SP Kakumei-hen


2010年3月13日(日)「SP 革命篇」

2011・フジテレビ/ジェイ・ストーム/東宝/FILM/FNS27社・2時間08分

ビスタ・サイズ/ドルビー・デジタル

(一部字幕上映もあり)

公式サイト
http://sp-movie.com/
(全国の劇場リストもあり)

警視庁警護課第四係のメンバー、井上薫(岡田准一)、笹本絵里(真木よう子)、石田光男(神尾佑)、山本隆文(松尾諭)は、任務直前に係長の尾形総一郎(堤真一)によって担当を変更され、最終的に国会議事堂に集まるように配置される。その頃、テロリストに襲われ入院していた公安の田中一郎(野間口徹)は、本物の尾形総一朗が別にいることを上司に報告に行く。そして、革命を起こそうとするグループは、尾形を中心に国会議事堂の衆議院を孤立させ占拠する準備を着々と進めていた。実行直前、第四係のメンバー4人は尾形の命令で上の階の爆弾捜索をすることになる。いよいよ尾形たちは行動を開始、銃と爆薬で占拠すると、TV中継を継続させたまま疑惑の議員を1人ずつ演壇に上げ、汚職を認めさせていく。

74点

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 面白かった。上司の尾形と裏切り者の同僚SPを含む20人くらいのテロリストとたった4人の対決。まったく勝ち目はなさそうに見えるが、1人ずつ拘束して、徐々に議場に迫っていく。その過程が面白く、目が離せなくなる。見せ所も多く、楽しめる。

 ただ、これで完結じゃないじゃん。「ファイナル・エピソード」? 黒幕の伊達も伊達の秘書も捕まっていないし、尾形が井上に当てた手紙の内容は? 証拠隠滅係のバンの男達は? いくつかの謎を残したまま。映画版に続くのか、それともTVの新シリーズが始まるのか。

 銃はSPがP230の日本仕様バージョン、テロリストがP220か226あたり。設定は説得力があるが、スライドの操作がスリング・ショットだったり、銃の構え方がカップ・アンド・ソーサーというのはいただけないなあ。

 あいからわず岡田准一、真木よう子、神尾佑、松尾諭、堤真一の第四係のメンバーは良いし、庶務係のおデブな平田敦子もいい。そして公安の田中一郎役の野間口徹もいい。

 そして今回は公安の係長を演じる春田純一もいい。前回ももちろん良かったが、今回TV版の「革命前日」を見て改めて認識した。「めんどくせえなあ」という態度が抜群。TVのほか映画では「男たちの大和/YAMATO」(2005・日)や「ハチミツとクローバー」(2006・日)、最近だと「旭山動物園物語 ペンギンが空を飛ぶ」(2009・日)や「ロストクライム-閃光-」(2010・日) などに出ている。
 前々から、うさん臭そうな麻田総理大臣を演じて見事だったのは、山本圭。山本亘、山本學の3兄弟の真ん中。叔父が映画監督の山本薩夫。いかにも政治かでいそうだし、説得力があった。古くは山本薩夫作品の「氷点」(1966・日)、そして「不毛地帯」(1976・日)、「皇帝のいない八月」(1978・日)などに出ている。最近では日本が舞台のホラー「シャッター」(Shutter・2008・米)に出ている。ほかに「新幹線大爆破」(1975・日)なども。

 とにかく不気味なのは伊達の秘書を演じた堀部圭亮。コメディからシリアスまで、何をやらせてもうまい。映画出まくり。「ザ・マジックアワー」(2008・日)、「クライマーズ・ハイ」(2008・日)、「伝染歌」(2007・日)、「魍魎の箱」(2007・日)、「姑獲鳥の夏」(2005・日)など話題の作品にはだいたい出ている。。古くはサブ監督の「弾丸ランナー」(1996・日)、「MONDAYマンデイ」(1999・日)では堤真一と共演している。

 監督、脚本も前作と同じ。波多野貴文と金城一紀。アクション監督も大内貴仁。VFXスーパーバイザーもロバート・スコタック、VFXディレクターも山本雅之。ロバート・スコタックは「チャーリー・ウィルソンズ・ウォー」(Charlie Willson's War・2007・米/独)や「X-MEN 2」(X2・2003・加/米)、「タイタニック」(Titanic・1997・米)、「タンク・ガール」(Tank Girl・1995・米)などを手掛けている人。山本雅之は「サマータイムマシン・ブルース」(2005・日)や「交渉人 真下正義」(2005・日)など、本広克行監督作品を手掛けている人で、見事に国会議事堂を爆破している。

 公開2日目の初回、新宿の劇場は全席指定で、震災の影響で金曜が休みとなったので土曜に確保しておいて、30分前くらいに到着。15分前くらいに開場して場内へ。観客層は10代くらいから中高年まで幅広かった。男女比は半々くらい。しかし、さすがに震災の影響だろう、入りは最終的に607席に4割りくらいの入り。

 予告の前にCMで警視庁があったのは、やっぱりというところ。携帯を点けて入ってくるヤツとか、マナーの悪さはいまだに続いている。気になった予告編は……ほとんど同じものばかり。最後の方に「GANZ」の後編の予告が始まった。「パーフェクト・アンサー」とか。ガバメントが出ていたが、通常の武器の人間と戦うのか。

 上下マスクの「」は新予告に。やや内容寄りになってきた。暗い話っぽいがタッチが明るい。期待できるかも。

 上下マスクの「プリンセストヨトミ」も新予告に。SFチックなものかと思っていたら、堤真一が出てきて会計検査院の調査だという始まり。優秀なスタッフ。そして全員が消えたという組織があり、大阪国の代表という男が現れる。うむむ、面白そう。


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