Night at the Museum


2007年3月17日(土)「ナイト ミュージアム」

NIGHT AT THE MUSEUM・2006・米・1時間48分

日本語字幕:丸ゴシック体下、戸田奈津子/ビスタ・サイズ/ドルビーデジタル、dts(IMDbではSDDSも)

(米PG指定)
(日本語吹替版もあり)

公式サイト
http://movies.foxjapan.com/nightmuseum/
(音に注意。全国劇場案内もあり、映画の情報少)


離婚して息子と離れて暮らすラリー・デリー(ベン・スティラー)は、週に2回しか息子と会えない。しかし、また失業し引っ越しを余儀なくされていた。父親としてしっかりしたところを見せたいラリーは、ニューヨーク自然史博物館の夜警の職を得る。しかしその博物館には夜になると毎日とんでもないことが起きていた。

73点

1つ前へ一覧へ次へ
 あり得ないとんでもないストーリー。でも、笑えるし、リアルなSFXはすごいし、めちゃくちゃなことになりながらちゃんとまとめて見せるし、父と子の絆、自信を取り戻すとか、人間も描いていて、意外に感動させてくれる。つまり、一言でいえば面白い。

 1時間48分の間、とびきりのファンタジーを見せてくれる。そういう意味でとても映画らしい映画で、こういうものはテレビのような小さな画面ではなく、音響も良い大迫力の劇場で見たい。というか、そうでないと楽しさが半減する。

 一番良かったのは、主演のベン・スティラーがいいこと。演技が大げさでなく、絵に描いたようなバカな役でもない。怒鳴り散らしても、きわめて一般的な範囲。普通の人。これなら受け入れられる。

 子役もかん高い声で叫ぶだけのいたずら坊主ではなく、ダメな父を受け入れようと努力する健気な子。演じているのはジェイク・チェリーという11歳の男の子。TVで7歳から活躍しているらしい。

 離婚した母親は、キム・レイバー。大ヒットTVドラマ「24」で、国防総省長官の娘でジャック・バウアーとできていた役を演じていた美女。他にも「ER」とかTVで活躍していた。これから映画で活躍していくようだ。

 デディ・ローズベルト大統領の蝋人形を演じたのは、おなじみロビン・ウィリアムズ。声優としても大活躍で、新作も3本ほど待機中。すごい。持っていたレバー・アクションのライフルは、ウインチェスターのM94。実際に熊猟などで使ったと言われる。ただ実際のものはマガジンが短かったようだが。

 クビになる陽気な3人の老人警備員を演じているのは……セシル(Cecil、劇中ではシーセルと発音)役がディック・ヴァン・ダイクという人。御年82歳。やっぱりTVを中心に活躍してきた人で、自分の名を冠したショーまで持っていた。映画ではウォーレン・ビーティが主役を演じた「ディック・トレーシー」(Dick Tracy・1990・米)に出ていた。とぼけた味が素晴らしい。

 黒人のおじいさんはビル・コブス72歳。やっぱりTVを中心に活躍していた人で、「NYPDブルー」とか映画ではハリソン・フォードの不倫映画「ランダム・ハーツ」(Random Hearts・1999・米)、ウェズリー・スナイプスの「ニュー・ジャック・シティ」(New Jack City・1991・米)、「ラストサマー2」(I Still Know What You ・1998・米)なんかに出ている。

 口の悪い小柄なじいさんは、87歳のミッキー・ルーニー。天才子役としてサイレント時代から活躍を始め、芸歴は87年という超ベテランだ。ジュディ・ガーランドとの共演作も多く、「ティファニーで朝食を」(Breakfast at Tiffany's・1961・米)では眼鏡で出っ歯の日本人を演じたことも。最近ではジョージ・ミラー監督の「ベイブ/都会ヘ行く」(Babe: in the City・1998・豪)にも出ていた。

 博物館の案内をやっている美女のレベッカは、カーラ・グギーノ。「スピン・シティ」などのTVで活躍し、ロバート・ロドリゲスの子供映画「スパイ・キッズ」(Spy Kids・2001・米)でお母さん役を演じた人。

 博物館の中の展示人形で、トーマス・ジェファーソン大統領の命令で1804年から西部を探検したルイスとクラークを道案内したという少女アメリカ・ネイティブのサカジャウィアを演じたのは、ミズオ・ペックという美女。この人もTVで活躍してきた人。映画初出演は日本劇場未公開の「クリミナル・サスペクツ」(Scense・2001・米/独)らしい。ホントは何人なのだろう。もっと映画に出て欲しい。

 クレジットはされていないが、西部の展示のリーダー、カウボーイのミニチュアを演じているのがオーウェン・ウィルソン。もう「シャンハイ・ヌーン」(Shanghai Noon・2000・米)そのまま。

 そのライバルでローマ軍の司令官、オクダヴィウスのミニチュアを演じているのはスティーヴ・クーガン。TV出身。イギリス生まれで、「80デイズ」(Arround the World in 80 Days・2004・米/独ほか)で準主役の博士を、いろいろ物議を醸したソフィア・コッポラの「マリー・アントワネット」( Marie Antoinette・2006・米)にも出ている。

 監督はショーン・レヴィ。ラジー賞のワースト・リメイク賞にもノミネートされた、あのダメダメ映画「ピンクパンサー」(The Pink Panther・2006・米)を監督した人。さらに、どうしようもないダメ映画「ジャスト・マリッジ」(Just Married・2003・米)も監督している。なぜ、これで新作が撮れるのか不思議でならない。この監督のファンには申し訳ないが、本作は微妙なところで駄作にならずにすんだという感じなのかもしれない。でも新作が4本も控えているからなあ。なぜなんだろう。まあ、面白い作品を作ってくれればいいんだけど。

 タイトルは、「パニック・ルーム」(Panic Room・2002・米)のパターン。街の風景に3D-CGの文字が影までついて、溶け込んでいる。まるで本当にそこにあるかのよう。それがちょっと進化したパターン。手がけたのはジョナサン・ブロックという人らしい。過去に「ワイルド・スピードX2」(2 Fast 2 Furious・2003・米)や、「チーム★アメリカ/ワールドポリス」(Team America: World Police・2004・米)、「The Juon/呪怨」(The Grudge・2004・米)などのタイトルがある。さすが。

 エンド・クレジットになっても、映像があるので、すぐに席を立たないように。エンド・クレジットが始まるとすぐに携帯のメール・チェックを始める迷惑なヤツがいた。まったく……。最後の最後にオチの映像があることもあるのだから、場内が明るくなるまで携帯は出さないで欲しい。

 公開初日、銀座の劇場の字幕版初回(トータル2回目)、朝に座席を確保しておいたので、20分前くらいに劇場へ。しかし、朝にちょっとしたトラブルが。寒い日で、吹替版上映40分前に付いたら小さな子供も含めた20人くらいの行列で、珍しくまだ開場していなかった。いつもなら60分前くらいには入れるのに。吹替版で小さな子がいるのに寒空に待たせて……と思っていたら、列にいた太めの中年男性が、説明に来た若い従業員に向かって大きな声で「にいちゃん、にいちゃん」と呼びかけ、「寒いから早く入れろ」と関西弁でまくしたてると「○○さんは来てるのか。株主総会で問題にするぞ」とか脅し始める始末。アルバイトのような子にそんなこと言ってもムダだって。彼が困るだけ。確かに早く入れるべきだが、このやり方、言い方は問題ありだろう。人間としてどうなのか。たぶん列に並んでいたほとんどの人が引きまくり、テンションが下がったに違いない。せっかくこれから楽しい映画を見ようというのに……。

 2回目でも初日プレゼントがあり、紙製の恐竜の骨の立体模型組み立てキットをもらった。これはすごい。得した感じ。ロビーは前回を見た人と、次回を待つ人でごった返していた。15分前に入場となって、場内へ。17席×2列がプレミアム・シート。全席指定。男女比は半々くらいで、20〜30代くらいは1/3ほど。字幕版だから年齢層が高いとしても、意外に中高年が多い。

 それにしても、予告編が始まってからくる奴の多いこと。席が確保できているから安心しているのだろうか。暗くなってから入ってこられると、結構迷惑。ドアから漏れる光は結構気になる。これから映画を見るのに集中を始めているってのに、気が散ってしまう。

 今回は関係者は10人位。初日ブレゼントを配るためなのか、場内には2人くらいしか入っていなかった。

 気になった予告編は……「メメント」のクリストファー・ノーラン監督の「プレステージ」。ついこの前まで「イリュージョンVS」と言っていたもの。世紀のイリュージョン対決というわけで、これは見たい。「バベル」は飽きてきたなあ。まったく同じ内容だし。「オール・ザ・キングスメン」はちょっと重いか。

 暗くなって、20世紀フォックスのロゴのサーチライトがパタパタと消えたと思ったら、また運の悪いヤツが帰ってくると。えっ、まさか、と思っていると「ダイハード4.0」の予告。これは、やっぱり見るでしょう。すごいアクション。


1つ前へ一覧へ次へ