Pirates of the Caribbean: At Wprld's End


2007年5月26日(土)「パイレーツ・オブ・カリビアン ワールド・エンド」

PIRATES OF THE CARBBEAN: AT WORLD'S END・2007・米・2時間49分(IMDbでは168分)


日本語字幕:手書き書体下、戸田奈津子/シネスコ・サイズ(マスク、with Panavision、Super 35)/ドルビーデジタル、dts、SDDS

(日本語吹替版もあり)(米PG-13指定)

公式サイト
http://www.disney.co.jp/pirates/
(入ったら音に注意)


捕らわれの身となってしまったジャック・スパロー(ジョニー・デップ)を救うため、ウィル・ターナー(オーランド・ブルーム)とエリザベス・スワン(キーラ・ナイトレイ)は、バルボッサ船長(ジェフリー・ラッシュ)と手を組み、捕らわれている場所を記した地図を手に入れようと、シンガポールの海賊のボス、サオ・フェン(チョウ・ユンファ)のもとを訪れる。一方、東インド会社のベケット卿(トム・ホランダー)はディヴィ・ジョーンズ(ビル・ナイ)の心臓を手に入れ、ディヴィ・ジョーンズを操って海賊たちを次々と葬り去っていた。

76点

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 すごい。冒険に次ぐ冒険。次から次へと驚きの映像で、海賊たちの大冒険が描かれていく。そしてすべてが決着し、おとぎ話的物語に相応しいピリオドが打たれる。このセット、衣裳、SFXにつぎ込まれたお金が半端なものでないことは、ひと目でわかる。それだけでも見る価値のある映画。

 しかも物語を破綻させずに、みんなを納得させてきちんと終わらせてみせるとは、あっぱれとしか言いようがない。3時間近い作品なのに、それほど長いと感じさせないところもスゴイ。

 ただ、それらの点にばかり注力されたためか、ハートの部分というか、中身のようなものが何もないような印象も。最後まで諦めないことだとか、友情だとか、信頼だとか、愛などといったメッセージなり主張なりがない。伝わってこない。だから、まさに原点であるディズニー・ランドのアトラクションで海賊たちの大騒ぎを乗り物に乗って眺めているような感じ。もちろんこういう映画もありだろうけれど、見終わってSFXがすごいという印象しか残らないのは寂しい気もする。

 エンド・クレジットが終わった後に、いかにもおとぎ話的な「そして二人は幸せに暮らしました」というピリオドに相当する小さなエピソードがあるので、すぐに席を立たないように。

 出演者はほとんど第2話と同じ。というか第2話と一緒に撮影していたのだから、当然だろう。新しいキャラクターとしてはシンガポールの海賊のボス、サオ・フェン役のチョウ・ユンファがいるが、思ったより出番は少ない。169分という長編から見れば、ほんのちょっと。酷かった「バレット・モンク」(Bulletproof Monk・2003・米)がコケて以降、ハリウッド作品から遠ざかっていたようだが、まだハリウッドにいたようで、良かった。

 うわさどおり、ローリング・ストーンズのギタリスト、キース・リチャーズが出てきた。しかもギターまで弾いて見せる。ちょっと汚い海賊のイメージがぴったりで笑える。

 粗筋はわかりやすいのだが、個々の会話がわかりにくかった。セリフにたくさんの情報が盛り込まれているためか、日本語字幕がパッと頭に入ってこない。ベテランの翻訳なんだけど……。

 ところどころコピー防止のドットがあったようだが、あまり気にならない感じにはなってきた。冒頭はディズニーの新オープニング。キレイ。スケールの大きな話なので、できるだけ大きなスクリーン、音の良い劇場で見た方がいいと思う。

 公開2日目の初回、新宿の劇場は70分前に着いたらすでに10人くらいが並んでいた。老若比はほぼ半々、男女比も半々。65分前に案内があって整列された。早く出てきてくれるのは良いと思う。最近はみんな並ぶのがヘタだから。この時点で20人くらいになっていた。

 55分前で30人くらいになり、45分前に窓口が開いた時にはなんと70〜80人に。もう一度案内があって列を詰め、35分前100人くらいになったところで開場。ペア・シート以外は全席自由。

 最終的に1,064席に7割ほどの入り。早朝スタートなのにさすが入りが良い。若い人が増えて老若比は1対4くらいになった。下は小学生くらいから。ペア席には1組が座った。ちなみにこの劇場はロビーも含め、全館禁煙。まったくストレスなし。空気がクリア。嬉しい。

 気になった予告編は、なかなかタイトルが出ずわからなかったのだがハル・ベリーとブルース・ウィリスが出演する「パーフェクト・ストレンジャー」(日本語サイトなし)。内容もよくわからなかったが、サスペンスもので面白そうだった。ニュー・ボンドのダニエル・クレイグが出ているファンタジー、上下マスクの「ライラの冒険」。ニコール・キッドマンやサム・エリオットも出ていて、SFXも素晴らしい。これは見たい。ただ、まだ日本語サイトはない。

 日本映画の「ミッドナイト・イーグル」は内容は良くわからなかったが、上下マスクで、ステルス戦闘機が北アルプスに墜落して、大沢たかおが巻き込まれ、撃ち合いもあるらしい。「オーシャンズ13」も上下マスクで新予告。「2」のようでないことを祈りつつ、アル・パチーノが出ているだけあって面白そうではあった。

 ただ、いずれの予告も場内が明るいまま。せめて半暗くらいにはして欲しい。暗いシーンがほとんどわからない。


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