D-War


2008年11月30日(日)「D-WARS ディー・ウォーズ」

D-WAR・2007・韓・1時間30分

日本語字幕:丸ゴシック体下、文永 優/シネスコ・サイズ(マスク、OTTO Arriflex、Super 35)/ドルビー・デジタル

(韓12指定、米PG-13指定)

公式サイト
http://d-wars.jp/
(音に注意。全国の劇場案内もあり)

ロサンゼルスのリゾート地で巨大な陥没が出現。GNNのTVリポーター、イーサン(ジェイソン・ベア)は現場に鱗状の物体を発見する。そして、15年前、父と行った古美術店での出来事を思い出した。イーサンが店内で遊んでいると、ある箱が光り、店主のジャック(ロバート・フォスター)から後継者を見つけたと箱の中のペンダントを渡され、奇妙な伝説を聞かされたのだ。それは、大蛇が修行を積み、ある条件をクリアしたものだけがドラゴンとなって天に昇れるのだという。そして、神はその鍵を握る珠を女性の姿にし500年ごとにこの世に生まれるようにした。ところが、邪悪な大蛇ブラキが現れ500年前にそれを奪おうとして失敗したのだという。良い心を持った大蛇イムギもそれを防ごうとしているが、オマエはその女性を守らなければならないというのだった。やがて、LAにもうすぐ20歳になる運命の女性が現れ、邪悪な大蛇ブラキも自らの軍団を従えてLAに現れる。

70点

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 寝た。最も盛り上がるべき戦いが始まったところで、何回も気を失ってしまった。眠かったあ。3D-CGはスゴイ。まるで本当にそこにいるかのような自然な合成。それは素晴らしい。が、ほかは見るところがない。IMDbではわずかに3.8点という低評価。

 ストーリーも、キャラクターも、よくある話を寄せ集めて作った印象。韓国には「グエムル 漢江の怪物」(The Host・2006・韓)という優れた作品もあったのに、なぜ?

 ストーリーは、古代の怪物がよみがえるという点では北朝鮮のビックリ怪獣映画「プルガサリ」(Pulgasari・1985・北)でもあり、タイのレベルの高さを思い知らされた「ガルーダ(未)」(Galuda・2004・タイ)のようでもある。500年ごとによみがえって繰り返される話なのに、なぜか前回の韓国の話がメインになっていて、モンスターの名前は韓国語系なのか。しかも500年前の韓国の人物が現代のアメリカ人に乗り移ったり、理解に苦しむ設定は随所に。

 ビジュアルは「スター・ウォーズ」(Star Wars・1977・米)だったり、「ロード・オブ・ザ・リング」(The Lord of the Rinds・2001・米)だったり、ハリウッド版「ゴジラ」(Godzilla・1998・米/日)だったり、どこかで見たような感じのものばかり。鎧のデザインはカッコ良かったが、これも「ロード……」のサウロン軍とか、TVの「宇宙空母ギャラクティカ」(Battlester Galactica・1978・米)のサイロン軍のようだし……。

 だいたいタイルも「D-Wars」って「Star Wars」みたいではないか。DはドラゴンのDらしく、タイトルの下に小さくDragon Warと出ていた。そしてエンディングの曲はアリランかい。一体どういう映画になんだ。

 主演の青年イーサンを演じたジェイソン・ベアは、「The Juon 呪怨」(The Grudge・2004・日ほか)でサラ・ミシェル・ゲラーの恋人役をやっていた人。TVの「ロズウェル/星の恋人たち」や傑作「カラー・オブ・ハート」(Pleasantville・1998・米)にも出ていた。が、いまいちパッとしなかった。

 「スター・ウォーズ」のオビ=ワン・ケノービみたいな老人ジャックはロバート・フォスター。B級ムービーの顔のような人で、ブラックホールを描いたSF「ブラックホール」(The Blach Hole・1979・米)、チャック・ノリスの「デルタ・フォース」(The Delta Force・1985・米)、クエンティン・ランティーノ監督の「ジャッキー・ブラウン」(Jackie Brown・1997・米)に出ている。最近ではハリソン・フォードの「ファイヤーウォール」(Firewall・2006・米)に出ていた。

 もう一人よく見る顔は、政府の捜査官を演じていたクリス・マルケイという人。ブラックマヨネーズの吉田ではないが、顔にブツブツがある人で、おもにB級やTVムービーで悪役を演じている。古くは「48時間」(48 hrs.・1982・米)やスタローンの人気シリーズとなった「ランボー」(First Blood・1982・米)、傑作SFの「ヒドゥン」(The Hidden・1987・米)、マイケル・クライトンのSFアクション「未来警察」(Runaway・1985・米)などに出ている。最近は手持ちカメラがつらかった「クローバーフィールド HAKAISHA」(Cloverfield・2008・米)。

 監督・脚本はシム・ヒョンレ。役者としての活動の方が長く、1984年から1996年くらいまでやっている。監督は1992年から。脚本も兼ねたのは前作「怪獣大決戦ヤンガリー」(2001 Yonggary・1999・韓/米)でも、アメリカを舞台に伝説の怪獣がよみがえるという同じようなことをやっている。しかも、それもIMDbで3.4点という低評価。なんでまた映画を撮れるのかと思えば、本作では製作総指揮も兼ねていた。この人はお金持ちの御曹司か何かなのだろうか。この作品にお金を出すとは相当な勇気の持ち主か、お金が余っている人としか思えない。

 軍が出動するので、出てくる銃器はM4A1カービンや、車載のM2ブローニング。そしてSWATはMP5。ヘリはちょっとCGっぽかったAH64アパッチで、M113装甲兵員輸送車や、M1エイブラムス戦車も登場する。

 公開2日目の初回、銀座の劇場は50分前に着いたらオヤジが1人。40分前に4人になって、まもなく開場。全席自由。予告なしの本編からの上映というのがよくわからない。なぜなんだろう。枠が売れなかったということか。これは寂しい。

 客席はフラットで、スクリーンも低いためどの席からも前席がジャマになる。下に字幕が出るから、この劇場はつらい。空いているのに、後から来て、わざわざ人の前に座るヤツの気が知れない。1つ横に外すのがエチケットというものでは。

 音楽が止まり、昭和のアナウンスが流れて、暗くなりカーテンが左右に開いて本編の上映。最終的に270席の3〜3.5割くらいが埋まった。


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