Watchmen


2009年3月28日(土)「ウォッチメン」

WATCHMEN・2009・米・2時間43分(IMDbでは162分)

日本語字幕:丸ゴシック体下、松崎広幸/シネスコ・サイズ(マスク、with Panavision、Super 35、米ではIMAX版上映もあり)/ドルビーデジタル(新マーク)、dts、SDDS

(米R指定、日R-15指定)

公式サイト
http://www.watchmenmovie.co.uk/intl/jp/
(音に注意。POP UPを許可しないと表示されない。全国の劇場案内もあり)

1940年、超人的ヒーローのグループ、ミニッツメンが結成された。以後、ケネディ暗殺事件、ベトナム戦争、キューバ危機など大事件の陰にはいつも彼らがいた。しかしニクソン(ロバート・ウィズデン)が大統領になったあと1977年にヒーローの活動が禁止されたため、彼らはウォッチメンとして監視することしかできなくなってしまった。そして1985年、ニクソンは五期目も大統領になり、ソ連との間に核戦争の危機を抱えていた。世界の終末時計が掲げられ、あと数分と言われていた。そんなとき、ウォッチメンの1人、スマイル・バッチがトレード・マークのコメディアンことエド・ワード・ブレイク(ジェフリー・ディーン・モーガン)が惨殺される。

75点

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 グラフィック・ノベルの映画化。かなり原作に忠実に映像化したらしく、絵としてのクォリティが高い。音もクリアで立体的。また暴力満載。エロ、グロで、血も良く飛び散るし裸も多い。特に人間ではなくなってしまったヒーローの青い肌のDr.マンハッタンは、人前に出る時以外はすっぽんぽんで、大きなものがブラブラしている。とにかく、どれもが強烈。小さな子には過激すぎるだろう。R-15は当然かと。

 ただ、2時間43分は長過ぎで、しかも「誰がウォッチメンを殺したか」という1つのネタだけでもたせるのは無理がある。この長さなら2転3転してくれないと。さらに言えば、日本人には名前が覚えきれない。少なくともボクはダメだった。というのも、ウォッチメンには本名(ファースト・ネームで呼んだり、ファミリー・ネームで呼んだり)、ウォッチメンの通称、さらにファースト・ネームの短縮形とあるわけで、どれが誰やら混乱してしまうのだ。加えて、日本語字幕にする際の制限で話している内容も短縮されているから、余計にわかりにくい。DVDの日本語吹替版で見た方が内容は理解しやすいと思う。

 どんでん返しの結末は、確かに意外だが、どうにも納得できない。登場人物たちも納得できていないのだから、観客が納得できるわけがない。また、超能力者のヒーローが普通に存在している世界で、何の説明もないから、それが受け入れられない人は、最初から付いて行けないだろう。受け入れられれば、このダークでハードボイルドな世界観を楽しめるはず。完全に異世界が作り上げられている。

 元ヒーローの1人コメディアンを演じたのはジェフリー・ディーン・モーガン。TVの心霊ミステリー「スーパーナチュラル」シリーズで主人公の兄弟のお父さんを演じていた人。最近「P.S.アイラヴユー」(P.S. I Love You・2007・米)にも出てたらしいが、見ていないのでわからない。

 CGかもしれないが、すっぽんぽんのDr.マンハッタンは、ビリー・クラダップ。昔、バリー・レビンソンの「スリーパーズ」(Sleepers・1996・米)で、近所の幼なじみを演じていた。最近では「M:i:III」(Mission: Imposible III・2006・独/米)で、トム・クルーズを裏切る上司を演じていた。

 紅一点のシルク・スペクターはスウェーデン生まれで本当はプロンドのマリン・アッカーマン。TVでの活躍が多かったようだが、最近では「幸せになるための27のドレス」(27 Dresses・2008・米)主人公の妹役で出ていたらしい。ちなみに初代のシルク・スペクターはカーラ・グギーノ。老けメイクだったが実際には1971年生まれというから38歳。「スパイキッズ」(Spy Kids・2001・米)のお母さんだ。

 ナイトオウル2世はパトリック・ウィルソン。逆赤ずきんちゃんスリラー「ハードキャンディ」(Hard Candy・2005・米)の軟派フォトグラファーを演じていた人。最近アン・ハサウェイのスリラー「パッセンジャーズ」(Passengers・2008・米/加)で相手役を演じていた。

 科学者のオジマンディアスはイギリス人俳優のイケメン、マシュー・グード。ウディ・アレンの「マッチポイント」(Match Point・2005・英/米ほか)や「敬愛なるベートーベン」(Copying Beethoven・2006・英ほか)に出ているらしい。ブロンドだったが、実際はブルネット(黒髪)らしい。

 ほとんどマスクをかぶっていることが多いロールシャッハはジャッキー・アール・ヘイリー。TVでの活躍が多いようだが、「がんばれ!ベアーズ」(The Bad News Bears・1976・米)でバイク乗りの不良少年を演じていたらしい。スクリーンでは「オール・ザ・キングスメン」(All the King's Men・2006・独/米)で冷酷なボディ・ガード兼ドライバーを演じるなど強面だが、最近「俺たちダンクシューター」(Semi-Pro・2008・米)にも出ていたそうで、コメディもいけるらしい。

 監督は「300〈スリーハンドレッド〉」(300・2006・米)でとんでもない映像叙事詩を作り出したジャック・シュナイダー。スローモーションやコマ落としなど自在なスピード・コントロールで独特の世界を作り出した。新作が6本ほども控えているといういまや超売れっ子。次回作にも期待したい。

 原作はイギリス人デイヴ・ギボンズのグラフィック・ノベル。脚本はコナミのゲーム「メタルギアソリッド」シリーズのソリッド・スネークの声などの声優でもあり、「X-メン」(X-Men・2000・加/米)に出演もしているデヴィッド・ヘイター。脚本は「X-メン」や「スコーピオン・キング」(The Scorpion King・2002・米/独ほか)などを手がけている。

 公開初日の初回、新宿の劇場は40分前くらいに着いたら20人くらいの行列。中年男性と若い女性がそれぞれ4〜5人ずつで、あとはすべて若い男性。まもなく列を曲げるように案内があって、30分前ちょっと過ぎくらいに会場。スーパー・ペア・シート以外は全席自由。この時点で70〜80人くらい。

 最終的に中年男性が増え、老若比は半々くらいに。1,064席の3.5割くらいが埋まった。

 カーテンが上がって、前方だけ暗くなって始まった予告編(暗いシーンはよく見えない)で気になったのは……

 だいたいタイトルが最期の一瞬だけ出るものが多く、覚えられない。これで予告になっているのだろうか……ハリウッドでのリメイクが決定したという韓国映画「チェイサー」は連続猟奇殺人事件の実話の映画化らしい。ホントにパイプ・イスで殴っているし、怖い。これでR-15?

 ニコルス・ケイジの「バンコック・デンジャラス」は上下マスクの新予告。だんだん内容がわかってきた。おもしろそう。

 上下マスクの「スタートレック」はビギニングのような感じか。カーク船長やMr.スポックの若き日が描かれるらしい。俳優たちもかなり似ている気がした。そして圧倒的な絵の迫力と美しさ。これは期待できるかも。

 上下マスクの「レイン・フォール 雨の牙」は新予告に。これもだんだん内容がわかってきた。ゲイリー・オールドマンが素晴らしい存在感。アメリカ映画かと思ったら日本映画らしい。監督は「トウキョウソナタ」(Tokyo Sonata・2008・日/蘭ほか)の脚本を手がけたマックス・マニックス。写真で見る限り日本人ではなさそうだが……。


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