOX・2002・米)だからなあ……。

 公開初日の初回、新宿の劇場は50分前についたら誰もいなかった。40分前になって前売り券に3〜4人。当日券に中年カップル1組。25分前に会場になった時でも12〜13人。ほとんど中高年の男性で、オバサンは4人くらい。20〜30代は2〜3人。最若は中学生くらい。日本ではケヴィン・コスナーもアシュトン・カッチャーもあまり人を呼ぶことは出来なくなったようだ。最終的には、朝早いこともあったのだろうが、1,044席にわずか50〜60人くらい。初回のみ12席×2列のカバーの席も、全席自由。

 カーテンが開いて、半暗くなって始まった予告で気になったのは……個人的にTVでガッカリした「西遊記」がそのまま映画になるんだとか。上下マスクのシネスコ・サイズになるようだが、どうにも香取の1本調子の叫ぶようなセリフ回しがなじめなくて……。長澤まさみの主演の映画はタイトルが良くわからないまま終了。何だったんだろ。TVものでは篠原涼子の「アンフェア」はなかなかおもしろそう。授賞式シーンから始まった「バベル」は新バージョン。怖そう。

 「ドリームガールズ」はあまり伝わっていないが、「ハンニバル・ライジング」は鎧の面を付けるシーンだけだが怖いし何かを期待させる。今劇場窓口で前売り券を買うと、この面がもらえる。

 予告が始まっているのに、結構人が入ってきて気が散る。スピルバーグとマイケル・ベイが登場して日本語であいさつする上下マスクの「トランスフォーマー」はついに映画の映像を使った内容よりの予告になった。とにかく映像がスゴイ。米軍のヘリが変形して、すごいことに……。

 「スパイダーマン3」は飽きてきたが、上下マスクの「デジャヴ」の予告がやっと始まった。見たい。使っているのはUSP?

 暗くなって、SFっぽい新しいドルビーデジタルのデモがあって、本編へ。

 確かにここのコーヒーはうまいのだが、飲食物持ち込み禁止の札が立ててあったけど、いまどきこれはどうなんだろうか。


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