Sunshine


2007年4月15日(日)「サンシャイン2057」

SUNSHINE・2007・英・1時間48分(IMDbでは107分)

日本語字幕:丸ゴシック体下、戸田奈津子/シネスコ・サイズ(マスク、Arri、Super 35)/ドルビー、dts、SDDS

(英15指定)

公式サイト
http://movies.foxjapan.com/sunshine2057/
(音に注意。全国の劇場案内もあり)


2050年、太陽が消滅しそうになっていたことから、人類はイカロス1号を製作、巨大な核兵器を太陽に撃ち込んで再生させるミッションに送り出した。しかし作戦は失敗に終わり、イカロス1号は行方不明となってしまった。7年後、ロバート・キャパ(キリアン・マーフィ)ほか7名のクルーを乗せたイカロス2号を完成させると同じミッションで再び太陽に向け送り出した。しかし思わぬ事態が発生する。

75点

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 本格シリアスSF。これはなかなか重い。「2010年」(2010・1984・米)とか、「クライシス2050」(Solar Crisis・1990・日/米)、「サイレント・ランニング」(Silent Running・1972・米)、ちょっと「エイリアン」(Alien・1979・米)も合わせたような感じ。おもしろくて、恐くて、どうなるのか予想がつかず、素晴らしいビジュアルと演出でクルーと一緒に宇宙旅行しているような気分にさせてくれる映画。これはすばらしい。よくできている。SFXとかCGも驚異的なビジュアル体験をさせてくれる。

 ただ、どうにもどこかで見たような印象が拭えない。オリジナルティがないというか……。悪くないのに。加えて言えば「スフィア」(Sphere・1998・米)とか「イベント・ホライゾン」(Event Horizon・1997・米)の雰囲気もあるし。

 ちなみに、視覚効果スーパーバイザーのトム・ウッドは、ピアース・ブロスナンの「007シリーズ」を手がけた人。うまい。

 脚本は「ザ・ビーチ」(The Beach・1999・米)の原作と「28日後...」(28 Days Later...・2002・英/米/蘭)の脚本を手がけたアレックス・ガーランド。いずれもダニー・ボイル監督と組んだ作品で、どちらもあまり好きではないなあ。原作を手がけた「テッセラクト」(The Tesseract・2003・英/タイ/日)はわりと良かったけど。

 監督はダニー・ボイル。1956年、イギリス生まれ。イギリス映画だからか、多くの作品がアート系の小劇場での公開。見たくても、ついつい敬遠することになってしまう。「ザ・ビーチ」は大きな劇場だったが。有名なところでは「シャロウ・グレイブ」(Shallow Grave・1995・英)、「トレインスポッティング」(Trainspotting・1996・英)、「普通じゃない」(A Life Less Ordinary・1997・米)などユアン・マクレガーとの作品が多い。「ザ・ビーチ」、「28日後...」などがあって本作。

 主人公のロバート・キャパは、有名なマグナムの報道写真家と同じ名前。なぜ、この名前にしたのか。演じているのはキリアン・マーフィ。つい最近「麦の穂をゆらす風」(The Wind That Shakes The Barley・2006・独/伊ほか)で主演を演じていた。

 最後までガンバル女性、キャシーにローズ・バーン。「スター・ウォーズ エピソード2」(Star Wars: Episode II・2002・米)でアミダラ姫の侍女パドメを演じていた人。「ホワイト・ライズ」(Wicker Park・2004・米)やビラピが主演した「トロイ」(Troy・2004・米)、ソフィー・コッポラの「マリー・アントワネット」(Marie Antoinette・2006・米)にも出ていたらしい。

 ちょっと気の強い男メイスに、クリス・エヴァンス。「ファンタスティック・フォー」(Fantastic Four・2005・米)の燃える男ヒューマン・トーチを演じている人。「セルラー」(Celluar・2004・米)で、キム・ベイシンガーの電話を受けて奔走する若者も演じていた。

 船長カネダを演じたのは、いうまでもなく真田広之。「ラストサムライ」(The Last Samurai・2003・米)で一気に国際派になった感じ。「PROMISE」(無極・2005・中/日/韓)でもがんばっていたが、あまり良い役ではなかった。本作は良い役とは言え、いまひとつ印象というか感動が薄い。惜しい。

 植物担当のコラゾンはミシェル・ヨー。「SAYURI」(Memories of a Geisha・2005・米)や「007/トゥモロー・ネバー・ダイ」(Tomorrow Never Dies・1997・英/米)で国際的女優なのに、香港で自らが製作総指揮をして「シルバーホーク」(飛鷹・2004・香)や「レジェンド 三蔵法師の秘宝」(天脈傳奇・2002・中/香/台)などの冒険活劇を製作主演しているすごい人。こちらも活躍は少ない。これだけの人を使っていながら、もったいない。

 公開2日目の初回、銀座の劇場は50分前でオヤジが3人。35分ほど前に支配人の丁寧なあいさつで開場したときで5人くらい。4席ほどカバーの席があったが初回は全席自由。座席はカップ・ホルダー付きの新しいものになったが床はフラットのままで、千鳥配列でもないためスクリーンが見にくい。この劇場はそれだけが難点。ちょっと座高が高い人が前に座っただけで、下に出る字幕は読めなくなる。みな人が増えてくるに従って席を移動する。

 15分前くらいから増え出して、最終的には270席の7割くらいが埋まった。これは見事。下は親に連れられた小学生の女の子からいたが、ほぼメインは中高年。20〜30代前半は1/4くらい。女性も1/4くらい。

 気になった予告編は…… 上下マスクで上映された「ザ・シューター」は面白そう。画質もとても良い。いろんなスナイパー・ライフルを使っているようだ。「スモーキン・エース」は、とにかくとんでもないアクションという感じで、エースという男を殺すため100万ドルの報酬で7人の殺し屋が集まってくるという話らしい。日本では珍しくR-15指定に指定されている。監督が「NARCナーク」(Narc・2002・米)のジョー・カーナハンなので、期待できるのではないだろうか。オール・スター・キャスト状態というのもすごい。

 「ファンタスティック・フォー銀河の危機」の予告が早くも始まった。まだ日本語サイトはないが、日本語表示は可能。敵として「ターミネーター2」(Terminator 2: Judgment Day・1991・米)のT-1000のような液体金属風の男〈シルバーサーファー〉が空飛ぶサーフボードに乗って現われる。なかなかすごそう。


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