Twentieth Century Boys


2009年2月7日(土)「20世紀少年 ―第2章― 最後の希望」

2008・日本テレビ/小学館/東宝/バップ/読売テレビ/電通/読売新聞/シネバザール/オフィスクレッシェンド/ディーライツ/STV/MMT/SDT/CTV/HTV/FBS・2時間20分(allcinemaでは139分)

日本語字幕:手書き書体下/ビスタ・サイズ(デジタル)/ドルビー・デジタル


公式サイト
http://www.20thboys.com/
(音に注意)

2015年、ケンヂ(唐沢寿明)の姪のカンナ(平 愛梨)は高校生になっており、社会の授業で2000年の巨大ロボットによる人類滅亡計画「血の大晦日」事件は悪魔のテロリスト、ケンヂとその仲間が起こしたものと教えられていた。それに異を唱えたカンナとクラス・メイトの小泉響子(木南晴夏)は「ともだちランド」での研修を命じられる。そこで、2人は成績優秀者だけが行くことができるボーナス・ステージに進み、バーチャル世界で1971年に起こった事件を目撃することになる。はたしてドンキーが理科室で見たものとは、そして「ともだち」の正体とは?

71点

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 うーん、長い。三部作すべてを見終わるとつながってくるのかもしれないが、本作を見る限り関係なさそうなエピソードが多すぎる。そしてそこにお笑いタレントや有名俳優を使っているために、見ている間はどれが重要な話なのかハッキリしない。そのおかげでストーリーは前作同様わかりにくい。1時間40分くらいにしてスッキリまとめた方が良かったのでは。しかも「2」にありがちなつなぎだし。

 前半はほとんど大味なコメディの作り。狙いなのかもしれないが、わざとらしい演技に台詞回し。ストーリーもあり得ない展開を強引に持って行く。シリアスな内容なのに、笑って良いのかどうかよくわからない。しかも、まだ「ともだち」の正体明かさず引っ張るわけで……。広角系のレンズを多用し、「トリック」テイストがいっぱい。

 冒頭のタイ・マフィアと中国マフィアの抗争や、アパートの隣に住んでいる漫画家との件など必要だったろうか。事件は「よげんの書」から「しんよげんの書」に変わっただけで、たいした進展もない。だいたい第1章で巨大ロボットによる人類滅亡計画「血の大晦日」事件が始まったあたりで終わっているのに、第2章ではその事件がどうなったのか描かれていない。たぶん映画的にはもっとも派手で盛り上がるところだろうにもかかわらず。

 冒頭では逃亡者の頭をベネリM3のようなピストル・グリップ付きショットガンで吹っ飛ばしておきながら(台詞で言うだけだが)、中盤でそのままニュー・ハーフ狙撃に使われ、ライフル並みの小さな穴が1コ額に開くだけというのはどうしたことだろう。ショットガンなのにこれかよ、というギャグだったのか、ボクの記憶違いか見間違いか……。他にボルト・アクションのスナイパー・ライフルに、USPなども。

 2015年の高校の教室ではレーザーあやとりが流行っているらしいが、最初の1回だけで、以降教室が出ても普通だったのはやっぱりギャグか。まるでマンガ……って、原作はマンガだけど……。

 第2話で中心となるカンナを演じているのは平 愛梨。本作ではボーイッシュで気が強そうな印象だが、どうやら素顔はかなり女性っぽいらしい。DA PUMPのISSAの妹役でデビューしたのだとか。TVドラマはあまり見ないので、見たことがなかった。

 同級生の小泉響子を演じた木南晴夏は、かわいいのに演じたキャラがかなりウザイやつだったので、印象が良くない。TVを中心に活躍し、CMにも出ているらしい。高校時代にホリプロのオーディションでグランプリを獲得。

 意外だったのはユキジを演じた常盤貴子。歳をとった設定になっていて、そのメイクのせいもあって、実に地味になってしまった。オーラがないというか、ちっとも輝いていない。ボクはてっきり違う人かと思った。第一章ではあんなに魅力的で、はつらつとしていたのに。ちょっとガッカリ。

 同様に、伝説の刑事の孫を演じた藤木直人も存在感なし。どうしてこんな役にこの人なんだろう。

 逆に、オカマのブリトニーを演じた荒木宏文は強烈なキャラだけに印象に残った。アイドル系のD-BOYSのメンバーだそうで、狙いなのだろうがまったく女装が似合っていないところが凄い。

 第1章、第2章と見てきて不思議なのは、「ともだち」がマスクというかすっぽりと白い布をかぶっていて、目鼻の凹凸も全くなく(シンボル・マークがわかりやすいように?)不自然なのに、登場人物の誰も疑問を口にしないこと。触れちゃいけないのか?

 公開8日目の初回、渋谷の劇場は4館共通の窓口が本作の50分前に開くというので、60分前くらいに着いたら、すでに3人が並んでいた。55分ほど前に窓口が開き、この時点で10人くらい。しかし劇場が開場していないというので、1階のエレベーター前で待つことに。35分前くらいにようやくエレベーターが動き出し開場。

 全席自由で、クリーンはビスタで開いていた。最終的に610席の6割くらいが埋まった。こんなものか。下は小学校低学年から、上は白髪の老人まで、割りと幅広かった。ファミリーや中学くらいの女の子のグループが目立っていた。逆に大学生くらいは少なかった。男女比は3.5対6.5くらいで女性の方が多かった。

 それにしても、なぜ子供は走るんだろう。いちいちバタバタと走っていた。そして女子は子供でもペチャクチャとよくしゃべる。予告が始まってもしゃべっていた。

 チャイムが鳴ってアナウンスがあり、もう一度チャイムが鳴って半暗になってCMと予告。TBSの人気番組「ルーキーズ」が映画化されるらしい。女子は気になるだろうが、おじさんはどうでも良いかと。「余命1ヶ月の花嫁」もTBSの実話ベースのドラマらしい。やたらとTVの映画化が多いのは、やっぱり客が入るからだろう。「ジェネラル・ルージュの凱旋」は「チーム・バチスタの栄光」(2008・日)の続編らしいけれど、どうしてもTVっぽい感じがしてしまうのはなぜだろう。ただ、面白そう。阿部寛が良い感じ。上下マスクの「ホノカアボーイ」は< ボクなんかにはまったく興味が持てないジャンル。原作は凄い人気らしいが……。

 暗いシーンが多くよく見えなかったが、バチカンから始まる上下マスクの「天使と悪魔」はどうなんだろう。前作が今ひとつだったからなあ。

 女子高生チャンバラの「ラスト・ブラッド」はなんだかよくわからなかったが、面白そうだったことは確か。「猟奇的な彼女」(My Sassy Girl・2001・韓)のチョン・ジヒョンと小雪の顔合わせらしい。驚いたことに「アンダーワールド」は3作目が公開されるらしい。上下マスクの「アンダーワールド ビギニング」は、まるで「エクソシスト」か「バットマン」のようでで、主演も違うから危険な香りがいっぱい。

 実写版「ドラゴンボール エボリューション」は鳥山明のメッセージ付き新バージョン。ただしメッセージを読むと、期待はできそうもない感じだが……。

 「クローズZERO II」は、もう暴力満載で、どうにも気分がよろしくない。予告編だけでお腹いっぱい。



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