Taxi 4


2007年8月25日(土)「TAXi 4」

T4XI・2007・仏・1時間31分


日本語字幕:丸ゴシック体下、寺尾次郎/シネスコ・サイズ/ドルビーデジタル、dts

(スイス12指定)(日本語吹替版もあり)

公式サイト
http://www.taxi4.jp/
(入ると画面極大化。音にも注意。全国の劇場案内もあり)


ヨーロッパ最悪の犯罪者がコンゴで裁判にかけられることになり、経由地としてジルベール署長(ベルナール・ファルシー)のマルセイユ警察署が選ばれる。エミリアン刑事(フレデリック・ディーファンタル)はドジから最悪の犯罪者を逃がしてしまい、親友のタクシー・ドライバー、ダニエル(サミー・ナセリ)に協力を求める。


70点

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 寝た。もう完璧にコメディになりきってしまって、ポリス・アクションという部分は非常に希薄。まあリュック・ベッソン印だからなあ……。リュック・ベッソンの脚本が酷い。志が低過ぎるのでは。見どころはカー・アクションと銃撃戦のみか。笑えないコメディは91分でも長い。

 ストーリーはたぶん、どうでも良かったのだろうが、サミー・ナセリも出ていた「スズメバチ」(Nid de Guepes・2002・仏)のようなもの。ちっとも野獣に見えないギャングたちと、バカでマヌケなフランス人がドタバタ騒ぐだけ。ほとんどノー・プランで作ったような気さえする。

 フランス軍の兵士は、FA-MASやSIG SG551か552などを装備しており、ギャングはM203グレネードランチャーを付けたM4A1カービン、ベレッタM92、刑事たちはコンパクト・グロック、特殊部隊がMP5、G36K、最後にはミニミやシュタイアAUG、ショットガン、ガバメント、果てはロケット・ランチャーまで登場し、撃ちまくる。

 今回はタクシー・ドライバーのサミー・ナセリ演じるダニーの見せ場はあまりなく、基本的にフレデリック・ディーファンタル演じるエミリアンが勝手にドジをやって、それを解決しようとすると、ピンチにどこからかダニーが現われて助けてくれる感じ。ベルナール・ファルシー演じる署長はかき回すだけで、むしろ事件を複雑にしてしまう。

 驚いたのは、サッカーのフランス代表、マルセイユのジブリル・シセが本人役で出演し、しかも名前のギャグでバカにされていること。本人はOKだろうが、ファンはこれで怒らないのだろうか。そう考えるのは日本人的発想なのかも。

 監督は「TAXi 2」(Taxi 2・2000・仏)、「TAXi 3」(Taxi 3・2003・仏)を手がけ、広末涼子の「WASABI」(Wasabi・2001・仏)も手がけたジェラール・クラヴジック。まあ、どれもそんな感じ。当然、本作もそんな結果に。ジェラール・ピレスが監督した第1作「TAXi」(Taxi・1997・仏)は面白かったけどなあ。プロデューサーのリュック・ベッソンがジェラール・クラヴジックを使い続けているのはなぜなのか。よくわからない。ギャグのセンスとかが日本とは違うということか。

 最近のはやりらしく吹替版がある。話題作りなのだろうが、声優でない芸能人が参加している。これはどうなのだろう。声優でなくても、演技をやっている役者さんならウマイからいいけど、そのほかの人はなあ……。なんでもお笑いの芸人さんを使っとけばいいみたいなのは、どうなんだろう。TVの「スーパーナチュラル」もアイドルの彼は演技もやっているから聞けるけど、もう1人のほうは辛いなあ。ちゃんと基礎から学んだうまい声優さんがいくらでもいるだろうに。

 公開初日の2回目、新宿の劇場で字幕版の初回、新宿の劇場は60分前に着いたらロビーに若いカップルが1組。暑い日で、廊下はほとんど冷房が入っていないので暑い。できるだけ動かないようにする。人が少ないので助かった。

 何の案内もないまま、25分前に前回が終了し勝手に中へ。どうやら待っている人数が少なかったので案内しなかったようだ。20代くらいと、50代以上という感じだろうか。意外に30〜40代くらいは少ない印象。男女比は7対3ほどで男性が多い。この時点で30人くらい。

 最終的に406席に7割くらいの入り。これはなかなか。若い人が増えて、老若比は3対7〜2対8くらいになった。いままでシリーズを見ていた人は見限ったのかも。

 ほとんど明るいまま始まった予告編で気になったのは……パリの地下にあるという実際の地下墓地「カタコンペ」をモチーフにしたホラー「カタコンベ」。「ソウ」(Saw・2004・)のスタッフが作ったというが……R-15指定なので期待できるかも。のぞきから事件に巻き込まれるというヒッチコックの「裏窓」(Rear Window・1954・米)みたいな「ディスタービア」は、面白そう。主演が「トランスタォーマー」のシャイア・ラブーフ。

 なかなかタイトルが出ずわかりにくかったピーター・バーグ監督、ジェイミー・フォックス、ジェニファー・ガーナー出演のFBIとテロリストの戦いを描いたらしい「キングダム 見えざる敵」は面白そう。でもFBIが国外まで行って捜査することがあるのか。

 スクリーンがシネスコになってから始まった予告は、もうアクション物には出ないとか言ったジェット・リーとジェイスン・ステイサムのアクション「ローグアサシン」。なかなか面白そう。

 観客は短時間で、しかも何本も上映される予告編から見たい作品名を覚えておかなければならないのだから、タイトルはできるだけ速く、そして長く出しておいて欲しい。ラストに一瞬出て市議の作品になったら記憶力だけが頼り。メモする時間さえない。

 劇場横のドアには注意書きがしてあるはずなのに、上映が始まってから入ってくるヤツが多い。後ろのドアから入れ。漏れてくる光が邪魔になるって。


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