Resident Evil: Retribution


2012年9月15日(土)「バイオハザードVリトリビューション」

RESIDENT EVIL: RETRIBUTION・2012・独/加・1時間36分(IMDbでは95分)

日本語字幕:黄色、丸ゴシック体下、太田直子/シネスコ・サイズ(デジタル、RED 3D)/ドルビー・デジタル、DATASAT、SDDS

(加14A指定、米R指定、日PG12指定)(日本語吹替版、3D上映、IMAX版もあり)

公式サイト
http://www.biohazard5.jp/
(入ったら音に注意。全国の劇場リストもあり)

アリス(ミラ・ジョヴォヴィッチ)はアンブレラ社のロシア、カムチャツカにある巨大研究施設の拘束室の中で目を覚ます。その時、何者かが施設をコントロールするコンピューターにハッキング、リブートを掛ける。その間にアリスは拘束室を抜け出し、武器を盗み出すと、外へ出る。しかしそこは東京の町を再現した施設で、すぐにアンデッドが襲ってくる。追手のリーダーはジル・バレンタイン(シエンナ・ギロリー)で、中には死んだはずのアンブレラ社の特殊部隊の隊長だったワン(コリン・サーモン)と、女性隊員だったレイン・オカンポ(ミシェル・ロドリゲス)、がいた。窮地を助けてくくれたのは、赤いドレスのエイダ・ウォン(リー・ビンビン)と名乗る女性だった。彼女は、救出チームがここに向かっているから、ランデブー地点へ急ごうという。

72点

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 うーむ、これはほんど戦争映画……というか、戦闘ゲーム。要は、暴走したコンピュータが支配するロシアのカムチャツカにある極秘巨大施設の中から、襲いかかってくるアンデッドを倒し、時にはモンスターをも倒しながら、いろいろなゾーンを抜けて脱出する、というもの。もちろん原作がゲームなので、これはこれで正しいんだろうが、ほとんどストーリーは無く、伝わってくるものがない。絵は凄いんだけれど、なんだか全部CGみたいだし。ハラハラドキドキではあるんだけどなあ……3Dで撮影しているらしいが、ところどころ2Dのソースもあるようで、全体としてはあまり立体感がないし、必要性も感じられない。しかもセリフがアフレコのようで、実際にしゃべっている感じが薄かった。

 もう「2」あたりからクローンが登場しているからいいんだけれど、クローンを使い回されると、同じ人物が何度も登場して、やられては生き返り、きりがない。緊張感が無くなってくる。おかげで、過去の死んでしまったキャラクターをまた見ることが出来るというメリットはあるが、これでは何だか死が軽くなってしまう。娘と称する幼い少女も、あえて命をかけて救わなくてもという気になる。それとも、これがオリジナルとかあるのだろうか。これは大きな掛けで、ボクには失敗に見えたけど……。

 ほとんどは前作から引き続きの出演で、敵としてだがジルも出てくる。死んでしまった印象的なキャラクターのアンブレラ社特殊部隊隊長、女性隊員レイン、ラクーン市警察特殊部隊のカルロスらはクローンとして登場する。中島美嘉さえも。しかし、「バイオハザードIVアフターライフ」(Resident Evil: Afterlife・2010・独/仏/米)のクレア(アリ・ラーター)やKマート(スペンサー・ロック)、クリス(ウェントワース・ミラー)は出てこない。第1作のアリスの夫役スペンス(ジェイムズ・ピュアホイ)、アンブレラ社特殊部隊員チャド・カプランは印象的だったが出てこない。そして、たぶん子役だったから大きくなってKマートのようにイメージが変わってしまったためだろうレッド・クィーンの子役も第1作とは違う女の子に。

 新しい登場人物のエイダ・ウォン役のリー・ビンビンは、ミシェル・ヨーが製作総指揮を兼ねた「シルバーホーク」(Silver Hawk・2004・香)、チャン・ツィイーの悲劇「女帝[エンペラー]」(The Banquet・2006・中)、アメリカンー・カンフーの「ドラゴン・キングダム」(The Forbidden Kingdom・2008・米)、ジャッキー・チェンの「1911」(辛亥革命・2011・中/香)などに出ている。

 登場した銃器は……最初の東京シーケンスでアリスが使うシルバーのオートはP226のカスタムかと思ったら、シングル・マガジンのP220のスポーツ・モデル。黒コートの男たちはタボールTAR21。さらに今回アリスがメインで使っているのが、クリス・ヴェクターSMG。なぜかポスターはリボルバーの.38口径のような薬莢が舞っていたが、デザイナーのミスか。救出チームはG36C、AKショーティ、SG552。ジルはVz61スコーピオンの2挺、ハンドガンはキンバーか。車両にはM2。ヘッド・アーマラーはチャールス・テイラー。シリーズ第2作から武器を担当していて、1990年代からTVを中心に活躍しているベテラン。最近は「トータル・リコール」(Total Recall・2012・米/加)を手掛けている。だいたい激しい銃撃戦があるものが多い感じだ。リード・アーマラーはAl Vrkljan。一体何と読むのやらわからないが、TVのガン・ハンドラーから始まって、最近は「バイオ」シリーズのほか、「RED/レッド」(Red・2010・米)や「トータル・リコール」(Total Recall・2012・米/加)も手掛けている。クリス・ヴェクター「トータル……」でも使っていたっけ。

 脚本・監督はポール・W・S・アンダーソン。最近は「バイオ」シリーズのほか「三銃士/王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船」(The Three Masketeers・2011・独/仏ほか)を監督しているが、ほとんどミラ・ジョヴォヴィッチ演じるミレディが主役の「バイオ」シリーズのようで残念な結果に。どちらも3Dで、だからどうしたという感じ。いくらミラ・ジョヴォヴィッチの夫だからといえ、これで本人は満足なのだろうか。

 公開2日目の初回、新宿は全席指定の3D字幕版。35分ほど前についたらまだビルが開いておらず、整列させに来ないので入口付近はいい加減な列。25分前くらいになってようやく入口が開き場内へ。10分前くらいに開場となって、3D眼鏡をもらって場内へ。最近は指紋が付いていることは無くなったが、液晶式眼鏡のデザインが変わり、フラットで隙間が多くでき装着感はいまいち。

 観客層は若い人から中高年までいたが、メインはやはり中高年。男女比は6対4くらいで男性の方がやや多い感じ。関係者らしい1団が3〜4人。最終的には287席の4.5〜5割くらいが埋まった。3Dは2,500円もするし、朝早いのでこんなものだろう。

 気になった予告編は……CMと一緒に明るいまま上映されたのは、「ハリー・ポッター」ことダニエル・ラドクリフ主演の「ウーマン・イン・ブラック 亡霊の館」。なかなか怖そうで面白そうなのに、なぜちゃんとした予告編じゃないんだろう。暗いシーンが多く良く見えない。12/1公開。

 上下マスクの「エクスペンダブルズ2」は長い新予告に。ジャン=クロード・ヴァンダムが敵役なんだろうか。なんだか雰囲気が「ランボー3/怒りのアフガン」(Rambo III・1988・米)っぽい。10/20公開。

 スクリーンが左右に広がってシススコ・サイズになってから、海賊船のように帆船が出て時代物かと思ったら手紙で現代とリンクしていて、しかも未来世界ともリンクしていくという、時と場所を隔てた人間同士が再開する物語らしい。タイトルは「クラウド アトラス」。なんとトム・ハンクスが金髪でも登場して……ものすごいアクションに。未来世界も凄いビジュアル。しかも5分を越える長い予告。ウォシャウスキー兄弟の作品だとか。「空気人形」(2009・日)で主演した韓国人女優ベ・ドゥナも出ている。2013年春公開。

 クエンティン・タンティーノの新作は西部劇の「ジャンゴ繋がれざる者」。何とレオナルド・ディカプリオが悪役のような……。2013年、3/1公開。

 「007/スカイフォール」は長い新予告。あの曲は使われていた。良かった。アクションは凄そう。007映画として面白ければいいのだが。12/1公開。


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