Project BB


2007年4月7日(土)「プロジェクトBB」

ROB-B-HOOD・2006・香・2時間06分

日本語字幕:丸ゴシック体下、大田直子/シネスコ・サイズ(レンズ、Panavision)/ドルビーデジタル、dts

(香港IIA指定)

公式サイト
http://www.projectbb.jp/top.html
(入ったら音に注意。全国の劇場案内もあり)


ギャンブル好きのサンダル(ジャッキー・チェン)、金持ち女に乗り換えようと離婚を考えているフリーパス(ルイス・クー)、金をせっせと冷蔵庫の中に貯め込んでいる大家(マイケル・ホイ)は、お人好しの泥棒トリオ。ところが3人とも全財産を失い、ギャングのボスからの依頼を受けて、ある赤ちゃんを誘拐することになる。

72点

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 ストーリーはあまりよく練られていないようで(脚本にジャッキーも参加している)、納得いかないような展開も多々あるが、コメディでありファンタジーで、ほどよく笑えてアクションがすごいので、それで充分満足。楽しめる。例によってエンディングではNGシーンが流されるが、怪我をして病院へ行って医者に診てもらおうと言っているところもあった。ハリウッドでは絶対に許されないような危険を伴う撮影のやりかた。世界的なスターなのに、ここまでやるか。それが伝わってくるので、半端な感じの展開も許せてしまうと。

 とにかく赤ちゃんがかわいい。ショービズ界では「動物と子供には勝てない」と言われるらしいが、まさにそれを使っているわけだ。出演者の体を張った演技がすべてかすむくらい、赤ちゃんがかわいい。最後にNGシーンが流れないとみんなのがんばりを忘れてしまうくらい。その赤ちゃんをみんなが愛して、助けようとする気持ちが観客にも芽生えるわけで、それでもうこの映画は成功したも同然。

 懐かしい感じのするキャストも良い。相棒のひとり、大家を演じているのはマイケル・ホイ。大ヒット・コメディ・シリーズ「Mr. BOO! ミスター・ブー」(半斤八両・1976・香)を自ら監督・脚本・出演した人。3兄弟で、リッキー・ホイとサミュエル・ホイもいたが、本作ではマイケルだけ。最近は見かけなかったのでビックリ。年取ったなあ。

 取り締まる側なのにサンダルと仲のいい警官モク警部に、ユン・ピョウ。最近も「拳神/KENSHIN」(拳神・2001・香)や「無問題2」(無問題2・2001・香)で見ていたので驚きはなかったが、ジャッキー・チェンと一緒に出ると懐かしい感じがする。息もピッタリ合って、いい雰囲気。ジャッキーが本当にビルの外壁にあるエアコンの室外機をジャンプで伝って降りてくるシーンでは、最後の最後にユン・ピョウがセリフをとちって撮り直し。ジャッキーが「長回しでNG出すなよ」と崩れるところが笑える。

 若き相棒フリーパスはモデル出身のイケメン、ルイス・クー。アクションでは体を張っているし(主役のジャッキーがやっているし、アクション監督がジャッキーだから、やらざるをえないだろうが)、コメディ・センスもなかなか。赤ちゃんのウンチが付いたオシメを投げ合うのはさすがにオエッとなったが、顔中ウンチだらけになって熱演。日本での公開作は少ないようだが、最近公開された暴力団映画「エレクション」(黒社會・2005・香)でやくざを演じていた人。まったく雰囲気が違う。

 お約束の美女は、赤ちゃん教室の看護婦メロディがカオ・イェンイェン(オールシネではユアンユアン)。日本公開作は少ないようで見た記憶がない。フリーパスの健気な妻パッインはシャーリーン・チョイ。香港の人気アイドル・ユニットTwinsの1人で、相棒のジリアン・チョンと「ツインズ・エフェクト」(The Twins・2003・香)で体当たりアクションを披露していた人。本作ではちょっとオマヌケな役で、かわいい。アイドル卒業か。

 悪役にはいつものジャッキー組。日本人の葉山豪も出演。そしてチラリとニコラス・ツェーが顔見せ出演。見逃さないように。

 監督はベニー・チャン。アクション映画をうまく見せる人で、ボクが見たのは仲村トオルも出たヤング・スター・アクション「ジェネックス・コップ」(特警新人類・1999・香)や、山本未來が出たジャッキー映画「WHO AM I ?」(Who am I ?・1999・香)、ジャッキーのハード・アクション「香港国際警察/NEW POLICE STORY」(New Police Story・2004・香)と、面白い作品が多い。中でも良かったのは、催眠術を使った「48時間」のようなアクション「ヒロイック・デュオ 英雄捜査線」(Heroic Duo・2003・香)。この人はどちらかというと、コメディよりハード・アクションの方が向いている気がするが……。

 公開初日の2回目、新宿の劇場は30分前でロビーに22〜23人の列ができていた。入場プレゼントがあり、ジャッキーのサイン(印刷)入りの生写真(印刷かも)をもらった。男女比はほぼ半々。中高年は1/3くらいで、高校から大学生くらいがメイン。さすがジャッキー。15分前に片側で35人くらいになって入場。全席自由で、最終的には406席に8割ほどの入り。さすがジャッキー。

 ロビーで並んでいたら、独り言をブヅフツ言っているオヤジが近くにいて恐かった。上映中にメール・チェックしているヤツもいるし、やれやれと。ハーゲンダッツを売っていたけど、高くてなあ。うまいんだけど。

 予告編はカーテンが開いて、暗くなってから。圧倒的に見やすい。面白そうで期待しているのは「このミス」で1位に選ばれた「極大射程」の映画化「ザ・シューター」。伝説のスナイパーが暗殺の濡れ衣をおわされるという「クロスゲージ」(Most Wanted・1997・米)みたいな話だが、はたしてどうか。狙撃距離1.6km。ということは.50口径か。劇場前売り券にはライフル弾のキーホルダーが付くらしい。

 「ハンニバル・ライジング」はやっと新しい予告に。4/21からなのに遅いのでは? 「バベル」は監督と、菊地凛子と役所広司の3人があまり美しくないビデオ画像で登場するバージョンに。

 スクリーンがシネイコ・サイズになって、「スモーキン・エース」。スコーピオン、ダロック、USP、バーレット、M92など銃器オンパレード。映画史上最凶の18時間1本勝負の殺し合いらしい。とにかく強烈ですごい。唇を真っ赤に塗ってS&WのM642らしい銃を持ったアリシア・キーズが魅力的。


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