Ge Ge Ge no Kitarou


2008年7月12日(土)「ゲゲゲの鬼太郎 千年呪い歌」

2008・松竹/フジテレビ/電通/バーニングプロダクション/テンカラット/バンダイ/読売広告社/Yahoo! JAPAN・1時間59分

ビスタ・サイズ/ドルビー・デジタル



公式サイト
http://www.gegege.jp/
(音に注意。全国の劇場案内もあり)

千年前、リンチによって死んだ女がいた。現代、雨の降る夜、どこからともなく「かごめ歌」が聞こえてきて、若い女性が失踪するという事件が続発していた。女子高生の比良本楓(北野きい)もある日の夜、学校からの帰り道「かごめ歌」を聞くが、怪奇現象研究家という名刺を持ったねずみ男(大泉洋)が現れ難を逃れる。手の甲にウロコができてしまった楓は、ねずみ男とともに一反木綿(声:柳沢慎吾)に乗って鬼太郎の家に行く。事情を聴いた鬼太郎(ウエンツ瑛士)たちは、妖怪図書館で、それが濡れ女(寺島しのぶ)の千年前の呪いであることを知る。そして再び濡れ女の呪いを封じ込める「五人囃子の儀」を行うため、五つのアイテムをそろえることになる。

65点

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 予告編ではかなり恐い感じでシリアス系、もう少し大人も楽しめるものかと思ったら、実際にはほとんど子供向けの作品だった。冒頭の若い女性から魂を抜くシーンのみが恐くてホラー風。あとは前回の「ゲゲゲの鬼太郎」(2007・日)と似たような感じ。コメディタッチのヒーロー系アクション。

 リアルな導入の雰囲気で、ところどころにねずみ男のギャグを挟みながら物語が進んでいけば良かったのに、タイトル後はまるで監督が変わったかのように違うカラーの物語が進行。雰囲気としては、日曜朝のテレビの変身ヒーローもののような感じ。もちろんもっとお金はかかっているが、特にレベルが高い感じもなく、これを劇場で見るメリットはあるかというと、なんともむずかしい。

 一番気になったのは、鬼太郎の設定。本作では人間のために一生懸命働くことに疑問を感じており、非常にテンションが低い。冒頭から、図書館での調査などあまり乗り気ではない。これが見ている方にも伝わってくるので辛い。ヒーローがこのテンションでは観客もノレない。しかも、途中で「人を助けるのに理由なんて要らないんだ」と気付いてからも、突き抜けた感じがない。たぶんウエンツ瑛士もどうやって演じていいのか悩んでいたのではないだろうか。この演出プランで良かったのだろうか。

 ただ、ねずみ男と猫娘に戸惑いは感じられない。室井滋の砂かけ婆、間寛平の子なき爺も、決まったキャラを楽しそうに演じている。田中麗奈は最初の「なっちゃん」のCMの頃はどうなるのかと思ったが、いまやすっかりイイ感じ。「SOYJOY」なんてまったく迷いが感じられない。すばらしい女優になったのでは。美人だし、今後が楽しみ。

 ブラザートムと星野亜希(女優モードだと漢字なのか)の竹切り狸の夫婦、佐野史郎の蛇骨婆、ほとんど本人かどうかわからない笹野高史の井戸仙人、羞恥心の上地雄輔のさとり(中村獅童かと思った)、などなど、なかなかスゴイ。

 なかでも驚きは悪役の夜叉を演じた韓国の人気俳優ソ・ジソブ。主にTVで活躍しているようだが、この人が出ているおかげでオバサンが多かったのか。

 特殊メイクを手がけたのは、江川悦子。伊丹十三作品が多いようだが、特殊メイクらしい劇場作品では前作の「ゲゲゲの鬼太郎」からのよう。こういう作品では一番大変だったのではないだろうか。

 公開初日の初回、劇場の公式サイトには載っていなかったので銀座の劇場へ行ったら舞台あいさつがあるというので(しかもそのチケットは売り切れ)、急きょ新宿へ。初回のみ全席自由だが、前売り券があっても当日券との引き換えが必要で、60分前で、すでに10人ほどの行列。ファミリーが2家族、と20代後半くらいの若い男性1人、あとは中高年。男女比はほぼ半々。

 45分前で15人くらいになって、25分前に開場した時30人くらいいただろうか。暑い日で、もうちょっと早く開ければ、ドリンクとかもっと売れただろうに。

 子供は幼稚園くらいか小学1年生くらいが多く、外国人のお父さんに連れられたちゃんちゃんこ姿の子供もいた。7〜8人のオバサン軍団もいて、これはやっぱりソ・ジソブねらいだろう。始まるまで大きな声でしゃべってとにかくうるさい。

 その後、若いカップルも増えて、最終的には400席の6割くらいが埋まった。ファンは舞台あいさつに行ったか。

 スクリーンはビスタで開いていて、半暗になって始まった予告編で気になったのは……明るくて細部が良く見えなかったが、またまたスピルバーグとシャイア・ラブーフが組むという「イーグル・アイ」。どうやら巻き込まれアクションで、なかなか本格的のよう。銃は.50口径のバレットか。面白そうだが、シャイア・ラブーフがちょっと苦手かも。

 ウィル・スミスのSFアクション、上下マスクの「ハンコック」は新予告。嫌われ者の超人が、ヒーローに目覚めるというストーリーらしい。スゴイビジュアルと高音質サラウンドがすばらしい。面白そう。

 「スターシップ・トゥルーパーズ」(Starship Troopers・1997・米)の3本目の続編、「ST3」はどうなんだろう。「2」がビデオ作品で日本では劇場公開されて散々だったから……期待はしていないんだけれど、R-15という部分が気になる。

 まあ、それにしても、遅れて入ってきて、堂々と携帯の明かりを懐中電灯がわりにしてるヤツ。あきれる。どれだけ周囲の邪魔になっているかまったくわかっていないようだ。遅れてきたら、場内に入ってから2〜3分、目が暗さに慣れるまでは壁際でじっとしているのが基本だが、今ではそんなことを教える人もいないのだろうなあ。


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