Twilight


2009年4月5日(日)「トワイライト 初恋」

TWILIGHT・2008・米・2時間02分

日本語字幕:手書き書体下、石田泰子/シネスコ・サイズ(マスク、Super 35、with Panavision)/ドルビーデジタル、dts

(米PG-13指定)

公式サイト
http://twilight.kadokawa-ent.jp/top.html
(音に注意。全国の劇場案内もあり)

17歳の女子高生ベラ・スワン(クリスチャン・スチュワート)は、母の再婚を機に、血のつながった父チャーリー(ビリー・バーク)が警察署長を務めるワシントン州の小さな町、人口3,120人のフォークスへ引っ越す。そして高校で、誰とも親しくしようとしないクラスメイトのエドワード(ロバート・パティソン)と出会う。彼が気になって仕方ないベラだったが、あるときスリップした車に挟まれそうになった時、一瞬でベラを救い命を助けてくれる。それをきっかけに親しくなる2人だったが、ベラはエドワードが人間ではないのではないかと疑い調べ始める。

72点

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 良くできたティーンの学園恋愛映画。障害が大きいほど、困難が多いほど、恋は燃え上がるというわけだが、それだったら他にもたくさんある。せっかくヴァンパイアという設定に(これさえ手垢まみれだが)したんだから、もっとヴァンパイアの部分を掘り下げてくれないと、タダの恋愛映画と変わらない。全体の印象はTV版の「バフィ 恋する十字架」(Buffy the Vampire Slayer・1997〜2003・米)の学園ものと似ている。SFXの割合までも。

 もっとお金をかけて、映画らしい見せ場を作って欲しかった。高校生が一家揃って草野球の試合をするって何だよ。映画の中でも登場人物になぜだって言わせているが、「アメリカの国技だ」なんてのじゃちっとも納得できない。ベジタリアンねえ……。

 もの凄いスピードで走ったり、木に登ったり、ジャンプするのは素晴らしい。木の上に2人がいて、そこから川や山や大自然が一望できるショットなど実に見事だ。ただ、映画としてはなんか物足りない……。

 主演はクリスチャン・スチュワート。デヴィッド・フィンチャー監督の「パニック・ルーム」(Panic Room・2002・米)でジョディ・フォスターの喘息の娘を演じた子。その後、残念なファンジーSF「ザスーラ」(Zathura・2005・米)、オキサイ・パン&ダニー・パンのホラー「ゴースト・ハウス」(The messagers・2007・米/加)に出ていた。最近ではこれまたSFX以外見所のない残念なSF「ジャンパー」(Jumper・2008・米)にも出ていたらしい。「パニック・ルーム」以外はあまり作品に恵まれなかったようだが、ついに本作でスポットライトが当たったか。

 相手役は妙に目力のあるロバート・パティンソン。「ハリー・ポッターと炎のゴブレット」(Harry Potter and the Goblet of Fire・2005・英/米)でホグワーツ魔法学校の代表セドリックを演じていた男子。甘い二枚目というわけではないが、確かに不思議な魅力を持っている。

 父の警察署長を演じたのは、ビリー・バーク。傑作サスペンス「スパイダー」(along Came a Spider・2001・米ほか)に悪い捜査官役で出ていた人。強烈な印象を残したのは人気TV番組「24」のシーズン2で暴力をふるう亭主役か。最近ではダイアン・レインのスリラー「ブラック・サイト」(Untraceable・2008・米)でFBI捜査官を演じていた。

 ベラのクラス・メイトで美人のジェシカを演じたのは、アナ・ケンドリック。見たことがある気がするのだが、日本公開作品は「キャンプ」(Camp・2003・米)くらい。しかも見ていない。

 ヴァンパイアの中で光っていた美女は、アリス・カレン役のアシュリー・グリーン。モデル出身でこれまではTVでの活躍が多かったようだが、本作以降、劇場作品が増えたよう。

 原作は主婦ライターのステファニー・メイヤーの4部作の第1作。840万部も売れているらしい。この後の「New Moon」は500万部ですでに撮影に入っているらしい。第3作目が380万部で、最終話も2008年8月発売ですでに320万部という人気。まったく驚きだ。

 脚本はメリッサ・ローゼンバーグ。TVの脚本とプロデュースを手がけてきた人で、日本でも話題になった「The O.C.」や「デクスター」を手がけている。もちろん続編の「New Moon」の脚本も書いている。

 監督も女性でキャサリン・ハードウィックという人。もとはプロダクション・デザイナーだったようで、ナオミ・ワッツが光っていたコミカルSFアクション「タンク・ガール」(Tank Girl・1995・米)、戦争アクション「スリー・キングス」(Three Kings・1999・米/豪)なんかも手がけている。監督としてはまだあまり作品がないが、日本公開されたもので有名なのは「ロード・オブ・ドッグタウン」(Lords of Dogtown・2005・米/独)あたりか。

 なるほど、女性スタッフで作ったちょっと変わった恋愛映画ということか。

 公開2日目の初回、新宿の劇場は前日に座席を確保しておいて、20分前くらいに着いたら15分前くらいに開場。最終的には580席に2〜2.5割くらいの入り。7.5〜8割くらいは若い女性。あとは中高年と若い男性。この程度の入りだと小さい劇場に移動になりそうだ。

 10分前くらいから案内が上映され、やや暗くなって予告編の上映。とにかく「カムイ外伝」の音は良い。素晴らしい迫力。内容は相変わらずよくわからない。またなかなかタイトルが出ずわからなかったが……「それでも恋するバルセロナ」はまたウディ・アレンがスカーレット・ヨハンソンを使った4角関係映画らしい。共演はペネロペ・クルスと「ノーカントリー」(No Country for Old Man・2007・米)のハビエル・バルデム。

 これもなかなかタイトルが出なくて覚えられず、後で調べた上下マスクの「17アゲイン」は「ハイスクール・ミュージカル ザ・ムービー」(High School Musical 3: Senior Year・2008・)のザック・エフロン主演の時間さかのぼり青春映画。なんだかジェームズ・ベルーシの「MR.デスティニー」(Mr. Destiny・1990・米)のような感じ。

 チョン・ジヒョン主演の「ラスト・ブラッド」は新予告に。セーラー服に日本刀。なかなか素晴らしいビジュアルで、絵に力があった。期待できそう。


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