The Butterfly Effect 2


2007年10月14日(日)「バタフライ・エフェクト2」

THE BUTTERFLY EFFECT 2・2006・米・1時間32分


日本語字幕:丸ゴシック体下、野口尊子/ビスタ・サイズ(with Panavision)/ドルビーデジタル

(米R指定)

公式サイト
http://www.butterflyeffect2.jp/
(全国の劇場案内もあり)


新興携帯電話会社の社員ニック・ラーソン(エリック・ライヴリー)は、恋人の写真科学生ジュリー・ミラー(エリカ・デュランス)と、会社の同僚トレバー・イーストマン(ダスティン・ミリガン)とその恋人アマンダ(ジーナ・ホールデン)の4人で、ジュリーに24歳の誕生日を祝ってドライブに出た。その帰路、乗って板車のタイヤがパンクし、大型トレーラーと衝突する。かろうじて生き残ったのはニック1人だった。1年後、会社で強い発作に襲われ、自宅に戻ったニックは、1年前のドライブの時撮った写真を見ているうち意識を失ってしまう。気が付くと、家の内装が変わっており、ジュリーが写真の整理をしている。


70点

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 これは……。始まった時点が全体の中で一番良い状態で、タイム・リープを繰り返すたびに悲惨な状況になっていき、最後は当然、行き着くところしかないわけで……。これは見ていて、面白くない。しかもいけないのが、現状でがんばろうとしないで、すぐにタイム・リープに頼ってしまうこと。そしてそれによってより窮地に陥るわけで、これは同情できなくなる。しかも、1つ1つのエピソードが退屈で、うんざりするような内容ばかり。まったく盛り上がらない。

 主人公カップルが美男美女で、やたらキス・シーンが多いのも気になる。必要以上の感じ。しかも、ほかに見どころがないため、ベッド・シーンがこれまた必要以上にしつこい。2人の愛情表現というよりは、むしろかなりエロくてイヤらしい。

 タイム・リーブは写真がキーで、その時の写真があれば、そり時へもどれるらしい。それがないともどれない。そして広大な回廊のような絵。デジタル処理で写真の中の人物が揺れ出して、絵が歪むのだが、それだけ。たぶん予算がなかったのだろう。だったらストーリーでもっと工夫して、いろんな事件が起きてくれないとなあ。

 前作では、人の力ではどうにもならない事件が起きて、しかたなく時間を遡ったわけだ。そのエフェクトも迫力があった。「2」は普通だと、それを超えなければならない。少なくとも超える努力をするか、別なアングルからのアプローチでなければならないだろう。それなのに……なぜ本作を作ったのか、よくわからない。主人公のエリック・ライヴリーのまつげが長いのは良くわかった。

 エリック・ライヴリーはエロ青春コメディ「アメリカン・パイ」(American Pie・1999・米)に出ていた人らしいが、その後はほとんどTVばかりで、日本ではほとんど知られていないのではないだろうか。ただ、どこかで見たような気はするのだけど。

 相手役はエリカ・デュランス。セガのゲームを映画化したガッカリ作品「ハウス・オブ・ザ・デッド」(House of the Dead・2003・米ほか)に出ていたそうで、どこかに見覚えがある。その後はほとんどTVで、今後もTVで活躍するようだ。

 友人役はダスティン・ミリガン。公開が逆になったが、パン・ブラザーズのハリウッド進出第1弾の「ゴースト・ハウス」(The Messengers・2007・米ほか)で、たぶん主人公の美女クリステン・スチュアートのボーイ・フレンド役をやっていた人。「ファイナル・デッドコースター」(Final Destination 3・2006・米)にも出ていたらしい。

 その恋人役はジーナ・ホールデン。同じく「ファイナル・デッドコースター」に出演している。やっぱりTVが多い人だが、新作映画では「エイリアンvsプレデター2」に出ているらしい。

 残念な脚本はマイケル・ウェイス。これまで書いた作品はTVでもなく映画でもないビデオ発売作品。アクションやホラー系が多いようだが、これはちょっと辛いかも。もっと脚本が練られていたら……。

 監督はジョン・R・レオネッティ。本作が劇場公開作品としては2作目。それまでは撮影監督だった人。日本では劇場未公開となった「モータル・コンバット2」(Mortal Kombat: Annihilation・1997・米)で監督デビューしたらしい。コメディSFの「マスク」(The Mask・1994・米)や、「スコーピオン・キング」(The Scorpion King・2002・米)などの撮影監督を務めている。

 プロデューサーはほとんど1作目の「バタフライ・エフェクト」(The Butterfly Effect・2004・米)のプロデューサーたち。前作が作れて、なぜ本作になってしまうのか。

 公開2日めの初回、銀座の劇場は25分前に着いたらすでに開場済みで、全席自由の場内には5〜6人の人。全席の人の頭が邪魔になる劇場で、座席が千鳥配列にもなっていないので、混み合うと酷い時には下に出る字幕が読めないことも。

 最終的には130席に3〜3.5割ほどの入り。助かった。ほとんどがオヤジで、1/3くらいが若い人。女性は2〜3人。ここはオヤジの劇場というイメージが強いから、しようがないか。

 暗くなって始まった予告編は……ウィル・フェレルは「主人公は僕だった」(Stranger Than Fiction・2006・米)でちょっと良いか元思ったら、またまた腹が立つほどアホ役の「俺たちフィギュアスケーター」なんておバカ映画をやっている。男子ペアだって?

 少年スパイ映画「アレックス・ライダー」は新予告に。内容が少しわかるようになったが、あいかわらず「スパイ・キッズ」系なのか、シリアスなのかわからない。嫌な予感はするが……IMDbでは原題が「Stormbreaker」で、5.4点と微妙。期待はしない方が良いらしい。

 あのマイケル・ベイがプロデュースした「ヒッチャー」(The Hitcher・1985・米)の完全リメイク「ヒッチャー」はどうだろう。監督作品ではないので良いかも知れないが、そもそも出来の良い「ヒッチャー」をリメイク、それも完全にリメイクする必要なんかあるのだろうか。新解釈でリメイクとか、より過激にリメイクなら良いとしても……。かなり不安。

 日本映画「1303号室」はディレクターズ・カット版、日本凱旋公開とか。よく意味がわからないが、かなり怖そうなのは確か。どうかなあ。


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