Underworld: Awakening


2012年2月26日(日)「アンダーワールド 覚醒」

UNDERWORLD: AWAKENING・2012・米・1時間28分

日本語字幕:細丸ゴシック体下、風間綾平/ビスタ・サイズ(I-MAX 3D版、他は2.35、デジタルRAW)/ドルビーデジタル、DATASAT、SDDS

(米R指定、日R15+指定)(3D上映もあり)

公式サイト
http://www.underworld-kakusei.jp/
(入ったら音に注意。全国の劇場リストもあり)

ライカンやヴァンパイアの感染者が増えたため、人類は種族の浄化と粛正を行うため、大規模なライカンとヴァンパイア狩りを始める。ライカンとヴァンパイアの混血種であるマイケル(スコット・スピードマン)と、ヴァンパイアの処刑人セリーン(ケイト・ベッキンセイル)は2人で海に飛び込むが、グレネードを投げ込まれ気を失い捕まってしまう。12年後、セリーンが気付くと、ガラス・チューブの中で、「サブジェクト2が逃げた」と騒いでいる声が聞こえてくる。セリーヌはチューブを出ると武器を奪い、アンティジェン社から脱出する。すると若いヴァンパイアのデビッド(テオ・ジェームズ)が声を掛けてくる。しかし追手がかかり、共に逃げるうち他のビジョンが見え、マイケルではないかとそれを追うと、そこにイヴ(インディア・アイズリー)と名乗る少女がいる。彼女こそがサブジェクト2だった。

73点

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 シリーズ第4作目。ただし第3作は「ビギニング=前日譚」で話が最初に戻ったので、続きという意味では第2作の「アンダーワールド:エボルーション」(Underworld: Evolition・2006・米)の続編にあたる。狼男と吸血鬼と人類の戦い。とんでもない奇想天外な話だが、大人の目から見てもちゃんとドラマとして成立させ、はらはらドキドキさせるところがリッパ。まあ、とにかく戦いがスゴイ。それでいて、主役は女性なのだ。

 よくもこういう話を考えるものだと思うが、だんだん話は「バイオハザード」(Resident Evil・2002・英/独/仏)シリーズ風になってきたような感じがする。ケイト・ベッキンセイルがミラ・ジョヴォヴィッチに似てきたのか、ミラがケイトに似てきたのか。どちらも混血の血が狙われている。太っとい試験官みたいなものの中に入れられて、実験対象にされている。ゾンビではないがライカンが襲ってくる。そして卑劣な人間達からも逃げなければならない。うむむ。やっぱりシリーズ第1作めがオリジナリティがあって、ピュアで面白いということか。

 吸血鬼で処刑人のセリーンはケイト・ベッキンセイル。「ブロークダウン・パレス」(Brokedown Palace・1999・米)では友達を裏切る役で印象が良くなかったが、ラブ・ストーリーの「セレンディピティ」(Serendipity・2001・米)は非常に良かった。しかし最近ではホラー・アクションの本シリーズ以外出ていないような印象。ホラーの「モーテル」(Vacanvy・2007・米)は良かったものの、ミステリー・サスペンスの「ホワイトアウト」(Whiteout・2009・米/加/仏)は、限定公開でいまひとつメジャーじゃなかった。40代に入って、そろそろハード・アクションは辛いかも。

 セリーンはいろんな銃をフルオートの2挺拳銃で使うが、スタビライザーのようなものが付けられているので、オリジナルの形がわかりにくい。どうやら、フルオート化したM92に、STIが販売しているチェコの銃をリネームしたGP6などのよう。黒いフレームにシルバーのスライド。

 怪しげな科学者レーン博士はスティーヴン・レイ。なんだか最近はB級作品への出演が多いような印象。一番衝撃的だったのは「クライング・ゲーム」(The Crying Game・1992・英/日)だろう。最近は日本劇場未公開作が多く、最後に見たのはホラーのイナゴ少女「リーピング」(The Reaping・2007・米)だったろうか。

 セリーンの娘らしい美少女イヴはインディア・アイズリー。幼く見えるが18歳。劇場映画の出演は、「脳内監禁(未)」(Headspace・2005・米)に続いて2作目。どこかで見たような顔立ちだなあと思ったら、なんと、あの「ロミオとジュリエット」(Romeo and Juliet・1968・英/伊)のオリヴィア・ハッセーの娘さんだそうで、「脳内監禁(未)」はオリヴィア・ハッセーの出演作とか。

 セリーンに手を貸す刑事は.410口径のリボルバー、タウルス・ジャッジを仕様。クライマックスではグレネード・ランチャーまで持ち出してくる。研究所のガードマンはSTIのGP6にスタビライザーなどで延長したものを使っているほか、MP5やAUGも装備。人間の軍というか特殊部隊は、なぜか中国のブルパップ87式アサルト・ライフルを使用。地下に隠れているヴァンパイアを襲うライカンはベレッタM12なども使っていた。

 武器係はIMDbではライアン・スティーシー。TV版の映画リメイク「特攻野郎AチームTHE MOVIE」(The A-Team・2010・米)や「エンジェル・ウォーズ」(Sucker Punch・2011・米/加)など、派手な銃撃戦を手掛けている。本作も納得というところ。

 脚本はオリジナルの第1作、第2作、「ダイ・ハード4.0」(Live Free or Die Hard・2007・米/英)を手掛けた、ケイト・ベッキンセイルの夫のレン・ワイズマン。そしてアメリカの人気刑事ドラマ「ザ・シールド 〜ルール無用の警察バッジ〜」(The Shield・2002〜2008・米)などを手掛けた人。長編劇場映画は初めてのよう。J・マイケル・ストラジンスキーは残念な「マイティ・ソー」(Thor・2011・米)ストーリーを担当した人だが、イーストウッドの「チェンジリング」(Changeling・2008・米)も書いているので実力的にはすごいのかも。アリソン・バーネットはあまり評判の芳しくなかったリチャード・ギアとウィノナ・ライダーのラブ・ストーリー「オータム・イン・ニューヨーク」(Autmn in New York・2000・米)や、ダイアン・レーンのインターネット犯罪を描いた「ブラックサイト」(Untraceable・2008・米)などを書いた人。

 監督は2人で、ともにスウェーデン生れのモンス・モーリンド(マンス・マーリンド)とビョルン・スタイン(ビヨルン・ステイン)。コンビで作品作りをしているようで、スウェーデンのTVから多重人格ホラー「シェルター」(Shelter・2010・米)で劇場映画およびハリウッド・デビュー。アクションもいけることを証明した。

 公開2日目の初回、45分前くらいに着いたら新宿の劇場は窓口は開いていた。それで前売り券を出して3D差額の400円を払って眼鏡をもらい、劇場前へ。まだ誰もおらず、25分前くらいに上の入口が開き、階下へ。この時点でオヤジが3〜4人。15分前くらいで11〜12人ほどになり、ほぼ中高年。女性は3人。

 前席が邪魔になるゆるい傾斜、低いスクリーンの劇場での3D上映で不安だったが、最終的に588席に35〜40人くらいの入りだったので、ストレスを感じずに余裕で見ることができた。ただ、節電のためか場内が暗く、待っている間に本も読めない感じ。始まる前に一瞬明るくなったが、すぐに暗くなった。そして、場内が少し寒かった。節電ねえ……。古い劇場で、スクリーンも暗めだし……。

 ほぼ暗くなって始まった予告編で気になったのは……つんくプロデュースの「篤姫ナンバー1」は篤姫がタイムスリップしてホステスのナンバー1を目指すという話らしい。でもイタイ感じが……。とにかく速くタイトルを出せ。4/7公開。

 セックス中毒を描くというマイケル・ファスビンダーの「SHAME-シェイム-」は、タイトルの通り、見ているこちらが恥ずかしくなってくる予告。どうなんだろう。R18+指定の18禁だ。挑発的な衝撃作というが、エロってだけじゃないの。

 3D眼鏡をおかけください、と出てから「スター・ウォーズ3D」の予告。もともと3Dって撮っていないものを3Dにしたところで、たいして立体効果はない。奥行き感がちょっと着いただけ。でもファンにはたまらないんだろう。日本語吹替の予告。3/16公開。

 スクリーンが左右に広がって「アメイジング・スパイダーマン3D」の予告。いくら3Dとはいえ、なぜリメイクするのか、まったく理解できない。立体感はそこそこだが、ずっと見てると酔いそう。6/30公開。

 左右マスクで「MIB3」は3D上映。でも立体感は少なく、一番飛び出ているのが字幕というのはちょっと……。でも内容は面白そう。5/25公開。

 ただ、通路のLEDライトは消えないので、ちょっとじゃま。気になった。


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