Riaru Onigokko


2010年6月6日(日)「リアル鬼ごっこ2」

2010・ジェネオン・ユニバーサル/電通/ファントム・フィルム/DeNA/文芸社・1時間47分

ビスタ・サイズ(HDTV?)/ドルビー・デジタル


公式サイト
http://www.onigocco.net/
(音に注意。全国の劇場案内もあり)

佐藤翼(石田卓也)のおとりで廃工場へ誘い込まれた鬼たちは、待ち伏せる仲間たちレジスタンによって次々と倒されていく。しかしその最中、翼は3匹の鬼とともに光につまれ消えてしまう。そのころ、喧嘩の怪我が治って病院を退院することになった翼の幼なじみ佐藤洋(三浦翔平)は、虐待を受けているらしい入院患者の翼の妹佐藤愛(吉永淳)を見かけ、連れて逃げる。その途中、何年も消息不明だった翼と出会いうが、翼は「この世界に戻ってきたが、鬼を3匹連れてきてしまった」とわけのわからないことを言う。そして本当に鬼のようなマスクの男たちが現れ、追ってくる。同時に入院患者誘拐で警察からも追われる。困った3人は、とりあえず洋が病院で世話になった看護師、佐藤美沙(渡辺奈緒子)のマンションへ向かうが……。

71点

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 なかなか映画っぽい奇想天外な話で、アクションも満載、CGの特殊効果、どんでん返しなどもあり、楽しめる作品。ただ、これだけ非現実的なものを盛り込むと、それを信じさせるリアリティが必要になってくるのだが、惜しいことにどうやらほとんど全編がアフレコのような感じで、口の動きとピッタリ合わず、テンションというか、温度が微妙に違う。そのため感情がスレートに伝わってこなかった。

 鬼のマスクは前作と違うデザインになり、もっと鬼っぽく(般若っぽく)なったけれど、どちらかというとダース・ベーダーと押井監督のプロテクト・ギアを合わせたような印象があるのは残念。オリジナリティという意味では前作の方が良かったと思うが、確かにこちらの方が恐い。

 画は空がちゃんと青かったり、いい感じだがちょっとビデオっぽい感じもして、そのせいか全体としてややTVドラマっぽい印象も。もちろんCGや特殊効果のレベルは高く手間、ひま、お金がかかっていてレベルも高いボクが前作を見ていないせいかもしれないが……。

 主役の佐藤翼を演じたのは、前作から引き続き石田卓也。ジュノン・スーパーボーイ・コンテストがきっかけでデビューしたのに、なんだかチンピラ的な役の印象が強いのは残念。「Sweet Rain死神の精度」(2007・日)のチンピラ役は抜群だった。ただ、本作もそういう設定なのか、眉を半分剃っていて薄幸な感じ。むしろ優等生的なヤツがいざとなったら戦えるっていう方が面白い気がする。普通の役をボクが見ていないだけかもしれないが。

 幼なじみの喧嘩仲間、佐藤洋は三浦翔平。これまでジュノン・スーパーボーイ・コンテスト出身。不良の設定らしく、これまた眉をいじっていて美形なのに……。2008年にデビューしたばかりなので、まだまだこれから。次作「THE LAST MESSAGE海猿」がどうか。チンピラ的でないことを祈る。

 翼の妹で能力者の愛は吉永淳。スカウトからモデルになり、TVから本作で柴田監督に抜擢され映画デビューということらしい。二役とはいえしゃべらない役の方がメインなので、ほとんど印象に残らない。うまいのかどうかも良くわからなかった。

 刑事、鈴木信太郎を演じたのは永島敏行。なんだかもうすっかり悪役のイメージで、ほとんど「ゴールデンスランバー」(2010・日)と同じようなキャラクターだった。使っていた銃はニュー・ナンブ。

 部下の刑事で、ちょっといっちゃってる感じの高橋役は滝藤賢一。なにしろ「クライマーズ・ハイ」(2008・日)の精神に異常来すフォトグラファー役が素晴らしかった。本作でもゲスト的な出演なのにしっかり印象に残り、もっと重要な役なのかと思った。うま恐い。

 院長を演じたのは中村育二。やっぱり悪役のイメージが強過ぎ、出た瞬間に悪いと思ってしまった。なんか残念だった「MW―ムウ―」(2009・日)とイメージが似ていた。しかし「クライマーズ・ハイ」は、同じく悪い感じだったが、抜群に良かったなあ。同じ人とは……。

 巻き込まれる看護師、美沙は渡辺奈緒子。前作にも出ていたそう。どういうつながりか見ていないのでわからないが、新人かと思った。残念だった「少林少女」(2008・日)にも出ていたらしいが、覚えていなかった。使っていたのはベレッタM93R。3点射はあったかな?

 別世界でのレジスタンスたちはG36Cをメインで使用。設定では鬼は普通の銃では簡単に死なないらしいので、強化された銃なのだろう。電着風で、薬莢は飛んでいなかった気がするが、空薬莢の落ちる音はしていた。ほかにトンプソンやベレッタM92なども出ていた。ガン・エフェクトはトッチーこと栩野幸知。

 監督・脚本は主にプロデューサーとして活躍している柴田一成。監督デビューは「もうひとりいる」(2002・日)、そしてWEBのホラーものも手掛けている。その次が前作の「リアル鬼ごっこ」(2007・日)。本作が作られたということは前作はヒットしたのだと思うが、「もうひとりいる」を見ていないので、何ともいえない。

 アクション監督は横山誠。アクション物の劇場作品の監督もやっているが、アクション監督作品には「エクスクロス魔境伝説」(2007・日)や「K-20怪人二十面相・伝」(2008・日)などがある。

 原作は山田悠介の同名漫画。なんと最初は自費出版なんだとか。それが累計220万部超の大ヒットになったというのだから驚き。本作の原作は有るのだろうか。

 一番印象に残ったのは、オープニングのクレジットの見せ方。アバンがあって、プラズマが光って名前が出てくる。そしてタイトル。うまいなあ。

 公開初日は舞台挨拶があるというのでパスして、2日目。初回は全席自由だが、朝ちょっと早いのでこれもパス。初回以外は全席指定で、2回目を金曜に確保。25分前くらいに着いたらロビーに10代くらいの若い男性が1人。15分前くらいに入れ替えとなって場内へ。この時点で5〜6人。最終的には218席に15人くらい。これは少ない。20代くらいのカップルが3組、中高年男性4人、若い男性1人、若い女性3人といったところ。混むと前席の人の頭が気になる劇場なので、結果的には良かったが……これで全席指定ねえ……。せめて千鳥配列なら良いのに。トイレは新しくなっていた。

 明るいまま始まった予告編で気になったのは……最も重かったのは「キャタピラー」。手足のない帰還兵って「ジョニーは戦場へ行った」(Johnny Got His Gun・1971・米)のような感じか。

 逆にもっとも明るかったのは「ハングオーバー」。バチュラー・パーティで羽目を外して、翌日記憶がなくて、花婿がいなくなるというのはシチュエーション・コメディか。バカ映画なのかコメディなのか。ゴールデン・グローブ賞受賞ということは面白いのだろうが、劇場がなあ……。

 日本のホラー「恐怖」はタイトルが出るのが遅くて、あやうく何だかわからないところ。結構恐そう。Jホラー・シリーズ完結なんだとか。


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