The Spy Next Door


2010年6月20日(日)「ダブル・ミッション」

THE SPY NEXT DOOR・2010・米・1時間32分(IMDbでは94分)

日本語字幕:手書き風書体下、岡田壮平/ビスタ・サイズ(Super 35、Panavision)/ドルビー・デジタル、dts

(米PG指定)
公式サイト
http://www.w-mission.jp/
(音に注意。全国の劇場案内もあり)

シングル・マザーのジリアン(アンバー・ヴァレッタ)には、反抗期の長女ファロン(マデリン・キャロル)、小学生の問題児、長男のイアン(ウィル・ジャドレイ)、まだ4歳の次女ノーラ(アリーナ・フォーレイ)と3人の子供がいる。そして隣の家に住むイケてないペンの販売業者ボブ・ホウ(ジャッキー・チェン)と付きあっていたが、、子供たちはみんなボブが嫌いだった。実際にはボブは中国の腕利き諜報員でCIAに出向していたのだった。そして、ロシアのスパイ、ポルダーク(マグナス・シェヴィング)を逮捕したのを期に引退し、ジリアンと結婚するつもりだった。ところが、ポルダークは護送途中で逃走し、世界中の石油を無効にする計画を実行に移そうとしていた。

70点

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 ファミリー向けの軽いコメディだった。もうちょっとハードなものかと思っていたのだが、ほとんどヴィン・ディーゼルの「キャプテン・ウルフ」(The Pacifier・2005・加/米)と同じ。一見ダメ男が子供たちと暮らすことによって見直され、強い絆を作り出し、めでたしめでたしという物語。昔からたくさん作られてきた気がする。

 もちろん突拍子もない展開はなく、悲惨な事態にも至らず、誰も死んだり大けがはしない。危うくなるのは人間関係だけ。父vs娘、父vs息子、母vs娘、母vs息子、そして男vs女……。予想通りの展開で、予想通りの結末へ。ただ、これで感動させられホロッとさせられるのが、ちょっと悔しい。

 ジャッキー・チェン作品とは言え、ハリウッド製なのでワイヤーは使いまくり。たぶんデジタルで消している。香港とは違って危険な懸けはしない。ジャッキーらしいコミカルなアクションはちゃんと生かされているが、ちょっと家の壁を登るようなときでもワイヤーが使われていて、重力に逆らっている感じが……。しかもMBXでくるくる回るシーンでは完全に吹替。どう見ても似てない。ジャッキーが吹替なんて。命を張ったり危険なら良いというわけではないが、作り物らしさが出過ぎていると。ワイヤーを使ったり、吹替でも良いが、もうちょっとリアルさというか真実味が欲しい。

 もちろんエンディングはジャッキー・チェン作品らしく、お約束のNG集。英語に苦労するシーンが多いが、頭をぶつけたり、イスを起こせなかったり……それより何より実に楽しそうな現場の雰囲気。やっぱりジャッキーの人柄なんだろう。

 かなり歳を取っちゃったジャッキー・チェンは1954年生まれだから、今年56歳。「バトルクリーク・ブロー」(The Big Brawl・1980・米/香)でハリウッド・デビューして、本作でハリウッド進出30周年記念になるのだとか。劇場窓口で前売り券を買うと、本作を含む日本公開されたジャッキー作品全60本のポスターを網羅したポスター(というかB3の薄いチラシ)がもらえた。ビジュアルが有るので資料にはなる。そういえばついこの前には全50作品がどうしたことしたとか言っていたような……。

 ジリアンを演じたアンバー・ヴァレッタ。「トランスポーター2」(Transporter 2・2006・仏/米)で、少年の母親を演じていた人。最近では残念なホラー「デッド・サイレンス」(Dead Silence・2007・米)で主人公の父親の若い後妻を演じていた。

 長女のファロンを演じていたのはマデリン・キャロル。どこかで見たなあと思ったら、「バイオハザードIII」(Resident Evil: Extinction・2007・仏/豪ほか)で人工知能の声と姿を演じていた子。なかなか美人で、ひょっとしたら大人になって化けるかも。

 監督はブライアン・レヴァント。TV出身の人で、1977年から脚本、プロデューサー、監督として活躍し、劇場作品の監督は続編があったこと自体びっくりの日本劇場未公開「プロブレム・チャイルド2」(Problem Child 2・1991・米)から。日本で劇場公開されたのは犬が大騒動を巻き起こすコメディ「ベートーベン」(Beethoven・1992・米)から。以来ずっとコメディ路線一筋という感じ。ほかに「フリントストーン」(The Flintstones・1994・米)などがあり、いずれもハチャメチャ系。日本人にはあまり合わない気がする。

 銃はCIAがグロックを使用。G19か。PCはMac。ロシアの女スパイはPPKのような感じだったが、ロシアなのでマカロフか。

 公開2日目の初回、新宿の劇場はグループ館中もっとも小さな劇場で、待つスペースのないところ。40分前くらい前で30〜50代くらいの男性が4人。入口の明かりは消え、窓のない階段室なので非常に暗い。しかも空調もないので空気がこもり暑い。せめて入口のドアを開けてクーラーで冷えた空気を流してくれれば……徐々に人が増え来て、下は20代から、中高年まで。20代は1/3くらいで、女性も1/3ほど。30分前で10数人。かなり暑い。20分ほど前に開場するまで明かりも点かず、案内もなし。開場した時点で20人位か。最終的には209席に7.5割くらいの入り。作品のできの割にはジャッキー作品ということで入りが良いようだ。後半やや女性が増えて男女比は半々くらいに

 スクリーンはビスタで開き、チャイムの後アナウンスがあって、暗くなって始まった予告編で気になったのは……ニコラス・ケイジの上下マスク「魔法使いの弟子」は新予告で、なぜか日本語吹替版。タイトルがなかなか出ず、イライラした。「トイストーリー3」も吹替版。

 めちゃくちゃリアルなふくろうたちが登場する実写のようなアニメは上下マスクの「ガフールの伝説」。ペンギンたちのミュージカル「ハッピーフィート」(Happy Feet・2006・豪/米)のスタッフの新作だそうで、面白そう。これも吹替版だったが、アガる。3D。

 犬と猫が実写とCGでスパイを演じる「キャッツ&ドッグス地球最大の肉球大戦争」は、とにかく絵がリアル。気持ち悪いほど。これも吹替版で子供向けか。

 上下マスク「エアベンダー」は新予告で、面白そうなんだが、だんだんCGショーの様相を呈してきた感じ。火、気、土、水の漢字を使っている。これも3D上映か。7/17から。

 上下マスクの「インセプション」も新予告。先行上映があるらしい。だんだん具体的な内容がわかってきた。人の夢の中に入って情報を盗むという話か。面白そう。

 上下マスクの「プレデターズ」はプレデターの惑星が舞台の人間狩りの話らしい。短すぎて良くわからなかったが面白そう。


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