The Reaping


2007年5月20日(日)「リーピング」

THE REAPING・2007・米・1時間40分(IMDbでは米版は96分)


日本語字幕:手書き書体下、瀧ノ島ルナ/シネスコ・サイズ(マスク、with Panavision、Super 35)/ドルビーデジタル、dts、SDDS

(米R指定)

公式サイト
http://wwws.warnerbros.co.jp/thereaping/
(音に注意。全国の劇場案内もあり)


かつて聖職者だったが、夫と娘を失ったことから信仰をも失ったキャサリン(ヒラリー・スワンク)は、今は大学教授として教えるかたわら、依頼されて超常現象によるトラブルを科学的に分析し解決する仕事を請け負っていた。そこへ、旧約聖書にある10の災いのような現象が起きて困っているという町の代表がやってくる。

73点

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 よくある話、という感じがすごくするが、見せ方がうまく、構成も良くできているので、ついついその気になって見てしまう。まるで主人公と一緒に謎解きにチャレンジしているというか、事件に巻き込まれているかのような感じ。1時間40分の間、とりあえず奇妙な恐ろしい話に没入して楽しめた。

 たぶん、よくある話でも、主人公が否定するポジションというのがいいのだろう。多くの観客の気持ちを代弁している形だ。ただやみくもに否定するのではなく、科学的に、冷静に、理論的に説明していくのは気持ちいい。「幽霊の正体見たり、枯れ尾花」という感じもあるし。

 超常現象の見せ方もうまい。いかにもリアルな感じ。ありふれたテーマでも、よい表現方法を使えば新鮮だ。疑ってみるよりは、気持ち良くダマされて見るのが良いと思う。

 ちなみに、ホラーものに良く登場する(「ハムナプトラ」(The Mummy・1999・米)にも出てきた)旧約聖書・出エジプト記の10の災いとは、川の水が血に変わる。カエルだらけになる。ブヨでいっぱいになる。アブが大発生する。家畜が死滅する。腫れ物が流行する。大きな雹が降る。イナゴの大群が作物を食いつくす。光が奪われ暗闇に覆われる。人間も家畜も、すべての初子が死ぬ。

 それで本作の予告では「イナゴ少女現る」なんてやっている。単なるパニック映画かと思った。

 製作は、ロバート・ゼメキスとジョエル・シルバーが作ったホラー映画専門のダーク・キャッスル・エンタテインメント。

 ヒラリー・スワンクに助けを求めてくる町の男ダグは、デイビッド・モーリシー。つい最近ラジー賞を受賞した「氷の微笑2」(Basic Instinct 2・2006・独英米)で情けない精神科医を演じていた人。「コレリ大尉のマンドリン」(Captain Corelli's Mandolin・2001・米)では音楽のわかるドイツ将校を演じていた。

 ヒラリー・スワンクの助手を務める黒人男性はイドリス・エルバという人。これまではTVの仕事が多かったようだが、劇場映画の新作が3本も控えており、今後期待かもしれない。

 他の人とほととんど絡まない、1人で撮影したような登場の仕方をするのは、スティーブン・レイ。あの衝撃の「クライング・ゲーム」(The Crying Game・1992・英)の主人公を演じた人。最近では「Vフォー・ヴェンデッタ」(V for Vendetta・2005・英独)に出ていた。

 金髪の美少女はアナソフィア・ロブ。1993年生まれというから14歳。「チャーリーとチョコレート工場」(Charlie and the Chocolate Factory・2005・米)で、抽選に当たった子供のうち、チューインガムを噛むコンテストのチャンピオンを憎たらしく演じていた子。こんなカワイかったんだ。今後期待かも。

 公開2日目の初回、35分前に着いたらまだエレベーターが止まるようになっていなかった。何の案内も出ていないので、別の劇場まで行ってしまった。30分前になって、やっと劇場に止まるようになり、場内へ。初回のみ全席自由。この時点で10人くらい。若い男性1人、オバサン3人、あとは中高年のオヤジ。その後、中学生くらいの子連れのファミリーも来たが、最終的には470席に50人くらいの入り。ちょっとさみしい。女性は5〜6人。ほとんど中高年の男性。

 気になった予告は……「憑神」は新予告になったが、やっぱり内容は良くわからない。でも面白そうな感じはする。そして「パイレーツ・オブ・カリビアン」も新予告に。飽きてきたので、早く見たい。「300」も相変わらずだが、絵の力がすごいのでついつい見てしまう。期待大。


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