I Am Number Four


2010年7月9日(土)「アイ・アム・ナンバー4」

I AM NUMBER FOUR・2011・米・1時間50分(IMDbでは109分)

日本語字幕:手書き風書体下、稲田嵯裕里/ビスタ・サイズ(1.85、Arri)/ドルビー・デジタル、dts、SDDS

(米PG-13指定)(一部デジタル上映もあり)

公式サイト
http://www.movies.co.jp/no4/
(音に注意。全国の劇場リストもあり)

遠く人里離れた山中の小屋で、ムササビのようなモンスターと黒いロング・コートの男達に2人の男が惨殺される。同じ頃、海にいたナンバー4(アレックス・ベティファー)は、自分の足が発光し奇妙なマークがヤケドのように浮かび上がる。そしてナンバー3が死ぬ時の光景が見える。一緒に暮らしている父親代わりの守護戦士ヘンリー(ティモシー・オリファント)から痕跡を消して引っ越さなければならないと言われる。それはあなたが惑星ロリエンがモガドリアンたちに襲われて、命からがら逃げてきた33人の1人で、すでに9人になってしまったが、それもナンバー3までが殺されたという。2人はオハイオ州の小さな町へ行き、ナンバー4はジョン・スミスと名乗り、高校生として生活することになるが……。

74点

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 思っていた以上におもしろかった。ビジュアルの雰囲気が「光の六つのしるし」(The Seeker: The Dark is Rising・2007・米)に似ていたのでファンタジー系かと思ったら、どちらかといえば「トワイライト 初恋」(Twilight・2008・米)に近い青春物語。こちらも女の子は普通の人間だ。

 要素としては、新しいものなどはなく、ほとんどどこかで聞いたようなものばかり。しかも展開もハリウッドの定石どおり。最後にはとんでもないモンスターが出てきて大暴れ。それをやっつけるんだから、スケールが大きくて、痛快。たいていの場合、こうやって作るとB級の臭いがプンプンになるのに、そうなっていない。スターの出ている大作の雰囲気があるのは見事。予定調和なのにちゃんと見せる。

 脚本が良いのか、演出が良いのか、それとも両方か、ありふれたオーソドックスな要素で組み立てているのに面白い。そして、まだ仲間がいるということから、全国をめぐって仲間を集めたり、モガドリアンの追手から逃れたりと、これからどんどん話が展開していきそうな雰囲気。あるいは、TVドラマ・シリーズの第1話、パイロット版のような雰囲気も。これだったら、見てみたい。「スーパーナチュラル」みたいな感じになるのでは? 守護戦士はいなくなったが、守ってくれる普段はビーグル犬のキマイラがいるし、失踪した父を探すUFOオタクの友人もいるし、さらに美人で強いナンバー6もいて、一緒に旅をするのだから何かが起きるだろう。

 使われていた携帯はiPhone、恋人のサラが使っているフィルム・カメラはニコンFとハッセルブラッド、キヤノンのコンパクト。父が失踪した科学オタクのサムが持ち出すのは父のものだというポンプ・ショットガン。そしてナンバー6が乗っているのはスーパー・バイクのドゥカティ848。848は排気量で、日本でのお値段189万円。そして持っている武器はM79グレネード・ランチャーのようだったが……ナイフもなかなか凄いデザインのものが登場する。

 ナンバー4はアレックス・ベティファー。雰囲気がまったく変わってしまったが、少年スパイ・アクションの「アレックス・ライダー」(Stormbreaker・2006・独/米/英)で主演を演じていた男の子だ。5年で驚きの成長を遂げたわけだ。本作のおかげなのか、公開が控えている作品が5本もある。

 守護戦士ヘンリーはティモシー・オリファント。「ヒットマン」(Hitman・2007・仏/米)の主役や「ダイ・ハード4.0」(Live Free or Die Hard・2007・米/英)の犯人グループのボスを演じた人だ。若く見えるので、父親という設定はちときつい。

 美女のナンバー6はテリーサ・パーマー。「呪怨 パンデミック」(The Grudge 2・2006・米/日)に出ていて、その後「ベッドタイム・ストーリー」(Bedtime Stories・2008・米)や「魔法使いの弟子」(The Sorcerer's Apprentice・2010・米)に出た。ちょっと雰囲気が「トワイライト 初恋」(Twilight・2008・米)クリスチャン・スチュワートに似ている。

 原作はピタカス・ロアの人気SFシリーズだそうで、本作はその第1作なんだとか。脚本はアルフレッド・ガフ、マイルズ・ミラーのコンビにマーティ・ノクソンの3人。アルフレッド・ガフ、マイルズ・ミラーは、映画では「リーサル・ウェポン4」(Lethal Weapon 4・1998・米)のストーリー、ジャッキー・チェンの西部劇「シャンハイ・ヌーン」(Shanghai Noon・2000・米/香)や「ショウタイム」(Showtime・2002・米/豪)、「スパイダーマン2」(Spider-Man 2・2004・米)のストーリー、「ハムナプトラ3呪われた皇帝の秘密」(The Mummy: Tomb of the Dragon Emperor・2008・米/中/独)などの脚本を手掛けている。冒険ものに強い感じだが、ボク的には面白かったのは「ショウタイム」だけどなあ……。

 マーティ・ノクソンはTVの人で、日本でも放送され人気だったヴァンパイアTV「バフィ〜恋する十字架〜」(Buffy the Vampire Slayer・1997〜)の製作総指揮・脚本をやった女性。

 監督はD・J・カルーソー。映画プロデューサーから始まり、TVの監督を経て日本劇場未公開の「ソルトン・シー」(The Salton Sea・2002・米)を監督して、ちょっと怖いサスペンス「テイキング・ライブス」(Taking Lives・2004・米/豪)へ。その後スピルバーグの絡みドリームワークスの「裏窓」的な「ディスタービア」(Disturbia・2007・米)と「イーグル・アイ」(Eagle Eye・2008・米/独)はちょっと残念な感じ。主演のシャイア・ラブーフと合わなかったか。たぶん「テイキング・ライブス」的な作品が向いているのではないだろうか。

 プロデューサーの1人が、あのマイケル・ベイ。本作がもう1つの感じがするとしたら、この人のせいかも。この人、いくら映画をヒットさせようとボクにはどうしても知性を感じられない。

 公開2日目の初回、銀座の劇場は全席指定になったので、金曜日に確保。20分前くらいに着いたらすでに開場済み。高校生が主人公の話なのに、ほとんど中高年がメイン。まあこの世代が良く映画を見るということなんだろうけれど。そして男女比は意外にも半々くらい。

 スクリーンはビスタで開いており、アナウンスがあって、10分前くらいから案内の上映。この時点では50人くらい。毎月14日は東宝シネマズデイで1,000円で見られるらしい。

 ナンセンス・ギャグの「紙ロペ」と「鷹の爪」のあとチャイムが鳴って半暗になり、CM・予告編へ。この時点では395席に3.5割りくらいの入り。その後もぞろぞろ入って来たので4割りくらい行ったかもしれない。堂々とケータイをライト代わりに使って、平気でみんなに迷惑を掛けるヤツがいたのにも驚いたが、ボクが座った列にいたオヤジが上映中にメールを受信して、煌々と液晶を灯らせて周りに迷惑をまき散らし、返信を打っていたのには驚きや怒りを超えて、あっけにとられた。いい年をして。身なりはこざっぱりしていたが、馬齢を重ねたんだろうな。1回ならず2〜3回やっていたのでバカなんだろう。

 靴を脱ぐはオヤジだけかと思ったら、ちょっと若い女もやってたし、いつまでもしゃべってるジジ、ババとか、銀座のマナーは最悪。

 気になった予告編は……「アンフェア」がまた映画になるらしい。この予告では内容がわからないが、アクションもあって、猟奇殺人事件らしいが……。

 オリジナル・キャストに近い形でまたシリーズ作品が作られるらしい。上下マスク「ワイルド・スピード メガ・マックス」というなんだかハンバーガーみたいなタイトルの映画は、ヴィン・ディーゼル、ポール・ウォーカー、ジョーダナ・ブリュースターのオリジナル・キャストにザ・ロック(あらためドウェイン・ジョンソン)が加わって、アクション満載の犯罪活劇っぽいものになる模様。

 上下マスクの「デビル」はまたナイト・シャマランで期待はできないと思うが、気を引くテーマであることは確か。しかも監督はシャマランじゃない。でも微妙だなあ。劇場が快適なところで、1,000円だったら……。

 B級テイストたっぷりの「ドライブ・アングリー3D」はニコラス・ケイジ主演で、よくわからなかったが追跡劇らしい。劇場と、3Dというのが残念……。

 絵だけは凄い上下マスクの「トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン」はちょっと長いバージョンでの予告。ホント絵はスゴイわ。

 上下マスクの「リアル・スティール」は「ロッキー」(Rocky・1976・米)のロボット版のような感じなのか。元チャンプがロボットを使って子供のために復活ということなら、「チャンプ」(The Champ1979・米)か。ヒュー・ジャックマンか。ロボットに漢字が書かれてるし。見たい。12/9ってだいぶ先だな。


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