Halloween


2008年10月25日(土)「ハロウィン」

HALLOWEEN・2007・米・1時間49分(IMDbで米アンレイト版は121分)

日本語字幕:手書き書体下、表記なし/シネスコ・サイズ(マスク、with OTTO、Super 35、3パーフォレーション)/ドルビー、dts、SDDS

(米R指定、日R-15指定)

公式サイト
http://www.hallo-ween.jp/
(叫びに注意。全国の劇場案内もあり)

アメリカ、イリノイ州の小さな町ハドンフィールドでハロウィンの日、マイヤーズ家の長男で10歳のマイケル(デーグ・フェア)は、学校のいじめっ子を撲殺し、働かないぐうたらな内縁の父ロニー(ウィリアム・フォーサイス)の喉をかき切って殺し、さらに恋人と家でHを始めた姉ジュディス(ハンナ・ホール)をめった刺しにして殺す。しかし母デボラ(シェリ・ムーン・ゾンビ)と一番下の赤ん坊ブーだけは殺さなかった。事件後、精神病院に入れられたマイケルは、ルーミス医師(マルコム・マクダウェル)の治療を受けることになるが、17年後のハロウィンの日、病院を脱走し再び殺戮を開始する。

72点

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 1978年のジョン・カーペンター版「ハロウィン」(Halloween・1978・米)のリメイク。あまりよく覚えていないが、印象はだいぶ違う感じ。そして、ずいぶんとリアルになった分、怖さが少し薄れたような気がする。ただ、Hしているとやられるというのは定石通り。結構ヌードは多い。

 なんにしろ、汚い言葉と、血しぶきと、刃物と、マスクからできている映画。そしてホラー感が薄れたとしても、ものすごいパワーを持っていることは確か。観客をスクリーンに釘付けにして、最後まで突っ走る。実は、前のカットで血を浴びたのになくなっているとか、おかしな所も多々ある。

 脚本・監督・プロデューサーがロック・アーティストのロブ・ゾンビなので、もっとポップでミュージック・クリップ的な映画なのかと思ったら、おどろくほどオーソドックスな作り。というか、本職の一流監督が横綱相撲で作ったような感じさえする。そこに驚いた。

 ロブ・ゾンビ監督作品としては2003年から4本目に当たるらしいが、日本劇場公開されたのは初監督作品の「マーダー・ライド・ショー」(House of 1000 Corpses・2003・米)とその続編の「デビルズ・リジェクト〜マーダー・ライド・ショー2」(The Devil's Rejects・2005・米)。どちらも小劇場での限定公開だったので見ていない。彼の音楽はシルベスター・スタローンの「ジャッジ・ドレッド」(Judge Dredd・1995・米)あたりから。ジョン・カーペンター監督の「エスケープ・フロム・L.A.」(Escape from L.A.・1996・米)でも使われている。

 KISSのTシャツを着ているマイケル少年を演じたのは、デーグ・フェア(ダエグ・フェアーク)。1992年生まれの16歳で、12歳から俳優業をやっているらしい。日本劇場公開された作品はないようで、最近作は「ハンコック」(Hancock・2008・米)のたぶんいじめっ子役。感情のないような感じがなかなかいい。

 大きくなったマイケルはほとんどマスクを付けているので顔がわからないが、タイラー・メイン。本当に巨体で、本職はプロレスラーらしい。「X-メン」(X-men・2000・米)でセイバートゥースを演じていた人。

 母親デボラを演じたのはシェリ・ムーン・ゾンビ。監督のロブ・ゾンビの奥さん。きれいだなあと思ったらプレイボーイ誌のもとプレイメイトらしい。「マーダー・ライド・ショー」から映画に出ているんだとか。ジョン・カーペンター版「ハロウィン」のジェイミー・リー・カーティスのようにスクリーム・クイーンに選ばれれているらしい。使う銃はS&Wのたぶんチーフスペシャル。

 精神科医ルーミスには名優マルコム・マクダウェル。スタンリー・キューブリック監督の「時計じかけのオレンジ」(The Clockwork Orange・1971・英)は強烈だった。男性誌ペントハウスが製作したポルノ映画とも言われた「カリギュラ」(Caligula・1980・米)にも出演して話題になった。ボク的には新型武装攻撃ヘリの活躍を描いた「ブルーサンダー」(Blue Thunder・1983・米)の敵役が印象深かった。つい最近、人気TV「HEROESヒーローズ」(2006)でも悪役を演じていた。使っていた銃は、なんとコルト・パイソンの4インチ、シルバーでバール・グリップ付き。

 ぐうたらな内縁の父ロニーを演じたのはウィリアム・フォーサイス。本当にこういう役をやらせるとうまい。見ていて本当に腹が立ってくるほど。やはり印象に残ったのはセルジオ・レオーネのギャング映画「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」(Once upon a time in America・1984・米)のギャング役。ウォルター・ヒル監督の「ダブルボーダー」(Extreme Prejudice・1987・米)の警官もいかにも悪そうだった。「デビルズ・リジェクト〜……」にも出ていて、最近は貫禄が出てきたせいか「88ミニッツ」(88 minutes・2007・米)のように悪役以外でも演じてはまるようになってきた。

 ちょい役で有名な俳優が出ていて、精神病院の掃除人にダニー・トレホ。ホンモノの犯罪者だった人で、黒澤明原案の「暴走機関車」(Runaway Train・1985・米)で犯罪者のエキストラから芸能人への道が開かれ、活躍していった人。この人も「デビルズ・リジェクト〜……」に出ている。また、ほとんどカメオ出演に近いが、「悪魔のはらわた」(Fresh for Frankenstein・1973・伊/仏)の怪優ウド・キアもちらりと出ている。

 所長の美人の娘アニーはダニエル・ハリス。都市伝説を描いたホラー「ルール」(Urban Legend・1998・米)に出ていたらしい。さらにシルヴェスター・スタローンの脱出アクション「デイライト」(Daylight・1996・米)や、感動オルカ映画「フリー・ウィリー」(Free Willy・1993・米)、いまひとつパッとしなかったブルース・ウィリスのアクション「ラスト・ボーイスカウト」(The Last Boy Scout・1991・米)などにも出ていたらしい。そして、日本劇場未公開だが「ハロウィン4:ブギーマンの復活」(Halloween 4: The Return of Michael Myers・1988・米)と「ハロウィン5:ブギーマンの逆襲」(Halloween 5: The Revenge of Michael Myers・1989・米)にも出ていたのだとか。

 公開初日の初回、新宿の劇場は午後のスタートで、25分前についたら開場したばかりくらい。場内には20人くらいの人。高校生くらいの若い人が7〜8人、女性は5人ほど。あとはオヤジ。スクリーンはシネスコで開いていた。

 最終的に406席に3割くらいの入り。まあ、こんなものだろうか。若い人が増えて、老若比は4対6くらいで若い人が多い感じ。

 外でブザーが鳴り、暗くなってスクリーンがビスタになりCM予告が始まった。気になった予告編は……上下マスクの「オーストラリア」はとにかく絵がキレイ。旧日本軍の零戦が襲いかかるところは嫌な気持ちになるが、期待できそうな感じだ。

 「感染列島」は、新予告になってどうやらウィルス・パニックを描いたものらしいことはわかった。ジャック・バウアーことキーファー・サザーランド主演の「ミラーズ」はかなり怖そう。音も良いし、何も出てこないのに怖いのがいい。
また
 上下マスクの「地球が静止する日」はリメイクながら期待させるものがある。そして上下マスクの「レッドクリフ」。ここにきてパート1と言い出した。さすがに「三国志」は2時間25分では描ききれないということだろう。その中の一部だけを描くのかと思ったが、そうではなかったわけだ。上下マスクの恐竜映画「D-WARS」も、とにかくたくさんでてくる恐竜たちがスゴイ。内容があるのかどうかはわからないが。

 ハイキーのざらついた絵の「SAW5」は、後継者の話はやったはずだが、ここへきて真の後継者などと言い出した。オリジナルを作ったリー・ワネルとジェームズ・ワンは製作総指揮に名を連ねているだけ。といっても、2人が手がけた新作「デッド・サイレンス」(Dead Silence・2007・米)もたいしたことなかったからなあ……。「X-ファイル」は、何とモルダーとスカリーの2人が登場するビデオ・メッセージ付き。それもなんと日本向け。驚いた。わざわざこんなものまで作るとは。「X-ファイル」は日本での人気が高いということなんだろう。

 本編の前半、昼夜宇付近のピントが甘かったのは残念。後半あったのは映写機が変わったからだろうか。


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