The Last Airbender


2010年7月17日(土)「エアベンダー」

THE LAST AIRBENDER・2010・米・1時間43分

日本語字幕:丸ゴシック体下、岸田恵子/シネスコ・サイズ(マスク、Super 35、ARRI)/ドルビー・デジタル、dts、SDDS(IMDbではドルビー・デジタのみ)

(米PG指定)(3D上映、日本語吹替版もあり)
公式サイト
http://www.airbender.jp/
(音に注意。全国の劇場案内もあり)

世界は気、水、土、火の4つのエレメントからなり、それぞれにエレメントをコントロールすることができる「ベンダー」がそれぞれの国を統治していた。そして4つのすべてのエレメントをコントロールできる「アバター」だけがこの世に調和をもたらすことができると言われていたが、100年前、そのアバターが消えたことから、それぞれの国が他を支配しようとして、戦乱の世になっていた。そんなある日、水の国に大きな水の塊が出現した。サカ(ジャンソン・ラスボーン)とカタラ(ニコラ・ペルツ)の兄妹はその中からアン(ノア・リンガー)を助け出す。アンはアバターの生まれ変わりだが、気の国で修業の途中、逃げ出したためエア・ベンダーにしかなっていないという。ほかのコントロールも身に付けなければならないので、他の国のベンダーにあって修業をするのを手伝ってくれないかという。そんなとき、火の国の軍隊が襲いかかってくる。

70点

1つ前へ一覧へ次へ
 寝た。しかも1度や2度ではなく、何度も寝た。これはスゴイ映画。まったく空疎。何もないし、何も伝わってこない。ちょっと雰囲気は「ライラの冒険 黄金の羅針盤」(The Golden Compass・2007・米/英)に似ている。しかも最初に「第1章」と出た。しかし続編なんて見たくない。もう作らないで欲しい。確かに、音響とCGは素晴らしい。大音響で体は振動するし、ありえない絵が本当に撮影されたかのようにスクリーンに描き出される。見どころはココだけ。しかし内容なし。これは大金をかけた悪ふざけか。IMDbでも4.3点という低評価。

 2Dで撮影していながら、公開前に3Dにされた理由がわかった気がする。ほかに売りがないのだ。3Dにでもしないと人が入らないと。主演の男の子ノア・リンガーくんは「ライラの冒険」の主演の女の子ダコタ・ブルー・リチャーズちゃんのように注目されなくなって行くかも。デビュー作が悪すぎて印象が悪い。

 映画のほとんどがアクション・シーンで、戦いのシーンで構成されているのに、この戦いがちっとも緊迫感もないしウソくさい。技というか魔法を繰り出すときに、いちいち京劇のように大げさな身振りをするのがジャマ。舞台劇ならあった方が良いと思うが、より現実的な映画ではいかにも不自然。訓練中ならともかく、実戦の場でやるなんて。まるでのんきに踊りを踊っているようで、あの最中、技が出る前に弓で撃っちゃえばいいのにと思ってしまう。なんでみんな攻撃しないで技をくらうのをおとなしく待っているのだろう。

 主役のアンを演じたのはノア・リンガー。アメリカ生まれの13歳で、本作がデビュー作。アクションのキレは抜群にいい。なのに作品に恵まれずかわいそう。このあとの作品によってはそれで終ってしまうかも。

 火の国の王子ズーコを演じたのはデヴ・パテル。インドの今を語るファンタジー「スラムドッグ$ミリオネア」(Slumdog Millionaire・2008・英)で主演の少年を演じた人。あの明るいキャラから一転、笑わない悪役を結構陰険に演じている。

 その父親オザイ王を演じたのは、ニュージーランド出身のクリフ・カーティス。シュワルツェネッガーま「コラテラル・ダメージ」(Collateral Damage・2001・米)、「ダイ・ハード4.0」(Live Free or Die Hard・2007・米/英)でFBI捜査官を演じていた人。最近は「PUSH光と闇の能力者」(Push・2009・加/英/米)に出ていた。有名なのはこの人くらいか。

 たぶん監督の意図で、有名俳優を使わなかったのだろうが、こういう物語ではそれは大きなハンディだと思う。ファンタジーなのに画面に華がない。SFXはすごいが、他が実に地味。

 脚本・監督はもちろんM・ナイト・シャマラン。「シックス・センス」(The Sixth Sence・1999・米)で大ヒットを飛ばし高い評価を得たものの、それ以降まったくおもしろい作品がないにも関わらず、作品を作り続けられる不思議な人。お金はあるのだろうから、数年休んで充電すればいのに。フランスのリュック・ベッソンや、イケメン監督マイケル・ベイと共通するものがある気がする。

 公開初日の初回、新宿の劇場はペア・シート以外全席自由で、2D版の上映。25分前くらいに着いたら20人くらいの行列。ほぼオヤジ。女性は1〜2人。最終的には1,064席に100人くらいの入り。まあM・ナイト・シャマランの神通力もさすがに通じなくなったということだろう。3D版は偏光眼鏡を使う方式らしく、メガネの持ち帰りは自由。ということはメガネは毎回新品で、汚れや傷は付いていないということだ。しかも料金はプラス300円で済むのもいい。しかし、残念なことに本作を3Dで見た所で、たいしてプラスになるとは思えない。

 チャイムのあとアナウンスがあり、カーテンが上がって始まった予告で気になったのは……韓国映画、上下マスクの「パラレルライフ」は、過去の人物と同じ運命をたどる男の話で、非常に面白そうだが、劇場が……。残念。

 上下マスクの「インセプション」は相変わらずだが、何回見ても面白そうで、これ以上は詳しくなりそうもないので早く見たい。トム・クルーズのアクション、上下マスクの「ナイト・アンド・デイ」も同じ予告だが、まだ飽きない。面白そう。逆に上下マスクの「魔法使いの弟子」は内容がわかるようになるに従って興味が薄くなって行く。かなり残念な作品かもしれない。嫌な予感。

 韓国映画、「TSUNAMIツナミ」はメガ津波を描いたパニック映画らしい。おもしろそうだが、劇場次第かなあ。予告はちょっとふざけた感じで、コメディのような印象。これでいいのか。


1つ前へ一覧へ次へ