Pirates of the Caribean: On Stranger Tide


2010年5月22日(日)「パイレーツ・オブ・カリビアン−生命の泉−」

PIRATES OF THE CARIBBEAN: ON STRANGER TIDES・2011・米・2時間21分(IMDbでは米版137分)

日本語字幕:手書き風書体下、戸田奈津子/シネスコ・サイズ(デジタル、Red)/ドルビー・デジタル、dts、ドルビー・サラウンド7.1(IMDbではSDDSも)

(米PG-13指定)(2D、3D、IMAX 3D、日本語吹替版、字幕版あり)

公式サイト
http://www.disney.co.jp/pirates/
(音に注意。全国の劇場リストもあり)

スペインの漁師が網にかかった男を陛下のところへ連れて行く。男は200年前にポンセ・デ・レオン号が「生命の泉」を発見した証拠のリングを持っていた。そのころ、ロンドンで処刑されようとしていたブラック・パール号の副官、ギブス(ケヴィン・R・マクナリー)を救出するためジャック・スパロウ(ジョニー・デップ)が潜入。しかし救出に失敗すると捕まって、イギリス国王ジョージII世に「生命の泉」の地図を提出するように命じられる。スペインに先を越されてはならないと。そしてキャプテン・バルボッサ(ジェフリー・ラッシュ)と一緒に行くように命令されるが、からくも脱出。何者かがジャックの名を語って、ブラックパール号の乗組員を集めているという情報を得て、その場所に行ってみる。募集をしていたのは、かつての恋人、女海賊のアンジェリカ(ペネロペ・クルス)で、予言により死ぬと言われた父である海賊黒ひげ(イアン・マクシェーン)を助けるため、「生命の泉」に行かなければならないという。そこで、かつて「生命の泉」にいったことがあるジャックはともに「生命の泉」を目指すことになるが……。

73点

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 冒険に次ぐ、冒険。いかにもハリウッドの娯楽大作という感じ。安心して楽しめる、佳作だと思う。たぶん映画全盛期の連続活劇なんかがこんな感じだったのではないだろうか。しかも奇想天外で、おとぎ話らしい雰囲気も良い。

 ただ、ちょっと長くて途中で意識を失いかけた。そして3D上映で見たのだが、全編3Dで撮影されているものの、特に3Dだからといってどうということはない。何度も書いてきたように、ストーリーや絵そのものを楽しみたいのなら2D(つまり通常の)上映の方が良いと思う。

 今回のクリーチャーで際立っていたのは人魚。足の代わりの尾が素晴らしかった。そして、普段は可愛くきれいなのに、戦闘態勢になるとピラニアみたいになる。実にリアルで秀逸。

 ジャックはジョニー・デップのはまり役。「パブリック・エネミーズ」(Public Enemies・2009・)のようにシリアスな役もやるが、ジャックのようなちょっとコミカルな役の方が向いているのでは。そういう意味ではアンジェリナ・ジョリーと共演した「ツーリスト」(The Tourist・2010・米/仏)も良かった。ただ、個人的に好きなのは「デッドマン」(Dead Man・1995・米/独/日)と「ニック・オブ・タイム」(Nick of Time・1995・米)だったりするが。

 女海賊のアンジェリカはペネロペ・クルス。アート系の小さな作品から、ハリウッドの娯楽大作までいろいろな作品に良く出ている。スペイン時代は「オープン・ユア・アイズ」(Abre los ojos・1997・西/仏/伊)、ハリウッドで「コレリ大尉のマンドリン」(Captain Corelli's Mandolin・2001・英/仏/米)、コミカル・アクション「サハラ死の砂漠を脱出せよ」(Sahara・2005・英/西ほか)、最近「NINE」(Nine・2009・米/伊)に出ていた。

 なかなか悪そうな海賊黒ひげはイアン・マクシェーン。なかなか面白かったファンタジー「光の六つのしるし」(The Seeker: The Dark Is Rising・2007・米)、ジェイソン・ステイサムの「デス・レース」(Death Race・2008・米/独/英)などに出ている。もともと悪役が多い人だが、本作のような歳を取った感じの人ではない。素晴らしいメイク。

 1作目から出ているバルボッサはジェフリー・ラッシュ。やっぱり「シャイン」(Shine・1996・豪)が強烈だった。つい最近オスカー受賞作「英国王のスピーチ」(The King's Speech・2010・英)でキング・ジョージVI世にスピーチを指導するスピーチ・セラピストを演じていた。

 なぜか一緒に行動することになる若いイケメンの宣教師フィリップは、ほとんど活躍しないのだが、結構フィーチャーされている。売り出そうということか。演じていたのはサム・クラフリン。この前にTVムービーに出ていたらしい。果たして売れるか。

 その相手役が人魚シレーナを演じたアストリッド・ベルジェ=フリスベ。スペイン生まれだそうで、父親がフランス系アメリカ人なんだとか。フランスのTVでデビューして、スペイン映画などを経て、本作でハリウッド・デビューということらしい。美人だがはたしてどうか。

 脚本はテッド・エリオットとテリー・ロッシオの2人。ともに第一作から手掛けているオリジナル・スタッフ。製作総指揮も兼ねている。コンビで仕事をしているようで、ディズニー・アニメの「アラジン」(Aladdin・1992・米)やハリウッド版「GODZILLAゴジラ」(Godzilla・1998・米/日)、「スモール・ソルジャーズ」(Small Soldiers・1998・米)、「マスク・オブ・ゾロ」(The Mask of Zorro・1998・米/独)、そしてちょっとシリアスな「デジャヴ」(Deja Vu・2006・)も手掛けている。

 監督はロブ・マーシャル。もともとはブロードウェイで振付師として活躍していた人。ミュージカルの「シカゴ」(Chicago・2002・米/独)や「SAYURI」(Memoirs of a Geisha・2005・米)、「NINE」(Nine・2009・米/伊)の監督だ。どちらかといえばシリアスな作品を作り続けてきた人だ。それがコミカルなアクションの「パイレーツ」シリーズを手掛けるとは。意外だったが、さすが名作をものしてきた監督、うまい。何でも撮れるんだなあ。

 プロデューサーはジェリー・ブラッカイマー。名プロブューサーと言われているが、結構外したものもある。最近手掛けたのは「プリンス・オブ・ペルシャ/時間の砂」(Orince of Persia・2010・)と「魔法使いの弟子」(The Sorcerer's Apprentice・2010・米)だからなあ。むしろTVの方が「CSI」とか「コールドケース」とか良い感じ。

 公開2日目の初回、新宿の劇場は3D字幕上映も2D字幕上映もあったのだが、劇場サイズが大きな3D字幕上映を選んでしまった。差額700円は高いよなあ。座席は金曜日に確保しておいて、35分前くらいに到着。15分前くらいに開場となって場内へ。観客層は若年層から中高年まで幅広く、男女比は6対4くらいで男の方が多かった。朝早いこともあってか、607席に4.5割くらいの入り。まあまあというところか。

 気になった予告編は……市原海老蔵と瑛太が共演する上下マスクの「一命」は「切腹」(1962・日)のリメイクらしい。なかなか面白そうだが、暗い話でもあるようで、3D上映というのも気になる。

 「アイ・アム・ナンバー4」は選ばれた9人の若者が、No.1から殺されていき、次にNo.4になったとき、自分の潜在能力に気付き、残された者たちと力を合わせて戦っていくというようなストーリーらしい。ただ製作があのマイケル・ベイというのが気になる。

 ヒュー・ジャックマンの上下マスク「リアル・スティール」はロボット・ボクシング映画らしい。まだ公式サイトはない模様。面白そう。

 上下マスクの「カーズ2」は、世界各地でレースをする話らしい。もちろん3D上映。


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