Transformers: Revenge of the Fallen


2009年6月20日(土)「トランスフォーマー リベンジ」

TRANSFORMERS: REVENGE OF THE FALLEN・2009・米・2時間27分

日本語字幕:丸ゴシック体下、松崎広幸/シネスコ・サイズ(レンズ、in Panavision、IMAX版は1.44)/ドルビーデジタル、dts、SDDS

(米PG-13指定)(日本語吹替版、IMAX版もあり)

公式サイト
http://www.tf-revenge.jp/
(音に注意。全国の劇場案内もあり)

オートボットとディセプトコンの戦いから2年。現在ではディセプトコンの残党を掃討するため、オートボットと世界各国の軍隊の精鋭を集めた特殊部隊ネストが協力していた。そしてサム(シャイア・ラブーフ)は大学進学が決まり、家を出て寮に入るため荷物を整理していると、キューブの破片が出てくる。それは回りの機械を全てトランスフォーマーに変えてしまう力を持ち、さらにサムの頭の中にキューブが持っていたある知識を植え付けてしまう。その頃、原始時代の地球に現れたザ・フォールン(声:トニー・トッド)の手下たちが、ザ・フォールンを蘇らせるためキューブの知識を使ってエネルゴンを手に入れ、太陽を破壊して自分たちの住みやすい環境にしようと活動を開始する。

71点

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 ファンの人には申し訳ないが、良いところ悪いところ色々あるのをあえて一言で言うとバカ映画。バカがいっぱい出てきて、幼稚なストーリーを展開する。ただ、CGの絵はスゴイ。音響もサラウンド感がずば抜けて素晴らしい。そして真剣にやっている。ここまでお金を掛けて、世界でもトップ・クラスの技術を使って、こんなものを作るなんて。そこに感動する。

 絵はカッコいいが、笑いもオヤジ・ギャグのレベルだし、不必要なHカット、ノリだけで突っ走るなど、まさにマイケル・ベイ映画そのもの。内容は中学生以下限定なら良いかもしれないが、それにしてはお色気や残酷表現が行きすぎているし……。そして科学無視の「アルマゲドン」(Armageddon・1998・米)みたいに人の命がかかったシーンでのみだが、これで感動させられるのが腹が立つ。

 お金のかかったCGショーを、遊園地のライドにでも乗った気持ちで楽しむのが正しいのかもしれない。スピルバーグが製作総指揮の1人というのが解せないが、もう1人の製作総指揮がマイケル・ベイ監督その人なのだから、誰も文句は言えないのだろう。とにかくその場にトランスフォーマーがいるようなリアルさ、存在感には驚かされる。

 主演は、日本人的にはあまのりピンと来ないスピルバーグのお気に入り、シャイア・ラブーフ。ボクには彼が出ていて面白かったのは、キアヌ・リーヴスの「コンスタンティン」(Constantine・2005・米/独)くらいしかないように思える。

 共演のエロ美人はミーガン・フォックス。演出のせいだろうが、オツムが空っぽのようにしか見えない。本シリーズ以外はほとんどTVで活躍していた人。本作が注目されたことで映画への出演オファーが殺到しているらしい。なんとすでに控えている作品が5本くらいある。ほかの作品でどれだけの演技と存在感を示せるかがポイントだろう。

 特殊部隊ネストのレノックスとエップスは前作から引き続きジョシュ・デュアメルとタイリース・ギブソンの2人。ジョシュ・デュアメルは本シリーズ以外やっぱりTVで活躍していた模様。2000年くらいまではTVが多かったようだが、それ以降「ワイルド・スピード×2」(2 Fast 2 Furious・2003・米/独)やマーク・ウォールバーグと共演した「フォー・ブラザーズ/狼たちの誓い」(For Brothers・2005・)など出演作が続き、最近ではリメーク・カー・レース映画「デス・レース」(Death Race・2008・米/独/英)でジェイソン・ステイサムのライバルを演じていた。使っていたのはM4A1カービン。胸にはM9かと思ったらP226らしい。ほかに軍が使うのは、ミニミやM134ミニガンなど。M1エイブラムス戦車に、M2/M3ブラッドレー歩兵戦闘車、C17大型輸送機、B1爆撃機、F/A18ホーネット戦闘機、F22ラプター戦闘機、スミソニアン博物館にあるSR71ブラックバード偵察機、AH64アパッチ攻撃ヘリコプター、UH60プラックホーク・ヘリコプターなどが登場する。

 どうにも悪人顔のセクター7のシモンズ捜査官は、ジョン・タトゥーロ。1/36はアラブだというのは笑わせてくれたが、前作に引き続きギャグ漫画のようなキャラクターで、とても残念だった。最近はスパイ映画「グッド・シェパード」(The Good Shepherd・2006・米)に怖い役で出ていたが、やっぱり良かったのは「ミラーズ・クロッシング」(Miller's Crossing・1990・米)。なんとイェール大学出身というから、かなりのエリート。

 女型ロボット、アリスを演じたのはイザベル・ルーカス。オーストラリア生まれだそうで、これまではTVで活躍し、映画は初出演らしい。ただ、このキャラクターが可能なら、車とか戦車はやめて、みんな人間型のトランスフォーマーになればいいのに。それだと根底が覆るか。だとしたらこのキャラクターはやってはいけなかったのでは。

 モーシャワー将軍はグレン・モーシャワー。前作から引き続きの出演。人気TVドラマ「24」で大統領警護官アーロンを演じている人。

 声の出演では、メガトロンは前作から引き続き「マトリックス」(Matrix・1999・米)のエージェント・スミスことヒューゴ・ウィーヴィング。前回中古車やを演じていたアンソニー・アンダーソンは、今回ジョルトというトランスフォーマーの声を当てている。

 国境警備隊の将校が「チャーリーとチョコレート工場」(Charlie and the Chocolate Factory・2005・)のウルパ・ルンパに似ていたような気がしたが、違う人か……。

 ほかの映画のポスターや要素もたくさんちりばめられていて、大学の寮の壁には「バッドボーイズ」や「クローバー・フィールド」のポスターが貼ってあるし、オンナトランスフォーマーは「T3」みたいだし、図書館では「マトリックス」みたいになってるし、空母の沈没は「タイタニック」みたいだし、スミソニアンは「ナイト・ミュージアム」みたいになるし、オリオンのベルトって「MIB」だし、「インティ3」はスピルバーグの映画だから当たり前としても、「OK牧場の決斗」のバート・ランカスターみたいだときた。

 脚本はエーレン・クルーガー、ロベルト・オーチー、アレックス・カーツマンの3人。エーレン・クルーガーはジェフ・ブリッジスとティム・ロビンソンの怖いサスペンス「隣人は静かに笑う」(Arlington Road・1999・米)、どんでん返しミステリー「レインディア・ゲーム」(Reindeer Games・2000・米)、スプラッター・ホラーの「スクリーム3」(Scream 3・2000・米)、日本ホラー原作の「ザ・リング」(The Ring・2002・英/米)などの脚本を手がけている。基本はシリアスもので、本作とは全く相容れない感じも受けるのだが。そもそも依頼したことも不思議だ。しかも「1」は手がけていない。

 ロベルト・オーチー、アレックス・カーツマンり2人は高校時代から共同執筆しているそうで、TVの人気アクション・シリーズ「エイリアス」になどを手がけた後、マイケル・ベイ監督では比較的面白かった「アイランド」(The Island・2005・米)、ガッカリのめちゃくちゃ続編「レジェンド・オブ・ゾロ」(The Legend of Zorro・2005・米)、トム・クルーズのヒット作第3弾「M:i:III」(Mission: Impossible III・2006・独/米)、本作の前作、マニアの期待を裏切らなかった「スター・トレック」(Star Trek・2009・米)などを手がけている。どうね面白いものとそうでもないものと交互に手がけている感じだが……。

 監督はいうまでもなくマイケル・ベイ。自身かなりのイケメンで、MTVやCMで高い評価を受け、映画監督に。評論家などからの評価は低いのに、映画は話題になりヒットするというねじれ作品を量産している。ヒットするから次々と撮れる。どちらかというとプロデュース作品の方が多いようだが、多くはホラー系のリメイクばかり。しかも出来が良いかというと……。ボクが面白いと思ったのは「ザ・ロック」(The Rock・1996・米)と「アイランド」くらいだなあ。

 武器係はデイヴィッド・フェンクルとヴィンセント・ジョセフ・フラーティの2人。デイヴィッド・フェンクルは「グラン・トリノ」(Gran Torino・2008・)や「ランボー 最後の戦場」(Rambo・2008・米/独)、「アイアンマン」(Iron Man・2008・米)、「Mr. & Mrs.スミス」(Mr. & Mrs. Smith・2005・米)などを手がけた人。ヴィンセント・ジョセフ・フラーティはトム・クルーズの「ワルキューレ」(Valkyrie・2008・米/独)、「デス・レース」(Death Race・2008・米/独/英)、「デジャヴ」(Deja Vu・2006・米/英)などを手がけている。

 先行公開はあったが、一般公開初日前日に席を確保しておいて、20分前くらいに着いたら15分前くらいに開場。最終的に287席ほぼすべてが埋まった。男性が多く、女性は1/3くらい。若い人から中高年まで割と幅広く、老若比は半々くらい。

 ほぼ暗くなって始まった予告編は……「ナイト・ミュージアム2」はアメリカで受けているようだが、予告を見た限りでは面白いのかどうか全くわからない。今度はスミソニアン?

 3D-CGアニメの「ボルト」は新予告に。吹替予告だし、どうやら子供向けの作品のよう。3D上映は前売り券の場合別料金を取られることがあるらしい。初の試みではないだろうか。スクリーンが左右に広がってシネスコになってからの同じく3D-CGアニメの「モンスターvsエリアン」も3D上映は前売り券の場合別料金となるらしい。うむむ。

 上下マスクの「ノウイング」も新予告に。だんだん内容がわかってきた。50年前に埋められたタイムカプセルから出てきた1枚の紙。そこに書かれていた数字の羅列は、50年分の予言だった? とにかく絵はスゴイ。同じく上下マスクの「ハリー・ポッターと謎のプリンス」も新予告に。なんとなくクライマックスに向かっている感じはわかった。結構怖そうな感じも。期待できそう。


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