Men in Black III


2012年5月26日(土)「メン・イン・ブラック3」

MEN IN BLACK III・2012・米・1時間43分

日本語字幕:丸ゴシック体下、戸田奈津子/ビスタ・サイズ(Arri、Super 35)/ドルビー・デジタル、DATASAT、SDDS

(米PG-13指定)(3D上映、日本語吹替上映、IMAX版もあり)

公式サイト
http://mib-3.com/
(音に注意、情報少ない。全国の劇場リストもあり)

月にあるルナコックス銀河系刑務所から凶悪な片腕の宇宙人アニマル・ボリス(ジェマイン・クレメント)が脱獄し、復讐のため地球へ向かう。そのころ、MIBのエージェントZが亡くなり、新しいチーフとして女性のO(オー、エマ・トンプソン)が就任。そして中華レストランでボリスに惨殺されたと思われる宇宙人の死体が発見される。実はエージェントK(トミー・リー・ジョーンズ)がボリスの腕を撃ち、刑務所に入れたのだった。エージェントKの様子がおかしいことに気付いたエージェントJ(ウィル・スミス)は事件のことを調べるが、機密扱いでアクセスできない。Kの家を訪ねていくと、別の人物が住んでいる。さらにMIBでは誰もKの事を知らず、Oから40年前に死んだと言われる。ルナコックス銀河系刑務所ではタイムトラベルして捕まった囚人のオバタイアが殺されていたことから、Jは地球に住むオバタイアの息子ジェフリーの店に行き問い詰めると、ボリスをタイムトラベルさせたと白状する。換えられた過去を正すためJもタイムジャンプすることにするが……。

74点

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 何と、「2」より10年後の再リメイク。にもかかわらず、オリジナルの味を損なうことなく、雰囲気そのままで面白い。ファンの期待を裏切ることはない。しかも、前2作よりも物語に重点が置かれているようで、ラストの衝撃事実は感動的。

 さすがに1946年生れのトミー・リー・ジョーンズは70歳に近いので老けたなあという感じだが、ウィル・スミスは1968年生れなので44歳。まだまだバリバリで、ほとんど「1」や「2」のイメージそのまま。あんまり歳を取っていないような。これこそ驚き。

 もちろん特殊効果、SFXは素晴らしい。ボリスはとてつもなく凶悪だし、「ワンダー3」みたいな全輪車は本当にありそうだし、宇宙銃もリアル(?)。格好いいデザインだし、ニューラライザーなんか微妙にアップグレードしている感じ。ただ、3D上映はどうなんだろう。銃撃戦とかアクション・シーンは立体的だったが、あとはほとんど2Dの感じ。立体感が感じられたのは全体の1/5もあったかどうか。あったところはスゴかったけど……。

 クリーチャーは不気味で独創的で、怖くて、愉快で、前回から続いていて良い感じ。「2」で活躍したパグは写真で登場するが。そしてレディ・ガガとプロ・バスケのヤオ・ミンも宇宙人に入っているのが笑わせてくれる。よく見ると、もっといろんな人が入っていたのではないだろうか。リック・ベイカーの名前をクレジットの中に見つけたが、IMDbにはエイリアン役の役者としてしか表記がなかった。

 1969年にタイムジャンプしたとき出てくる銃はノーマルな銃で、たぶんチーフスペシャルだったと思うが、サムピースが1997年に変わったと言われる新型になっていた気がする。これは残念。

 エージェントJはウィル・スミス。役者としては「7つの贈り物」(Seven Pounds・2008・米)以降、しばらくお休みして息子の「ベスト・キッド」(The Karate Kid・2010・米/中)や残念なスパイ・コメディ「BLACK & WHITE/ブラック&ホワイト」(This Means War・2012・米)のプロデューサーをやっていた模様。このあと自身のプロデュースによる続編「アイ・アム・レジェンド2」「ハンコック2」「カラテ・キッド2」が続く模様。うーん、ちょっと辛いかなあ。

 エージェントKはトミー・リー・ジョーンズ。というより、日本では宇宙人ジョーンズとしての方が有名なのではないだろうか。あのCMシリーズは秀逸。本作はハマり役。無口なところはピッタリだろう。とにかくすごかったのは「ローリング・サンダー」(Rolling Thunder・1977・米)で、「ノーカントリー」(No Country for Old Men・2007・米)は似た雰囲気があって強烈に印象に残った。「追跡者」(U.S. Marshals・1998・米)もカッコ良かったなあ。本作の前は「キャプテン・アメリカ ザ・ファースト・アベンジャー」(Captain America: The First Avenger・2011・米)に出ていた。

 若き日のエージェントKはジョシュ・ブローリン。注目したのは「透明人間」のリメイク「インビジブル」(Hollow Man・2000・米/独)から。良い人そうな感じが良い。「ノーカントリー」でトミー・リー・ジョーンズと共演している。つい最近リメイク西部劇「トゥルー・グリッド」(True Grit・2010・米)で犯人役をやっていた。驚いたのは、トミー・リー・ジョーンズをよく研究したそうで、しゃべり方がそっくりだった。さすが役者。スゴイ。

 エージェントOはアカデミー賞女優のエマ・トンプソン。最近は「ハリー・ポッター」のシビル先生というイメージが強いが、「ナニー・マクフィーの魔法のステッキ」(Nanny McPhee・2005・米/英/仏)シリーズでは主演のほか脚本も担当。「アイ・アム・レジェンド」(I Am Legend・2007・米)でウィル・スミスと共演している。

 片腕宇宙人のモンスター、ボリスはジェマイン・クレメント。TVの人で、ほとんど素顔がわからないが、わかっても出演映画のほとんどが日本劇場未公開なので、たぶん誰も知らないのでは。でも怖い演技派はなかなかで、今後が楽しみかも。

 脚本はイータン・コーエン。面白かった映画製作コメディ「トロピック・サンダー/史上最低の作戦」(Tropic Thunder・2008・米/英/独)の脚本をベン・スティラーらと書いている。ほかにもコメディ・アニメの脚本を書いている。次の作品が気になるところ。

 監督はバリー・ソネンフェルド。シリーズ全作を手掛ける。もともとは撮影監督で、コーエン兄弟の作品を担当していた。ホラー・コメディ「アダムス・ファミリー」(The Addams Family・1991・米)から監督に。ブラック・コメディの「ゲット・ショーティ」(Get Shorty・1995・米)も撮っているが、ウィル・スミス主演の残念なSFウエスタン・コメディ「ワイルド・ワイルド・ウエスト」(Wild Wild West・1999・米)も撮っている。2000年代に入ってからは製作や製作総指揮が多く、本作は久々の監督作品。

 ロケット打ち上げ場の警備が持っているのは、M16A1か。警備責任者らしい黒人の大佐が持っていたのはガバメント。腕時計はハミルトン。

 公開2日目の初回、新宿の劇場は全席指定で、金曜に確保。当日30分前くらいに着いて、持ち込み禁止なので入口付近でコーヒーを飲んでからロビーへ。10分前くらいに開場になって、場内へ。新しいデザインの3Dめがねを渡される。これはフラットで、目の下に大きなすき間ができて、いまひとつ心地よくない。

 最終的には607席に2.5〜3割くらいの入り。若い人から中高年までいたが、意外と若い人が多い。男女比は4対6くらいで女性の方が多かった。意味不明な「ごはんかいじゅう」とかマヨネーズCM、下品なマナー広告に続いて、行ってみたくなるアメリカの観光CM。カッコいい。

 気になった予告編は……原作:高村薫、監督:筒井和幸、主演:妻夫木聡という「黄金を抱いて翔べ」は、内容はわからないが240億円の金塊強奪の話らしい。11月公開。

 シリーズ15周年という「スターシップ・トゥルーパーズ インベイジョン」最新作は、ついにアニメになるらしい。それも日本風のCGアニメ。回を重ねるごとに惨い結果になっているシリーズだけに、酷いことにならなければいいがと祈るばかり。なんかゲームのデモ・ムービーみたいな印象。前売り特典のキー・ホルダーは欲しいかな。7/21公開。

 姉妹がいて、妹の代わりに姉が命をかけるゲームに参加するらしいSFアクション「ハンガーゲーム」はなかなかおもしろそう。ただ、よくある人間狩り的サバイバルゲームみたいな設定は、いまさらという気もするが……。9/28公開。

 上下マスクの「トータル・リコール」は日本語ナレーションでの予告。とにかくカッコいい絵の連続。とくに無重力になって浮きながらサブマシンガンを発射して体が後退するのがいい。見たい。8/10公開。

 上下マスク「スノーホワイト」は長いバージョンでの予告。不気味なクリーチャー、スゴイ絵、悪役のシャーリーズ・セロンなど、見どころ満載。6/15公開。

 3Dで上下マスクの「アメイジング・スパイダーマン」は暗くしてからやって欲しかった。3Dはメガネを掛けるとそれだけで暗くなってしまうのだから。内容的にはたぶん新予告。6/30公開。


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