Apocalypto


2007年6月10日(日)「アポカリプト」

APOCALYPTO・2006・米・2時間18分(IMDbでは139分)


日本語字幕:手書き書体下、林 完治/ビスタ・サイズ(Arri、with Panavision)/ドルビーデジタル、dts、SDDS

(米R指定)(日R-15指定)

公式サイト
http://www.apocalypto.jp/
(入ったら音に注意。画面極大化。全国の劇場案内あり)


ジャングルの小さな村のジャガー・パウ(ルディ・ヤングブラッド)は、仲間たちとハンティングをして暮らしていた。そしてある日、村が襲われたといって非難していく人々に会う。不安を覚えるジャガー・パウだったが、だれも取りあおうとしない。ところが間もなく、村はマヤ帝国の兵士たちの襲撃を受け、若い男や女たちは捕らわれの身となってしまう。ピラミッドの神殿に連れて行かれた彼らを待っていたのは、女たちは奴隷に、男たちはマヤを襲った干ばつと伝染病のための生け贄という運命だった。

73点

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 メル・ギブソン監督が、「パッション」(The Passion of the Christ・2004・米)のように全編オリジナル言語であるマヤ語と、たぶん現地の俳優を使って撮った南米時代劇アクション。よくできた冒険譚になっているし、リアルに撮られているので、ハラハラ、ドキドキ。ただ。武器は棍棒とナイフだから、暴力表現がかなり残酷で、痛い感じ。それは気持ち悪くなるくらい。

 ボクが鈍感なのか、いまひとつ感情が伝わってこなかった。民族も違い、時代も違い、文化も違い、価値観も違い、風習なども違うから、どうしても感情移入できないというか……。冒頭のハンティングのシーンと、悪ふざけの部分で本来なら登場人物たちに親近感を持ち、一気に感情移入できるようになるのだろうが、ハンティングはリアルで臓器をそれぞれ切り出して見せるし、生で喰うし、悪ふざけも下ネタで、度を越している気がするし……。たぶん笑うシーンなんだろう婿をいじめる姑もマジで恐くて、嫌なバーサンにしか見えなかった……平和で良い村なんだろうなというのは、なんとなくわかったが。

 主演したのはルディ・ヤングブラッドという人。本作が映画デビュー作だそうで、コマンチ族などの血を引くネイティブ・アメリカンだとか。これまではダンサーとして活躍していたという。それで体の動きが軽快だったのだ。納得。

 とんでもなく狡猾で好戦的なマヤ帝国の兵士、ゼロ・ウルフを演じたのは、ルディ同様ネイティブ・アメリカンのダンサー、ラオウル・トルヒーヨ。1989年ころから活躍としていた人で、最近ではテレンス・マリック監督の「ニュー・ワールド」(The New World・2005・米)に出ていたらしい。

 役者たちは、みなマヤ語を練習して撮影に臨んだらしい。

 メル・ギブソンは監督のほか、製作、共同脚本も手がけている。すごい才能だなあと、ひたすら関心。

 ちなみに、アポカリプトとはニュー・ビギニング、新しい始まりという意味らしい。ただ、それがスペインの侵略を思わせるのは悲しい。

 公開2日目の初回、銀座の劇場は35分前に着いたらちょうど開場したところ。この劇場はどの席からもスクリーンが見えにくいので、早く着いて良いと思う席に座っても前の席に座高の高い人が座ったらアウト。あまり早く入っても意味がないのだ。支配人とかすごく良い人なのに、残念。

 当然だが全席自由で、指定席はなし。座席が千鳥配列になっていないので、中央よりに座ると避けにくいので、本当は端にずれて座った方が良い。ただ、あまり混んでいないようだったので、思い切って中央寄りに座る。場内に3〜4人、当日券売り場に7〜8人が並んでいた。

 老夫婦が目立つ感じだが、若・中・老それぞれ1/3つらいずつ。女性は全体の1/3ほど。最終的には270席の7.5割ほどの入り。あちこちで、見にくいねの声が……。せめて千鳥配列なら……。

 予告編なしのいきなり上映。


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