Resudent Evil: Afterlife


2010年9月11日(土)「バイオハザードIV アフターライフ」

RESIDENT EVIL: AFTERLIFE・2010・英/独/米・1時間37分

日本語字幕:丸ゴシック体下、太田直子/シネスコ・サイズ(with Panavision、デジタル)/ドルビー・デジタル、dts、SDDS

(米R指定、日PG12指定)(3D上映、IMAX上映もあり)(日本語吹替版もあり)
公式サイト
http://biohazard4.jp/
(入ると画面極大化。音に注意。全国の劇場案内もあり)

東京・渋谷。最初のTウィルスに感染した最初の女性患者が、スクランブル交差点で男性に襲いかかる。4年後、世界中がTウィルスに感染し、町は荒廃しアンデッドがあふれ返っていた。アリス(ミラ・ジョヴォヴィッチ)は自らのクローン・グループを連れて、渋谷の地下にあるアンブレラ社に侵入し、指揮をとるウェスカー議長(ショーン・ロバーツ)を襲撃するが、Tセルを注射され、超能力を失ってしまう。しかし、飛行機で逃亡したウェスカーを追いつめ、飛行機ごと富士山山腹に衝突させる。半年後、アリスは感染を免れた土地アルカディアがあるということで、クレア(アリ・ラーター)やKマート(スペンサー・ロック)たちが向かったアラスカへ到達するが……。

73点

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 うーむ、驚いた。あまり内容はないが、これだけ楽しませるとは。ほとんどアクションの連続。ストーリーはごくわずか。そしてゲームの感覚を良く映画に反映している。ミッションであるとか、迷宮からの脱出とか、ちゃんと用意されている。しかも監督はゲームおたくでありながら、映画オタクでもあるようで、近年のカッコいい映画の良いところを存分に取り込み、カッコ良い映画にまとめている。ここが鼻にかかると楽しめないかもしれない。オマージュと取るか真似っこと取るか。

 ただ3Dはもはや目新しさも感動もなく、驚きもない。別に3Dにする必要なんてないのでは。映画会社(劇場)が高い入場料でもうけたいだけと思えてくる。わざとらしく手裏剣とかまさかりみたいなものが観客に向かって飛んでくるが、あまり飛び出ない。昔の赤青眼鏡の方が飛び出していた気がする。IMAXの3Dで見るともっと臨場感が有るのかもしれない。M4A1カービンから巻散らかされるカートリッジが、立体的な音と合わせて妙にリアルだった。ここがベストの3D見どころポイントか。

 多くのカッコいいシーンはほとんど「マトリックス」(The Matrix・1999・米/豪)シリーズからという感じ。弾丸をよけるシーンや、撃ちながらビルから落ちていったり(女子ダブルだが)。大きなマサカリみたいなものを持っているヤツは「サイレントヒル」(Silent Hill・2006・加/仏ほか)のイメージに似ている。ラスト、タンカーで戦うのは「ウォーターワールド」(Waterworld・1995・米)みたいだし、口が裂けるモンスターは「アンダーワールド」(Underworld・2003・英/独ほか)とか「ブレイド」(Blade・1998・米)シリーズにもいたようだし、逃げる敵を空中爆破させるのは、よくある手だが、つい最近「プレデターズ」(Predators・2010・米)でやってなかったか。水路を潜るのは「ポセイドン・アドベンチャー」(The Poseidon Adventure・1972・米)や「エイリアン4」(Alien: Resurection・1997・米)ぽいしなあ。

 とにかく女優2人ががんばっている。これはケガするわ。3Dだとパンチなどが当たっていないのがわかるから、特に気をつかったらしい。

 ミラ・ジョヴォヴィッチは最近作品に恵まれていなかった感じ。穴だらけでちっとも完璧じゃなかった「パーフェクト・ゲッタウェイ」(A Perfect Getaway・2009・米)、ミラ・ジョヴォヴィッチ以外見どころのなかった「THE 4TH KINDフォース・カインド」(The Fourth Kind・2009・米/英)……「ポイント45」(.45・2006・米)は見ていないが、「ウルトラヴァイオレット」(Ultraviolet・2006・米)も酷かったし、結局「バイオハザード」シリーズ以外ヒット作がないのでは。使っていた銃は、だいたい忍者刀も含めなんでもペアで使うようで、ソードオフした水平二連ショットガンのペア(後半ではコインの弾丸を使う)、シュタイアーTMPサブマジンガンのペア、S&W500マグナム・リボルバーのペア(さすがに持つ手がぷるぷると)、MP5K(これは1挺)というところ。銃のことを全く知らないデザイナーが作ったらしいポスターなどのビジュアルは、パイソン4インチの2挺拳銃(1挺が裏焼き)だが、本編では出てこない。

 クレア役のアリ・ラーターはホラーの「ファイナル・デスティネーション」(Final Destination・2000・米/加)シリーズや、ロマンチック・コメディの「キューティ・ブロンド」(Legally Blonde・2001・米)などに出ていた美女だが、たぶん広く知られるようになったのは悪いヤツだらけのヒーロー物語、TV「HEROESヒーローズ」(2006〜2010)の超能力者役。どちらかといえばやはり悪役の1人だが、目立っていた。本作は前作から引き続きの出演で、かなりのアクションをこなしている。使っている銃は、アリスの水平二連ショットガンも使うが、タンカーではM92……かと思ったらスチルで見るとあのM92をコスメティック変更しただけの90Two。

 クリアの兄クリス役のウェントワース・ミラーは、ケイト・ベッキンセールのホラー・アクション「アンダーワールド」に出ていた人。しかしTVのシーズンを重ねるごとに主人公の頭が悪くなっていき、脱獄話ではなくなる脱獄話「プリズン・ブレイク」(2005〜2009)のIQ194の頭脳戦とか何とか言ってた弟マイケル・スコーフィールド役でブレイクした人。シーズンが進むごとに評判ダダ落ちで、注目度も急降下。どんどん頭が悪くなっていった役。本作でもあまりパッとしなかった。それほど印象にも残らない。使っていたのはベレッタのM93R。

 アンブレラ社のボス、ウェスカー議長を演じたのはショーン・ロバーツ。「X-メン」(X-Men・2000・米)でローグの恋人で生気を吸われる役をやっていた人。ほかに「ランド・オブ・ザ・デッド」(Land of the Dead・2005・加/仏/米)や「ダイアリー・オブ・ザ・デッド」(Diary of the Dead・2007・)といったゾンビものに出ている。しかしここまで強烈な役は初めてではないだろうか。なかなか憎たらしくて良かったが、メイク(というか目が光るなどの効果とマクリックス・スタイル)が過剰で、せっかくの演技がかすんでいたが。使っていたのはデザート・イーグルの2挺拳銃。

 ステレオタイプのこすい映画プロデューサーをいやらしく演じていたのは、悪役が多いキム・コーツ。「ウォーターワールド」や「プリズン・ブレイク」シリーズ、「サイレントヒル」にも出ている。使っていた銃は25口径らしいポケット・ピストル。

 刑務所の屋上にいたスキンヘッドの黒人、ルーサーを演じたのはボリス・コジョー。フルース・ウィリスのSFアクション「サロゲート」(Surrogates・2009・米)の捜査官、ダメダメSFアクション「スターシップ・トゥルーパーズ3」(Starship Troopers3: Marauder・2008・米/南ア/独)の若い将軍などを演じている。使っていた銃はシルバーのM92かと思っていたら、スチルで見るとPか92らしい。

 Kマートはちょっと出てくるだけだが、前作よりさらに美人になっていて驚いたスペンサー・ロック。なんと今年、19歳。今後大化けするかも。

 第2作から間をおいて登場するジル・バレンタイン役のシエンナ・ギロリーは、「バイオハザードII」(Resident Evil: Apocalypse・2004・独/仏ほか)では光っていたが、本作では存在感ほとんどゼロ。エキストラ的な出演だったのではないだろうか。監督に嫌われたのか、気に掛けてもらっていたので、ちょい役でも役を作ってもらったのか。

 日本の最初の感染者、Jポップ・ガールという役には中島美嘉。セリフはなし。

 監督・脚本・製作はポール・W・S・アンダーソン。「バイオ・シリーズ」は「2」と「3」は脚本と製作だけで監督はしていない。監督作品としてはSFホラー「イベント・ホライゾン」(Event Horizon・1997・英/米)を超えていないのではないかと思う。「デス・レース」(Death Race・2008・米/独/英)も面白かったけど。

 武器係はチャールズ・テイラーとアル・Vrklijan(読み方不明)。そして役割分担が良くわからないが、ウェポン・アーマラーはスティーヴ・カーンズ。チャールズ・テイラーとアル・Vrklijanはともに「バイオ・シリーズ」を手掛けてきた人たちで、ほかに「サイレントヒル」や「ポイント45」(アルはやっていない)、めちゃくちゃな銃器効果で嫌いな作品だが「シューテム・アップ」(Shoot'Em Up・2007・米)もやっている。スティーヴ・カーンズはTVやビデオが多いようだが、トム・クルーズが殺し屋を演じたマイケル・マンの「コラテラル」(Collateral・2004・米)、日本ではビデオ公開となった続編「トリプルXネクスト・レベル」(xXx: The State of the Union・2005・米)などを手掛けている。

 公開2日目の2回目、新宿の劇場は全席指定で、前日に確保しておいて30分前くらいに着いてコーヒーを飲みながら待つと、15分前くらいに開場。3D眼鏡を渡す時にレンズに触らないようにという注意があり、ようやく汚れのない眼鏡を渡された。これまでが酷かったからなあ。700円を取るならこれくらいして当り前。それでもこの程度の効果で700円の価値はあるのかどうか疑問に思う。他社方式の300円くらいなら良いと思うが。

 高校生くらいから中高年まで幅広いが、若い人が多かった。男女比は6対4くらいで男性の方が多く、最終的には301席に9割くらいの入り。さすが人気作。予告が終ると眼鏡のチェックがあるが、遅れて入ってくるヤツが多く、チェックできるのか。

 ラスト、エンド・クレジットが出るとすぐ立つヤツがいるが、途中で映像があるので、最後まで座っているように。早く出たヤツは見逃している。

 気になった予告編は……見飽きた古い予告に続いて、スクリーンが左右に広がってシネスコ・サイズになってからゲームの広告があり、ビスタにもどって上下マスクで「グリーン・ホーネット」の新予告が。アクション満載。これも3Dらしい。

 再びスクリーンが左右に広がってシネスコ・サイズになって、3Dの吹替板で「シュレック フォーエバー」の新予告。文字だけが非常に立体的だった。関西弁で、しかも吹替のプロじゃない人の吹替ははなはだ疑問だが、どうせ見ないから良いか。


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