Live Free or Die Hard


2007年6月30日(土)「ダイ・ハード4.0」

LIVE FREE OR DIE HARD・2007・米・2時間09分(IMDbでは130分)


日本語字幕:手書き書体下、戸田奈津子/シネスコ・サイズ(マスク、Super 35)/ドルビー、dts(IMDbではドルビーデジタルEX)

(米PG-13指定)(日本語吹替版もあり)

公式サイト
http://movies.foxjapan.com/diehard4/
(音に注意。全国の劇場案内もあり)


独立記念日の前日、全米の交通機関などをコントロールするシステムにハッカーが侵入、あちこちで大混乱が巻き起こった。FBIサイバー保安局はブラック・リストに載っている全米のハッカーの身柄拘束を指示。NYPDのジョン・マクレーン警部補(ブルース・ウィリス)もマシュー・ファレル(ジャスティン・ロング)というハッカーの身柄を拘束し、ワシントンDCのFBI本部へ連行するよう命令される。ところが、同時に、有名なハッカーたちの連続殺害事件も発生していた。マクレーンはちょうどマシューが襲われる現場に出くわしてしまう。

75点

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 痛快大活劇。これぞジェット・コースター・ムービー。すごい。楽しめる映画。スゴ過ぎて感動さえ覚える。これはぜひとも大スクリーンで見なければ。

 またまた、あの世界一ついていない男が大事件に巻き込まれ、悪を徹底的にやっつける。どんなに絶望的な状況になっても決して諦めない。まさにヒーロー。

 シリーズ4作目となる本作では、前作「ダイ・ハード3」(Die Hard: With a Vengeance・1995・米)から12年経っていて、ジョン・マクレーンも髪が少なくなり、妻と離婚し、思春期を迎えた娘とはろくに口もきいてもらえない状態。日本ばかりじゃなく、アメリカでも仕事人間の父はこうなるんだ、と変な感心をする。

 話の基本構造は、ほとんど1作からずっと同じ。担当ではない事件に巻き込まれ、悪い奴らの最大の敵となって孤軍奮闘。直感と機転で敵の裏をかき、用意周到緻密な敵の計画をズタズタにして、ブっ飛ばす。事件が解決して、最後は警官隊が駆けつけてごった返す状況の中、カメラが遠ざかっていって終わる。今回違うのは、敵がジョン・マクレーンの苦手なコンピューターを使ってサイバー・テロを仕掛けてくることで、どうしても相棒が必要になること。それが連行途中のハッカーのマット(マシュー)で、この構造は「16ブロック」(16 Blocks・2006・米)にそっくり。犯人も単なる金目当て。「1」に登場した金髪の殺し屋カールに相当する、マクレーンをつけ狙うランドという外国語(フランス語?)を駆使する男も登場する。

 とにかく次から次へと何かが起り、気を休めるヒマさえ無い。セリフも必要最低限。ストーリー展開も特に凝ったところはないものの、まったく期待を裏切らず、きっちり、スッキリ解決して見せる。痛快そのもの。多くは語らず、行動あるのみというバンカラな感じ。

 デジタルとアナログという構図よりは、理論派と直感派という感じがした。

 悪役の紅一点にはマギー・Q。「レディ・ウェポン」(Naked Weapon・2002・香)に出ていた美女で、トム・クルーズの「M:i:III」(Mission: Impossible III・2006・米)でもクールな役を演じていた。本作でもクールな雰囲気。今後も期待できそう。

 不運なPCオタクを演じたのはジャスティン・ロング。傑作コメディSF「ギャラクシー・クエスト」(Galaxy Quest・1999・米)や、フランシス・フォード・コッポラの残念なホラーでアホなカップルを演じた「ジーパーズ・クリーパーズ」(Jeepers Creepers・2001・米)に出ていたらしい。そのあと作品に恵まれなかったようだが、ここに来て大作に出演したと。

 ジョン・マクレーンの娘役を演じたメアリー・エリザベス・ウィンステッドは、「ファイナル・デッドコースター」(Final Destination 3・2006・米)で主役を演じた美女。今後の活躍に期待だ。

 PCオタクのさらに上を行くオタク、ワーロックを演じたのは、傑作「クラークス」(Clerks・1994・米)や、「ドグマ」(Dogma・1999・米)の監督・脚本を兼ねた太めのケヴィン・スミス。最近はTVの仕事をしていたようだが、こんな大作に出演していたとは。

 監督は「アンダーワールド」(Underworld・2003・米)と「アンダーワールド:エボリューション」(Underworld: Evolution・2006・米)のイケメン監督レン・ワイズマン。ホラー系のアクションがしっかりと撮れれば、どんな作品でもちゃんと撮れるということだ。レン・ワイズマンは前2作でケイト・ベッキンセールと名監督の評価も手に入れたらしい。

 銃器を担当したのはマイケル・パパック。「ダイ・ハード」シリーズや「リーサル・ウェポン」シリーズも手がけたベテラン。「トリプルX」(xXx・2002・米)や、最近では女賞金稼ぎの「ドミノ」(Domino・2005・米)などをやっている。

 その銃は……時代遅れの頑固オヤジ、NYPDのジョン・マクレーンはどうやらショルダーに入れたP226R。いまどきショルダー・ホルスターというのは、古いタイプの男だという演出なのだろう。FBIはMP5などを装備。NYPDはベレッタM92FSも持っていたようだ。実際にはNYPDはグロックG19を採用しているらしいが。

 マギー・QはワルサーP99を使用。ほかにIMIのジェリコやH&KのUSP、ベレッタPX4も出てきた。長物ではM4カービン、G36、UMPサブマシンガンなど。

 ついでながら、作戦名でファイヤー・セールというのが出てくるが、昔モデルガン・メーカーのMGCがよくやっていた安売りセールの名も同じ。「投げ売り」とか「処分市」という意味だったのね。鉄砲のファイヤーに引っかけた唯のセールかと思っていたが、この映画を見て初めて正しい意味を知った。

 それにしても、だいたいハリウッドの映画はPCが出てくるとキーボードをたたき過ぎ。もっとマウスを使えと思うのだが、どうだろう。

 公開2日目の初回、新宿の劇場は75分前に着いたらすでに前売り券の列に7人、当日券の列に5人の人。うち女性は2人。70分前には案内に出てきて整列させていた。偉い。2つの列を離した時点で、すでに前売り券の列は15人くらいに。20〜40代がほとんど。

 その後、5分おきに案内に出てきて、混乱はなかった。40分前に当日券の窓口が開いた時には、もう長蛇の列。角を曲がっていて何人並んでいるのかわからなかった。当日券を買った人はそのまま前売り券の列の後ろへ。

 30分前に当日券の列が無くなり開場。初回のみ全席自由で、12席×4列のカバーの席もOK。徐々に高齢者も増え、外人さんもチラホラ。15分前の時点で1,044席の5割ほどの入り。ところが10分前には7割くらいになって、最終的には9割ほどの入り。これはすごい。期待していた人が多いようだ。

 入場者プレゼントで「トランスフォーマー」の予告編DVDをもらった。得した感じ。少なくともポストカードをもらうよりずっといい。

 気になった予告編は、ニコラス・ケイジがジェームズ・ボンドのようにカッコ良かった映画の続編、上下マスクの「ナショナル・トレジャー2」はちょっと期待。12・21全世界同時公開らしい。またシリーズ第3作「ボーン・アルティメイタム」はシリーズ最終作で、すべての謎が明かされるらしい。第1作はよかったけど、第2作は酷かったからなあ。

 「トランスフォーマー」の新予告はすごい。たぶんノリとビジュアルは抜群の映画になるのだろう。マイケル・ベイ監督だから。これは早く見たい。これまた続編の「ファンタスティック4銀河の危機」も新予告に。すごいビジュアル。期待させる。


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