Gegege no Kitarou


2007年4月29日(日)「ゲゲゲの鬼太郎」

2007・松竹/フジテレビジョン/電通/スカパー・ウェルシンク/バーニングプロダクション/PPM/バンダイ/読売広告社/Yahoo JAPAN・1時間43分

ビスタ・サイズ/ドルビーデジタル



公式サイト
http://www.gegege.jp/
(重い。入ったら音に注意。全国の劇場案内もあり)


妖怪ポストに小学生の三浦健太(内田流果)の手紙が投函された。団地の近くにテーマパークが建設されることになり、住民が反対運動を始めたら妖怪が現われるようになり、住民を脅しているというものだった。鬼太郎(ウェンツ瑛士)はさっそく状況を視察に行く。そのころ、ねずみ男(大泉洋)は神社の地下で奇妙な石を発見し、質屋で売り払おうとする。ところがその場に居合わせた三浦健太の父、晴彦(利重剛)はその石に魅入られ盗んでしまう。その石は多くの妖怪の怨念が宿った「妖怪石」だった。そしてそれを悪用しようとする七尾のきつねの妖怪、空狐(橋本さとし)の一味がそれを手に入れようと狙っていた。

70点

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 なんだか古くさい作り。1960年代の粗製乱造の頃の日本映画のよう。しかも子供向きに限定して作られているようで、ちっとも納得できない話で、感動すべきシーンでも何も伝わってこなかった。あえて言えば退屈。単調でめりはりやがないというか……。と、これは大人の視点から見た場合。子供たちにはどうだったのだろうか。客席はほとんどずっと静かだったけれど。

 ちょっと「妖怪大戦争」(2005・日)っぽい部分もあるが、むしろ「地獄堂霊界通信」(1996・日)とか「デビルマン」(2004・日)っぽい。うむむ。

 最大の見どころは、猫娘を演じた田中麗奈の短いワンピ姿か。毛のバンツも驚いた。豹変した姿はさすがに恐ろしかったが、普段は妙に色っぽい。これがなかったら……。CGなどはTVなどでもよく見るもので、特にどうという印象はなかった。特殊メイクも「妖怪大戦争」と同レベルな感じで、こちらも特に何もない。

 ちょい役にもゲスト出演的なスターとかが多く、この役だったらもっと他のがんばってる役者さんたちを出してあげればいいのに……。それで予算ももっとCGや特殊メイクなどにかけられるだろうに。うーん。

 メインの配役は面白かった。ウェンツ瑛士のゲゲゲの鬼太郎をはじめ、田中麗奈の猫娘、大泉洋のねずみ男、室井滋の砂かけ婆などまさにイメージどおり。よくこの役をやってくれたものと思う。ほかにも豪華キャストが参加している。目玉のオヤジは3D-CGで、声はTVアニメと同じ田の中勇。

 たぶん最大の問題点は脚本で、つぎに古い演出か。セリフは時代劇のものを無理に若者言葉に置き換えたような浮いた感じ。でもプロフィールを見ると、脚本は1964年生まれの羽原大介という人で、「ゲロッパ」(2003・日)とか「パッチギ」を(2004・日)手がけた人。最新作は「フラガール」(2006・日)。どうして、こうなっちゃうのか……理解できない。向いていなかったジャンルということかも。

 監督は1963年生まれの本木克英という人。「釣りバカ日誌」の11〜13話や、「ドラッグストア・ガール」(2003・日)を監督している。1965年生まれの本広克行監督と名前が似ていて混乱する。とにかく古い人ではないのに、この演出はどうしたんだろう。部下がボスの前でカメラに向かって意味のない動きをしたり……考えられないというか。

 一部の妖怪は狙いなのか、から傘お化け、油すましなど「妖怪大戦争」のキャラとダブるものもいた。まあポピュラーな妖怪なので、同じような表現になるのは当然だろうが。

 ただ、ねずみ男の着ている服が革のようだったが、やっぱりイメージとしては薄汚れた布だよなあ。悪くはなかったけど。

 公開2日目の初回、銀座の劇場は全席指定なので前日に座席を確保しておいて20分前に到着したら、ちょうど開場したところ。年齢層は、下は小学校低学年から上はたぶん小さい頃TVアニメで見ていただろう中高年まで幅広い。ファミリーが多い感じだが、意外と中高年もいた。男女比は6対4くらいで男性が多かった。

 最終的に2F席は朝早いこともあってか、わずかに2割くらいの入り。1Fは見えなかったがどうだったのか。このできではこんなものではないだろうか。

 隣のオヤジが、タバコを吸ってきたばかりなのかタバコ臭いのには困ったが、オヤジが3人並んで座った横に、小さな女の子の2人連れといった奇妙な景色があちこちで見られた。

 気になった予告編は、「ベクシル」。ほぼ「アップルシード」(2004・日)と似た印象だが、2077年、日本ハイテク鎖国というコンセプトが面白い。そこへ米国特殊部隊の女性隊員が潜入してくるという。

 まあ、やっぱりなかなかタイトルが出ない予告が多く、出てもタイトルかどうかわからないものも。どうなんだろ。

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