The Muppets


2012年5月20日(日)「ザ・マペッツ」

THE MUPPETS・2011・米・1時間42分(IMDbでは米版103分、英版109分)

日本語字幕:手書き風書体下、/ビスタ・サイズ(デジタル、OTTO、Red Epic、 Red One)/ドルビー・デジタル、DATASAT(IMDbではドルビー・デジタル、DATASAT、SDDS)


公式サイト
http://www.disney.co.jp/movies/muppets/
(音に注意、全国の劇場リストもあり、情報少)

人口わずか100人ほどの小さな田舎町スモールタウンで、人間のゲイリー(ジェイソン・シーゲル)と兄弟として育ったマペットのウォルター(声:ピーター・リンツ)は、「マペット・ショー」の大ファンで、ゲイリーが成長して大人になっても子供の身長のままだった。そして、ゲイリーと恋人のメアリー(エイミー・アダムス)の休暇旅行に同行し、夢だったハリウッドのマペット・スタジオを訪れるチャンスを得る。ところが、スタジオは没落し廃虚のようになり、劇場も閉鎖。しかも経営者のカーミット(声:スティーヴ・ホイットミア)は石油王のリッチマン(クリス・クーパー)と契約し、期限までに1,000万ドルを返さなければスタジオとマペット・ショーの名前も譲渡することになっていた。リッチマンは表向きはマペット博物館を作るといっていたが、実際には建物を取り払い、地下に眠る石油を掘り出すのが目的だった。それを知ったウォルターはカーミットを探し出し、再びショーをやって資金を稼ぎスタジオを守ろうと説得する。

71点

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 これはTV番組の「マペット・ショー」(米/英、1976〜1981年=120話、日本はテレビ朝日系1981年のみ15話・英)の映画版、最新作という感じ。映画版は過去に「マペットの夢見るハリウッド(未)」(The Muppet Movie・1979・英/米)など何本かつくられているが、いずれも日本公開されていないようだ。そのため、正直、なじみがない。IMDbでは7.5点という高評価だが、たぶん懐かしさに訴えてのことだろうが、日本ではそもそも懐かしさが希薄。ジム・ヘンソンの死後、息子のブライアン・ヘンソンが作ったTV番組「マペット放送局」(Muppets Tonight・1996・英/米、全22話、日本はNHK教育1997〜1998年)もあるが、視聴率はどうだったのか。「セサミストリート」(1969〜・米)なら親しみがあるんだけど……。これが一部の人以外の日本でのハンデ。

 一言でいうと、ミュージカル・コメディの人形劇+実写。かなり笑えて楽しいが、下品で行き過ぎのものもあり、ちょっと引くところも。ハリウッド映画らしく、エンターテインメントとしての盛り上げは実にうまい。通りを埋め尽くす群衆には思わず涙が出そうになる。しかし、ストーリー展開は強引で、結構いい加減。こんなにうまく行くか?と見ていて思ってしまう。

 見どころは、デジタルによってマペットの全身が写るカットあったり、実景の中のロケでマペットが踊ったりするところと、「マペット・ショー」らしい豪華なカメオ出演ゲスト。ミッキー・ルーニー、アラン・アーキン、ウーピー・ゴールドバーグ、ジャック・ブラックなどなど。歌は「レインボー・コネクション」と「マナマナ」が良かったなあ。

 生身の人間として登場するゲイリーはジェイソン・シーゲル。日本ではほとんどなじみがないが、「寝取られ男のラブ♂バカンス」(Forgetting Sarah Marshall・2008・米)の主演の人らしい。「ガリバー旅行記」(Gulliver's Travels・2010・米)にも出ていたらしいが記憶にない。うまい人なのかどうかも良くわからない。

 恋人のメアリーはエイミー・アダムス。なんと言っても「魔法にかけられて」(Enchanted・2007・米)が抜群に良かったが、そのイメージで本作ということだろう。「サンシャイン・クリーニング」(Sunshine Cleaning・2008・米)や「ザ・ファイター」(The Fighter・2010・米)では生活感のある役だったが。それぞれに雰囲気がまるで違い、うまい人なんだろうなと。公開を控えている作品が5本もある。

 驚いたのはリッチマンのクリス・クーパー。こわもての人で、まさかこういう映画に出るとは。深く印象に残ったのは「遠い空の向こうに」(October Sky・1999・米)の怖い父親役だろう。スパイ・アクションの「ボーン・アンデンティティ」(The Bourne Identity・2002・米/独/チェコ)でも怖いエージェントを演じていたし、「アメリカを売った男」(Breach・2007・米)も怖い捜査官だった。

 脚本は主演のジェイソン・シーゲルとニコラス・ストーラー。ニコラス・ストーラーは監督でもあり、「寝取られ男のラブ♂バカンス」を監督している。脚本ではなかなか面白かったリメイク「ディック&ジェーン 復讐は最高!」(Fun with Diuck and Jane・2005・米)が映画デビュー作。ほかに同じジム・キャリーの「イエスマン“YES”は人生のパスワード」(Yes Man・2008・)や、残念な「ガリバー旅行記」も書いている。うまいんだか、どうなんだか。

 監督はジェームズ・ボビン。もともとはTVの人で、劇場長編映画は初めての模様。うまいのかどうか、よくわからない。

 公開2日目の初回、ムビチケで深夜0時過ぎにインターネット予約で座席を確保し、40分前くらいに着いたら、劇場がまだ空いていなかった。スタバに行って時間をつぶし、15分前くらいに戻ったらまだ開いていない。10分前になってようやく係員が出てきて整列の案内。右がインターネット予約、左が当日券の入口だと。もうちょっと早く開けても良いのではないだろうか。ドリンクやフードを買う余裕がないではないか。まあ、買わないけど。

 最終的には108席に14〜15人。小学生くらいの男の子を連れたお母さんもいたが、若い人がメインで、中高年が少し。男女比は半々くらい。まあ、日本では「マペット・ショー」は知られていないと。

 明るいままで始まったNEWSでは、以前たしか「リンカーン・アヴァンパイア・ハンター」と言っていた「リンカン/秘密の書」は、絵付きの予告。すごいアクションものといった感じで、リンカーンのイメージは全くなし。一体どんな映画になるのだろう。またまた3D。明るくて良く見えなかったが、監督は「ナイト・ウォッチ」(Nichnoi Dozor・2004・露)のティムール・ベクマンベドフ。11/1公開。

 ダニー・デ・ビート、ザック・エフロンが声を担当したという「ロラックスおじさんの秘密の種」は、キャストのビデオ映像のみで、実際の絵もなく内容の不明。ドクター・スースの話らしい。

 半暗になって「踊る大捜査線THE FINAL新たなる希望」は織田裕二1人の語り予告。このシリーズは「スター・ウォーズ」かというタイトルだが、楽しみは楽しみ。いろいろゴタゴタが流れてしまって興ざめはあるが、とにかくファイナル。見るしかない。TVの特番もあるらしい。9/7公開。

 高倉健の新作「あなたへ」はロード・ムービーらしいが、予告からは何もわからなかった。タイトルも覚えられないほどの内容で良いのか。何と健さん80歳とか。8/25公開。

 アニメの「おおかもこどもの雨と雪」は細田守監督作品。なんだか設定だけで泣けそうな雰囲気。前売りはストラップが付くそうで、ちょっと良い感じ。7/21公開。

 上下マスクの「スノーホワイト」は新予告に。アクション満載で面白そう。「白雪姫と鏡の女王」と真っ向勝負か。女王役もシャーリーズ・セロンとジュリア・ロバーツがタイマンを張る。楽しみ。6/15公開。

 とにかく予告上映の時、明るすぎる。よく見えない。いつからこんな事になったのだろう。予告編の上映って、クライアントからお金を取っているのではないのだろうか。もしそうだとしたら問題だと思う。そして、タイトルを早く出せ。ラストの一瞬だけじゃあ、覚えられないし印象に残らない。この一瞬でタイトルと、公開日と、URLと、特典と……覚えられるわけがない。

 予告も大事な上映なのだから、ケータイを付けるな、おしゃべりをやめろ。上映する方も、見る方も、予告を舐め過ぎ。


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