Paranormal Activity


2010年2月6日(土)「パラノーマル・アクティビティ」

PARANORMAL ACTIVITY・2007・米・1時間26分(延長版は99分)

日本語字幕:丸ゴシック体下、川又勝利/ビスタ・サイズ(DV、Sony FX1)/クレジット無し(IMDbではドルビー・デジタル)

(米R指定)

公式サイト
http://www.paranormal-activity.jp/pc/
(音に注意、全国の劇場案内もあり)

2006年9月18日、同棲中の大学生のケイティ(ケイティ・フェザーストン)と、デイ・トレーダーのミカ(ミカ・スロート)は、ケイティの言う心霊現象を確かめるため、ハイビジョン・ハンディカムFX-1を買って就寝中の寝室を撮影することにする。すると確かに深夜に正体不明の物音が録音されていた。ケイティは心霊現象を研究しているフレドリクス博士(マーク・フレドリクス)に家に来てもらうが、これは霊の仕業ではなく、悪魔の仕業だから、専門のエイブラリーズ博士を紹介するという。こういう専門家に否定的な意見を持つミカは連絡することに反対するが、部屋に何者かが侵入した跡が残るなど現象は次第にエスカレートしていく。ついにケイティが電話すると、エイブラリーズ博士は海外に出張中であることが判明する。そしてついにはケイティがさらわれそうになり、2人の写真の額が割れ、ミカの顔に傷がつけられる事態に。

70点

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 うーん、また手持ちカメラのシロート取り作品。POVと言えばカッコ良く聞こえるが、ちっとも見やすくないし、新鮮じゃないし、臨場感もないし、もう見飽きた。学生の卒業製作か、映画好きの自主製作という印象。ただ、大音響で脅かさないのは好感が持てた。ハリウッド・システムに乗っていないということだろう。

 CMは大げさ。あんなに驚いていた人は1人もいなかったし、実際にそれほど怖くなかった。それに恐いシーンほとんど見せちゃってるし。製作費が135万円? なんでそんなにかかったんだろうか。ソニーのハイビジョン・ハンディカムFX-1を買って、編集ソフトを買って、役者に出演料を払ったら135万円だったということか。たぶん日本のプロの現場ならもっと安く作れるし、自主製作ならもっと低予算で優れた作品を作る人はいっぱいいると思う。ただ、この製作者たちのように世に出られないだけ。

 考えてみると、アメリカ人にとってこれはとてつもなく恐い映画なのだろう。ところが日本人的にはそれほど恐くない。たぶんそれは宗教的なことが関係していそうだ。日本人とって恐さは「幽霊>悪魔」だが、キリスト教圏では「悪魔>幽霊」ではないだろうか。これまで最も恐い映画の1本だった「エクソシスト」(The Exorcist・1973・米)は悪魔映画だが、あれはお金を掛けて怪奇現象がリアルに描かれていて、まさにショッキングだった。キリスト教かどうかにかかわらず、絶対的な悪や恐怖が見えた。本作は思わせぶりばかりで、しかも結末がなく、やりっぱなし。思わせぶりだけやっておいて、消息は知れない、って!

 最初助けを求める博士が幽霊専門で、悪魔は手に負えないという。紹介してくれた悪魔専門の博士は海外主張中って! 低予算では、そりゃ戦えないわな。普通見たいのはその戦いだろう。超常現象法廷劇「エミリー・ローズ」(The Exocism of Emily Rose・2005・米)はテーマが違うが、それでもプロ作品だからもう少し恐怖が作り込まれていたし、戦いも描かれていた。

 正直、86分が長い。たぶん切り詰めたら30分ほどの話だろう。それならこれでも良いかも知れない。86分の長編でこれかよ。エンド・クレジットもなし。ドキュメントの体で作られているからか。終った時、客席から苦笑が漏れた。こんな映画も珍しい。これを1,800円で見せて良いかは気になる。アメリカは700〜800円だったと思う。普通、カップルの寝室の映像だったら、心霊現象よりHの方だもんなあ。

 キャストはほとんど無名の新人。ギャラを考えての選択だろう。監督、脚本、編集、撮影監督、キャスティングを1人で務めたのはオーレン・ペリという人。詳細は不明だが、グラフィックとアニメーションを学び、19歳の時にイスラエルからアメリカに移住したらしい。新作は「エリア51」で、本作の続編も準備中なんだとか。

 公開8日目の初回、新宿の劇場は45分前くらいに着いたら、5人が並んでいた。女性は2人。1人が中年くらいで、あとはたぶん20代。40分前くらいに開場となって場内へ。全席自由だが場内は飲食禁止。最終的に細長い224席に5割りくらいの入り。男女比は半々くらいで、ほとんど20代くらいの若い人たち。それにしても、暖房があまり効いておらず、寒かった。何という悲しい劇場だろう。ジャケットを着たまま見た方が良い。できればマフラーもあった方が。

 気になった予告は……上下マスクの「ニンジャ・アサシン」はとにかくアクションが凄そう。主演がRainと大きく出ていたが、誰? 監督が「Vフォー・ヴェンデッタ」(V for Vendetta・2005・英/独)のジェームズ・マクティーグだし、公開劇場もなあ……。

 上下マスクの鉄拳こと「TEKKEN」は、日本のゲームのハリウッド実写映画化版。いままで日本のゲームの映画化で成功したものは「バイオハザード」(Resident Evil・2001・独/英/米)くらいしか無い気がするが、どうか。予告編は面白そうだった。「ブレードランナー」のような街、ちょっとSFチックなキャラクター、ジョージ・タケイ……あとは公開劇場か。

 「シャーロック・ホームズ」は公開が近いので新バージョンでの予告。アクション満載という感じで、まったく小説のイメージとは違う感じだが、面白そう。ガイ・リッチーがまともに撮っている感じ。

 「シャッター・アイランド」も面白そうだが、超日本語版って一体……不安。


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