Twentieth Century Boys


2009年8月30日(日)「20世紀少年―最終章―ぼくらの旗」

2009・日本テレビ/小学館/東宝/バップ/読売テレビ/電通/読売新聞/シネバザール/オフィスクレッシェンド/ディーライツ/STV/MMT/SDT/CTV/HTV/FBS・2時間35分

シネスコ・サイズ(マスク、with Panavision、Super 35)/ドルビーデジタル



公式サイト
http://www.20thboys.com/
(音に注意、全国の劇場案内もあり)

2017年(ともちた歴3年)、全世界にまかれたウイルスにより人類の3割以上が死亡した。そして世界の首都たる東京は、巨大な塀に囲われ、中に住むことを許された者たちはウイルスの心配をすることなく暮らしていくことができた。そして世界大統領“ともだち”は「2017年8月20日正午、宇宙人の総攻撃によって人類は滅亡する」と予言していた。しかし「私を信じるものだけが救われる」とも言っていた。オッチョ(豊川悦司)は漫画家の角田(森山未來)と共に脱獄すると、壁を乗り越え東京に侵入する。そしてカンナ(平愛梨)が氷の女王と名乗り、反政府組織を作って人々に対して8月20日の一斉蜂起を呼びかけていた。

71点

1つ前へ一覧へ次へ
 うーん、やっと終わった。第1話が終わった時点ですでにもうどうでもいい感じにはなっていたが、3枚つづりの前売り券を買ってしまったので見たが……。たったひとつのネタ「ともちだちは誰か」だけで保たせるのは無理。だから正体がわかっても特にどうという感銘もないし、なんら驚きもない。淡々と見てしまう。話も、なんだかみんなで歌を歌うような話になっている。ほとんどのギャグがクスくらいの微かな威力。CGも合成のうまさなど素晴らしいが、驚きはなくふーんと言う感じ。

 良いのは、エンド・クレジットが終わった後の小学・中学時代のパート。ここはおもしろい。感情も良く伝わってくるし、ありがちなパターンではあるが、意外性もあって、納得もできる。パート・ワンからの謎がスッキリと解ける。おもしろい。むしろ、パート3はここだけでも良かったのかもしれないと言えるほど。物語の締めくくりを付けるためにエンド・クレジットの前の部分は必要だが、結果的にパート2はなくても良かったし、パート3はエンド・クレジットの後だけでも成立するのでは。

 長期連載漫画なら色んな関係なさそうなエピソードも必要で、そっちの方が面白かったりして物語に厚みが付いていくわけだが、2時間などの映画としてまとめる場合は(本作の場合は3部作長編だが)、もう少し工夫があっても良かったのでは。「24」なんて24話構成なのに、現実にはあり得ないと思うが、1時間の間に必ず何かが起きてそれが解決され、1話の話として盛り上がりがちゃんと設定されている。それでありながら全話としての流れ、物語がちゃんと動いている。つなぎはない。この点、やっぱりアメリカのTVドラマの作り方はうまい。

 予想どおり、「1」の同窓会のシーンで、いろんな同級生がいて、いかにも後で関係しそうな人物がたくさん仕込まれていたが、関係なかった。単なる顔見せ。なんだかなあ。しかも死人を蘇らせるなんて……あんまりフェアじゃないような。なんでもありじゃん。1969年にどの位置にいたのかもわからないし。

 本作の新しい登場人物は、顔見せ的ことが多いのだが、笑いが出ていたのは地球防衛軍の高島弟、高嶋政伸が出てきたときと、ユキジの道場の師範としてK-1の武蔵が出てきたとき、そしてロンブーの田村淳が出てきたときか。それにしても、ヤン坊マー坊の佐野史郎のデブの特殊メイクは凄い。ほとんど別人に近い。

 脚本には原作者の浦沢直樹も加わっているが、やっぱり映画向きのないようではなかったということなのかもしれない。登場人物も多すぎ。「2」でちょっと活躍した小泉響子なんて「3」じゃほとんどセリフもなく、ただ右往左往しているだけ。「2」のフリだと何か活躍すると思うだろう、普通。

 銃器は、石橋蓮司演じる万丈目が持っていたのはUSP、地球防衛軍はMP5ベースの銀色未来銃風で、小池栄子演じるともだち教団の高須はコルト25か、ほかにAKやベレッタM92なども。

 冒頭にドルビー・デジタルの機関車のデモがあり、最後の最後には「おしまい」と出て終わった。なんだか悪い夢を見ていたような感覚が。

 公開2日目の初回、渋谷の劇場は初回のみ全席自由ということで40分前くらいに着いたら、何とすでに80〜100人くらいの大行列。ほとんど10〜20代の若い人。どうやら原作を読んだ人らしいが、昭和を懐かしがる年代ではないような……。そういうことと関係ないのかも。

 30分前くらいに窓口が開いたが、人数が多く、劇場に入るのに10分以上かかった。2F席もあるらしいが、1F席が全席自由だという。スクリーンはビスタで開き。最終的に794席-2F席に8割ほどの入り。下は小学低学年から、中高年までいたが、半分以上は10〜20代。女性は3割ほど。子供用に座高を高くするイスを貸し出していたが、子供たちが言うにはあれは「赤ちゃんイス」と言うらしい。

 3〜4分前にアナウンスがあって、再びチャムがなるとほぼ暗くなってCM・予告。気になってのは……大人気コミックの映画化「僕の初恋をキミに捧ぐ」は、今の純愛映画ということらしい。どう見ても若い人向け。

 タランティーノの新作、上下マスクの「イングロリアス・バスターズ」は、なんとなく雰囲気が「特攻大作戦」(The Dirty Dozen・1967・英/米)に似ている感じ。第二次世界大戦秘話といった感じで、ドイツで開かれる映画祭にヒトラーもやってきて、それでならず者を集めた特別部隊を潜入させて暗殺しようというものらしい。

 「ウルヴァリン」はとにかく絵が凄い。そしてカッコいい。それだけで見たくなる。CG満載なのにあまりそれを感じさせないのはなぜ?

 なかなかタイトルの出ない少し上下マスクのイライラ予告は「ゼロの焦点」というらしい。松本清張原作。広末涼子、中谷美紀、木村多江が激突するらしい。荒れ狂う吹雪の日本海、どろどろの愛憎劇といったパターンではあるようだが、気になる。

 さすがに公開が近い上下マスクの「BALLAD 名もなき恋のうた」は新予告に。どうにも合戦シーンに時代感や重さ、リアル感がないような気はするが、たぶん面白いだろう。

 人気コミックの映画化、上下マスクの「カイジ」は、人生の敗者ばかりを船に集めて逆転をかけた命がけのゲームをするというものらしい。天海祐希が出ているが、またまた怒声を上げる男勝りの嫌な女という役のよう。もう定着したイメージなのか。ちょっとウンザリ。


1つ前へ一覧へ次へ