The Avengers


2012年8月18日(土)「アベンジャーズ」

THE AVENGERS・2012・米・2時間24分(IMDbでは143分)

日本語字幕:手描き風書体下、松崎広幸/ビスタ・サイズ(Arri、Pana)/ドルビー・デジタル7.1、DATASAT

(米PG-13指定)(3D上映、日本語吹替版、IMAX版もあり)

公式サイト
http://www.marvel-japan.com/movies/avengers/home.html
(音に注意。全国の劇場リストはあり)

シールドの研究施設から、実験中の謎のエネルギー体テッセラクト(キューブ)が、ソー(クリス・ヘムズワース)の弟ロキ(トム・ヒドルストン)とその軍団によって強奪される。そして研究中だったエリック・セルヴィグ博士(ステラン・スカルスガルド)と、警戒に当たっていたホークアイ(ジェレミー・レナー)は洗脳され、手下にされて連れ去られる。実は、そのキューブは異次元との間の入口を開けるパワーを持っていたのだった。ロキは異次元の何者かと手を組み、キューブを使って大きな入口を開け、異次元の軍団を招き入れ、宇宙を渡す代わり世界を手に入れようとしていたのだった。緊急事態に、シールドの長官ニック・フューリー(サミュエル・L・ジャクソン)は、密かに監視下にあったヒーローたちを集めるが、みな個人主義で、力を合わせて戦おうとしないのだった。

72点

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 うーむ、これが「日本よ、これが映画だ」という映画か。IMDbでは8.6という考えられない高得点。世界各国でオープニング記録を作っているのだとか。しかし、ボクに言わせると…… 余計なことを言って自らハードルをあげてしまったということもあるだろうが、コミックのファンでないとこれはノレないかも。結構退屈で、長い。ラストの戦いの中でちょっとだけ感動されられるところがあるだけ。多くのヒーローが集まって力を合わせて地球を救う話と言うから「七人の侍」(1954・日)のような話を想像していたら、映画のほとんどは仲間割れ、身内の喧嘩ばかり。ヒーローの集まりじゃなくて、○△□×の集まりなんじゃないの? 見るべき所はSFXのみ。あとは最初の美女のエージェントと、スカーレット・ヨハンソンくらいか。逆に聞きたい「これで映画か」。

 だいたい敵はソーの敵じゃん。ソーの世界で解決しろよ。しかも兄弟だし。迷惑な兄弟ゲンカだ。もっと宇宙とか異次元から来た正体不明の侵略者とかにしてもらわないと(陰にはいることになっているようだが)、どうにもローカルな感じがしてしまう。戦闘シーンなど、こりゃ、まさにマンガというかアニメだ。実写ベースだがCGで作っているし。

 ヒーローはもちろん、ほとんどは単品作品で出ていた人たち。ソー(クリス・ヘムズワース)と弟ロキ(トム・ヒドルストン)、その事件に巻き込まれたエリック・セルヴィグ博士(ステラン・スカルスガルド)。キャプテン・アメリカ(クリス・エヴァンス)に、アイアンマン(ロバート・ダウニー・Jr)とペッパー・ポッツ(グウィスネ・パルトロー)、ブラック・ウィドー(スカーレット・ヨハンソン、役名はナタリー・ラッシュマンだったが)。演者が代わってしまったが、ハルクのブルース・バナー(マーク・ラファロ)。ハルクはアン・リー版「ハルク」(Hulk・2003・米)ではエリック・バナが、ルイ・レテリエ版「インクレディブル・ハルク」(The Incredible Hulk・2008・米)(これにアイアンマンはチラリと出ている)ではエドワード・ノートンが演じていたキャラ。ここが残念。

 シールドの長官ニック・フューリー(サミュエル・L・ジャクソン)とエージェント・フィル・コールソン(クラーク・グレッグ)、アーチェリーのエイジェント、ホークアイ(ジェレー・レナー)も続投。新しいキャラクーというと、女性エージェントのマリア・ヒル(コビー・スマルダーズ)か。

 そのマリア・ヒルを演じたコビー・スマルダーズはモデル出身で、TVの「Lの世界」や「ママと恋に落ちるまで」がメインで、映画もこれまでに数本出ている模様。本作を見る限り、アクションもどうにかこなせるよう。今後に期待したい。

 登場した銃は、ブラック・ウィドーが使っていたのはグロックのコンパクト。ニック・フューリーが珍しいS&WのM&P。NYPDはグロック。研究所の護衛はMP5とM4、軍は主にM4など。

 脚本は監督も兼ねるジョス・ウェドン。その後TVシリーズにもなった快作「バッフィ/ザ・バンパイア・キラー」(Buffy, the Vampire Slayer・1992・米)や大ヒット作の「トイ・ストーリー」(Toy Story・1995・米)の脚本を書いた人。実は「マイティ・ソー」(Thor・2011・米)でアンクレジットながら、撮影後のシーンの監督をやっているらしい。それが評価されての本作なのだろう。なのになんで、戦闘シーンで【アイアンマンがキャプテンアメリカに手伝ってくれと学術用語か何かで頼むと、「英語で言ってくれ(スピーク・イングリッシュ)」と言い返し、「そこのレバーを引いてくれ」と答える】なんていうバカなやりとりを書くのだろう。ハリウッド映画では良くあるシーンだが、二人とも脳みそがないとしか思えない。戦闘中だぞ!

 ストーリーにはザック・ペン。「インクレディブル・ハルク」の脚本を書いた人らしい。他に戦場脱出映画「エネミー・ライン」(Behind Enemy Line・2001・米)、ミステリーの「サスペクト・ゼロ」(Suspect Zero・2004・米)、「X-MEN:ファイナル・ディシジョン」(X-Men: Thde Last Stand・2006・加/米/英)などの脚本も書いている。

 公開5日目の初回、新宿の2D版上映館は全席自由で、40分前くらいに着いたらちょうど窓口が開いたところらしいかった。35分前くらいで10人くらいの行列。25分前くらいに開場して場内へ。

 下は小学生から、中高年まで幅広かったが、ほとんど男性。女性は20人中3人くらい。最終的には1,064席に50〜60人くらい。公開後最初の土曜なのに……見たい人は平日に見たということか。これが映画だぞ。

 場内が明るいまま、下品なマナー広告に続いてよく見えないまま上下マスクの「プロメテウス」の予告。そのあと半暗なって他の予告が始まったから、CMという扱いだったのか。

 他に気になった予告編は……上下マスクの「推理作家ポー最後の5日間」は、1849年に40歳で亡くなった実在の小説家エドガー・アラン・ポーの死の直前の5日間を描くミステリーらしい。主演のジョン・キューザックはコルト・ネービーのような銃を使っている。雰囲気は「シャーロック・ホームズ」(Sherlock Holmes・2009・米/独/英)風、タイトルは「ヒトラー〜最期の12日間〜」(Der Untergang・2004・独/墺/伊)風だが、面白そう。10/12公開。

 左右マスクのスタンダード・サイズ、モノクロから始まって、途中から上下マスクの横長に広がって、鮮やかなカラーになる「オズ はじまりの戦い」は、素晴らしい絵のファンタジー。前日談になるらしい。2013年3/8公開。

 エンド・クレジットが始まるとすぐ出てしまう人たちがいるが、本作はその真ん中くらいで陰にいた悪そうな宇宙人がニヤリとして何かをたくらんでいる様子が描かれるのと、最後の最後、笑えるオチまで用意されている。見なくても大差はないだろうが、もったいないことは確か。ちゃんと場内が明るくなるまでとどまって欲しい。

 そしてラストのラスト。これが一番ビックリしたのだが、明るくなる寸前に「アイアンマン3」2013年GW公開の文字が!!


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