DOGxPOLICE


2010年10月2日(日)「DOGxPOLICE 純白の絆」

2011・日本テレビ放送網/東宝/読売テレビ放送/バップ/D.N.ドリームパートナーズ/ツインズジャパン/STV/MMT/SDT/CTV/HTV/FBS・1時間44分

ビスタ・サイズ/ドルビー・デジタル



公式サイト
http://www.dogpolice-movie.com/
(音に注意。全国の劇場リストもあり)

警視庁の刑事を志す若き警察官、早川勇作(市原隼人)は、正義感と情熱から先走り、実績は上げているが協調性に欠けていた。ある日ショッピング・モールの爆破事件でやじ馬の整理に当たっていた早川は、やじ馬の中に怪しい人物を見かけ追跡、たまたま通りかかった自転車の男(きたろう)にぶつかり倒してしまう。その男は医師で、お産に間に合わないというので、早川が自転車に載せて送り届けるが、お産は犬。3匹は無事生まれるものの、最後の1匹が産道に引っ掛かり切開で取り出すが息をしていなかった。しかもアルビノで、ほかの犬より体力も弱く、寿命も短いということで、運命だと医師らは諦めるが、早川は諦めず、声をかけてマッサージを続ける。と、奇跡的にその子犬は息を吹き返す。数年後、早川は辞令により警視庁警備部警備二課装備第四係に配属される。そこは通称「イヌ屋」と呼ばれている30年間出動実績のない警備犬とハンドラーの部隊だった。刑事を志望する早川は腐るが、教育係に新人の女性警官・水野夏希(戸田恵梨香)、バディにかつて自分が助けたアルビノのシロをあてられる。

72点

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 警備犬と警察犬は違うんだそうで、警察犬は事件が起きてから出動するが、警備犬は事件を未然に防ぐために出動するとか(公式サイトに詳しい)。そんな警備犬とハンドラーが所属する警視庁警備部警備二課装備第四係の活躍を描く。主人公の成長の物語であり、恋も挫折もある青春ストーリーで、犬と人間の絆を描き、そして爆弾魔との戦いも描く。結構欲張りな感じでもあるが、104分によくまとめられており、楽しめる。

 ただ、さすがに展開はちょっと強引というか粗削りな感じで、ドラマも未完成というか、悪く言うとリハーサル的というか、突き詰め度が足りないような……。平均台のようなところから落ちるシーンも、なんだか不自然で、あれでOKなのかと。しかも前半から力が入りすぎのような感じもあって、もっと自然な感じから徐々に力を入れていって欲しいという感じで、乗り切れない。もちろん感動的な話で、うるっと来るんだけど。

 爆弾魔のくだりの雰囲気は、なんだか既視感があって、「スピード」(Speed・1994・米)あたりだろうか。地下鉄に逃げるし。犬と人の絆や、普段陽の当たらない部署が活躍して見返すというのも、よく聞くような話。

 それと、アウトレット・モールから爆弾を発見して持ち出し、首尾よく処理容器の中で爆発させるまでは良いのだが、そのあとすぐ犯人を追って行くとたくさんの客でにぎわっている。すぐ横で爆弾が爆発して大音響と煙が上がっているというのに、なぜ逃げていないんだろう。それなのに、鉄砲を1発撃つとクモの子を散らすように逃げていく。こういうことが見ている時に気になると、感情移入しにくくなる。ラストのパン(ティルト)アップも本当は青空に行って、そこからパンダウンしたかったのではないだろうか。でも天気は曇だった。きっとハリウッドだったら合成で青空にしちゃうんだろうなと、余計なことまで考えてしまった。

 早川勇作を演じたのは市原隼人。最近「猿ロックTHE MOVIE」(2010・日)や「ボックマス!」(2010・日)、そして本作と映画に出まくり。すべてを見た分けではないが、ボクは「神様のパズル」(2008・日)のころの演技のほうが自然で力みもなく良い気がする。

 最初から呼び捨てにされる教育係の水野夏希は戸田恵梨香。つい最近「アンダルシア 女神の報復」(2011・日)に前作に続いて出ていた。TVをメインに大活躍だが、やはり出始めた頃の「DEATH NOTEデスノート」(2006・米)から良かった。本作はちょっと違和感が。

 第四課の係長、向井は時任三郎。どうしてもTV「ふぞろいの林檎たち」(1983)のイメージが強いが、年齢的に今やこういう役がぴったりの感じ。コメディにも出ているし、香港映画も2本ほど出ている。ボクが最近見たのはシリーズ最新作「THE LAST MESSAGE海猿」(2010・日)。

 ブリーフ一丁で不気味な犯人を演じたのは若葉竜也。特殊メイクでヤケドあとのような傷を作り不気味さをましている。最近では「GANTZ」(2010・日)や「雷桜」(2010・日)に出ていたらしい。

 原案は「海猿」や「252生存者あり」などで知られる小森陽一。それを脚本にしたのは大石哲也。映画では「DEATH NOTEデスノート」や「エクスクロス魔境伝説」(2007・日)、「MW-ムウ-」(2009・日)や「彼岸島」(2009・日)などを書いている。TVでは最近「ドン★キホーテ」(2011)を書いている。

 監督は七高剛。「踊る大捜査線」の本広克行監督、「海猿」の羽住英一郎監督などの助監督を務めたそうで、確かにどこかに似た雰囲気があるような。TVでは「猿ロック」(2009)などを手掛けている。劇場作品「LONG CARAVAN」(2009・日)が評価されて本作に至るらしい。

 警察官の銃としてはチーフの3インチかニュー・ナンブ。特殊部隊のSATはMP5。ガン・エフェクトはビッグショットの納富貴久男。

 公開2日目の初回、新宿の劇場は全席指定で、金曜に確保。30分前くらいに着いてコーヒーをリンでいたら、人が少ない。10/1の映画の日の反動だろうか。昨日は相当混んだのだろう。ロビーのイスにも余裕で座れた。

 15分前くらいに開場になって、場内へ。客層は20代くらいから中高年まで幅広く、わりと平均しているよう。男女比も半々くらい。暗くなってからも入ってくるヤツが多かったのではっきりとはわからないが、157席に60人くらいいたか。

 気になった予告編は……「怪物くん」は完全な子供向けのようで、3D上映となるらしい。

 上下マスクの「ステキな金縛り」は、落ち武者の幽霊を証人として法廷に出すというお話のよう。面白そう。オール・スター状態というのがちょっと気になるが……。

 上下マスクの「カイジ2」は内容がわかる新予告。騙しあいのゲームのような感じだが、ちょっと重い雰囲気も漂う。はたして、どうなのか。


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