Cats & Dogs: The Revenge of Kitty Galore


2010年8月21日(土)「キャッツ&ドッグズ 地球最大の肉球大戦争」

CATS & DOGS: THE REVENGE 0F KITTY GALORE・2010・米/豪・1時間22分

日本語字幕:手書き風書体下、石田泰子/ビスタ・サイズ(with Panavision、デジタル)/ドルビー・デジタル、dts、SDDS

(米PG指定)(3D上映もあり)(日本語吹替版もあり)

同時上映・短編

「ルーニー・テューンズ ロードランナーとワイリー・コヨーテ」

COYOTE FALLS・2010・米・2分(IMDbでは米版3分)

ビスタ・サイズの上下マスク(デジタル)/ドルビー・デジタル、dts
(米G指定)

公式サイト
http://wwws.warnerbros.co.jp/catsdogstherevengeofkittygalore/index.html
(音に注意。全国の劇場案内もあり)

犬と人間への復讐に燃える猫のキティ・ガロア(声:ベット・ミドラー)が、ドイツから人工衛星に関する情報を盗み出した。そして、犬だけに聞こえる特殊な音「野生の呼び声」を人工衛星から発射して世界中の犬たちを殺すと、宣言する。その頃、命令を無視し独断専行しては失敗をするSFPDのK-9の警察犬ディッグス(声:ジェームズ・マースデン)は、ついに施設へもどされることになる。そこへ犬のスパイ組織のエイジェントが現れ、仲間にしてやるという。最初の仕事はキティ・ガロアの野望をくじき人間を守ること。そしてベテランのブッチ(声:ニック・ノルティ)と行動を共にすることになる。まずキティ・ガロアの情報を持っているというハトのシェイマス(声:カット・ウィリアムズ)のもとを訪ねると、猫のスパイ組織「ミャオ」のエージェント、キャサリン(声:クリスティナ・アップルゲイト)が現れ、キティ・ガロアが元「ミャオ」のエージェントだったことから、協力して捜査を進めようという。

73点

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 IMDbでは2.3点とまれに見る低評価。全映画のワースト100位以内に入る。がしかし、結構面白かった。ボクは楽しめた。確かにくだらない。くだらないけど、くだらなくてつまらないのではなく、くだらなくて面白い。笑った。映画のパロディもいっぱい盛り込まれている。特におかしかったのは、「羊たちの沈黙」(The Silence of the Rambs・1990・米)のハンニバル・レクター教授そっくりの猫が出てくるところ。

 骨格はほとんど007映画と同じ。そして名画のパロディを盛り込み、登場人物をすべて犬、猫、鳩などに置き換えた感じ。一生懸命にちゃんと作ったという印象もあった。タイトルも007そっくりでカッコいい。秘密基地、秘密兵器、世界征服、憎たらしい悪役、ゴージャスな美女(美猫?)……ただ、主人公がダメ犬で、カッコ良くないのと、CGがやりすぎでリアルさを通り越して、マンガのようになってしまっている。動きもありえないし、やっいてる内容もありえない。これだったら実写より3D-CGアニメにすれば良かったのに。そうすればこんなに評価が低くなかったかもしれない。

 ほとんど劇場が3D上映の日本語吹替版。字幕版上映の劇場を探すのに苦労した。

 警察犬ディッグスの声はジェームズ・マースデン。「X-メン」(X-Men・2000・米)のサイクロップスをやっていた人。相棒になるベテランのブッチの声はニック・ノルティ。「48時間」(48Hrs.・1982・米)のベテランだ。前作「キャッツ&ドッグズ」(Cats & Dogs・2001・米/豪)ではアレック・ボールドウィンがあてていた。

 毛のない猫のキティ・ガロアの声はベット・ミドラー。歌手で女優で、見ていないが最近は「いとしい人」(Then She Found Me・2007・米)に出ていたらしい。エージェント・キャサリンの声はクリスティナ・アップルゲイト。最近は声の出演が多いようだが、マーク・ウォールバーグの出世作「ビッグ・ヒット」(The Big Hit・1998・米)に出ていた人。

 ハトのシェイマスの声はカット・ウィリアムズ。黒人っぽい感じだなあと思ったらそのとおり。主にTVで活躍しているようで、日本公開作品はほとんどない。犬の組織のボス、ルーの声はニール・パトリック・ハリス。TVの多い人だが最初の「スターシップ・トゥルーパーズ」(Starship Troopers・1997・米)に兵士役で出ていた。猫の組織のボス、黒い蝶ネクタイのタブ・レイゼンビーの声は3代目ジャームズ・ボンドのロジャー・ムーア。しかもレイゼンビーの役って! さすがに83歳、声の出演が多いようだ。ほかにサムの声で前作から引き続きマイケル・クラーク・ダンカンが出ている。「グリーンマイル」(The Green Mile・1999・米)で死刑囚を演じた人。前作で逮捕されハンニバル・レクター教授のように口かせをされているミスター・ティンクルズの声も前作から引き続きショーン・ヘイズ。感動作「最高の人生の見つけ方」(The Bucket List・2007・米)でジャック・ニコルソンの秘書を演じていた人。

 脚本はロン・J・フリードマン、スティーヴ・ベンチックの2人。2人ともアニメの「オープン・シーズン」(Open Season・2006・米)や「チキン・リトル」(Chicken Litle・2005・米)、「ブラザー・ベア」(Brother Bear・2003・米)を手掛けており、動物ものアニメは得意のようだ。

 監督はブラッド・ペイトン。31歳の新鋭で、TVアニメや劇場用短編などを手掛けてきた人。本作は初の劇場長編ということらしい。評価があまりに低いので、今後が心配になるが……。決してそんなに悪いとは思えない。

 公開日目、渋谷の劇場は全席指定で、金曜日に確保しておいて、20分前くらいに着。15分前くらいに入れ替えとなり場内へ。だいたい若い人から中年くらいがメイン。3.5対6.5くらいで女性の方が多かった。外人さんもカップルとファミリーが1組。最終的には300席に20人くらい。座席が階段状になっているのに、スクリーンが低いので前の席が邪魔になって字幕が見にくい古い劇場。これで混んだら大変なことになる。座席が千鳥配列ならまだましだが、これで全席指定とは……。しかもコンピューター使っていないし。

 やや暗で始まった予告編で気になったのは……シリーズ第3作にしてもういいやという感じの吸血鬼映画上下マスクの「エクリプス」が早くも登場。今回はアクション・シーンが多いのか。

 3D-CGアニメ、上下マスクの「ガフールの伝説」はフクロウがめちゃくちゃリアル。まあ絵がスゴイ。


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