Ghost Rider: Spirit of Vengence


2013年2月9日(土)「ゴーストライダー2」

GHOST RIDER: SPIRIT OF VENGENCE・2011・米/アラブ首長国連邦・1時間35分

日本語字幕:丸ゴシック体下、佐藤恵子/シネスコ・サイズ(デジタル、Red One、3D by SONY)/ドルビー・デジタル、DATASAT、SDDS

(米PG-13指定)

公式サイト
http://www.gr2.jp/
(音に注意。全国の劇場リストもあり)

東ヨーロッパのある城で僧侶達によりかくまわれていた少年ダニー(ファーガス・リオーダン)は、謎の武装集団に襲われ、母のナディア(ヴィオランテ・ブラシド)によって助けられからくも逃げ出す。武装集団のリーダーはキャリガン(ジョニー・ホイットワース)といい、ナディアの元カレだった。バイクを駆る武闘派の僧侶モロー(イドリス・エルバ)はジョニー・ブレイズ(ニコラス・ケイジ)に協力を依頼。少年を助けてくれれば、体の内にゴーストライダーを宿す悪魔との契約を解除し、魂を救ってやると言う。この約束に基づき、ジョニーはゴーストライダーを解き放ち、ダニー少年の居場所を感知するとバイクで乗り込み、悪党全員をなぎ倒し、あやうくナディアとダニーも殺しそうになるが、ダニーの命令で思いとどまり人間にもどる。ジョニーはモローに連絡を取ると、2人をカッパドキアで高価なワインを作る僧侶メソディウス(クリストファー・ランバート)のところに隠す。ところが、キャリガンを操っていた悪魔のメフィスト(キアラン・ハインズ)が現れ、死んだはずのキャリガンを、触れるものをすべて朽ちさせるブラックアウトとして甦らせ、後を追わせる。

72点

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 IMDbで4.4点という超低評価。あやうくラジー賞候補というレベル。2011年の作品で、お蔵入りかと思われたものを引っ張ってきたのか。ただ。ボクは、途中ちょっと気を失ったが、そこそこ楽しめた。第1作(IMDbで5.2点)よりは良かった気がする。ただし、カメラを動かしすぎ。デジタルだとカメラが小型で、より振り回したくなってくるらしい。これだけの俳優を使って……シロウト撮りか。本当に3D上映じゃなくて良かった。3D上映だったら酔っていたかも。どうもほかに売りがない作品を3D作品にしているような気がする。3Dはダメ作品を見分けるポイントか?

 徹底した疾走感、感情のほとばしりは良く出ている。絵も良い。カッコいいし、絶妙なアングル。アクションも満載で、わずかながら主人公のゴーストライダーの心の葛藤や、幸せな家族の暮らしにあこがれる少年の心情なども描いている。しかし、いかんせん、コミックの元の話が荒唐無稽過ぎて、実写にすると無理があるのだろう。どうガンバッテもリアルには作れないようだ。

 アクションは派手だが、派手過ぎてどうせCGだろという気がしてしまう。心底スゴイと思えない。実写を見ているというよりアニメを見ているのに近い感じだろうか。

 銃は母のナディアが使うのがグロック。あとで狙撃でシャイタックM200を使う。追手のキャリガンはタウルスのミドル・サイズのリボルバーっぽいシルバーの4インチ。僧侶のモローが落ちながら撃つのはFN P90。ギャングはAKS-47やAKMSを使用。キャリガンの部下はマグプルFMG-9。たぶんスクリーン初登場。またさらにキャリガンはポンプ・アクション・ショットガンにグレネード・ランチャーを取り付けて使用。ただグレネードと言っているのに字幕はなぜかスラグ弾となっており、わかりにくい上にとんでもない間違い。どうしてスラグ弾が爆発するのかと思ったら、グレネード弾じゃないか。

 ほかにAUG、イングラム、M4カービン、ミニ・ウージー、G36なども登場。また、車載でオートマチック・グレネードランチャーのMk19や、対戦車ミサイルのジャベリン(FGM-148)もぶっ放す。もうまるで軍隊だ。ジャベリンは小道具として作ったらしいが、Mk19は連射していた。どうやって動かしたのだろう。

 ちなみに、ゴーストライダーのバイクはヤマハのVMAX。母親の乗る車はマツダ。

 主演は映画出まくりのニコラス・ケイジ。それもほとんどB級で、酷かった「ウィッカーマン」(The Wicker Man・2006・米/独/加)あたりからそうなってきた気がする。最近、出演せず製作だけ手掛けたエディ・マーフィの「ジャックはしゃべれま1,000(せん)(未)」(A Thousand Words・2012・米)はラジー賞候補になるほどで酷いことになっている。どうなったんだろう。B級にいっぱい出て稼いだお金を浪費しているような……。最近で良かったのはクロエ・グレース・モレッツをスターにのし上げた「キック・アス」(Kick-Ass・2010・英/米)くらいだろうか。

 相手役の女性は、ロマンチックなことにはならず、銃も平気でぶっ放す「グロリア」(Gloria・1980・米)みたいなキャラクターで、演じたのは「ゴジラ」の敵の怪獣みたいな名前だが、イタリア生れのヴィオランテ・プラシド。これまでイタリアのTVで活躍していたようだ。ジョージ・クルーニーの「ラスト・ターゲット」(The American・2010・米)からアメリカ進出したらしい。残念ながら見ていない。その次が本作になるらしい。うむむ。

 憎たらしい敵役のキャリガンはジョニー・ホイットワース。TVでの活躍の方が多いようで、「CSI:マイアミ」には刑事役で出ていたが、映画では悪役が多い感じ。メジャーなところでは傑作リメイク西部劇「3時10分、決断のとき」(3:10 to Yuma・2007・米)やSFアクション「GAMER」(Gamer・2009・米)に出ている。

 悪魔のメフィストはキアラン・ハインズ。こんな役が多い人。残念だったホラー「ウーマン・イン・ブラック亡霊の館」(The Woman in Black・2012・英/加ほか)では良い役をやっていたが、不気味な感じは抜群。

 ちょい役で、ほとんどセリフもなかったものの、懐かしかったのは、耳なし芳一のように顔中に文字を書いた僧侶メソディウスを演じたクリストファー・ランバート。ターザンを演じた「グレイストーク類人猿の王者ターザンの伝説」(Greystoke: The Legend of Tarzan, Lord of the Apes・1983・英/米)や「ハイランダー悪魔の戦士」(Highlander・1986・英)のころは良かったのに、ダアン・レインと離婚したのが良くなかったのか、最近はほとんど見かけない。

 原作はマーベル・コミックの人気作。脚本は原作者のデヴッド・S・ゴイヤーに、スコット・M・ギンプル、セス・ホフマン。スコット・M・ギンプルはTVの人でどうやら劇場映画は初めらしい。有名なところでは、最初は面白かったが予想どおり尻すぼみになった「フラッシュフォワード」(Flashforward・2009〜2010・米)の何エピソードかを書いている。「フラセス・ホフマンッシュフォワード」はデヴッド・S・ゴイヤーの企画・製作総指揮なので、その関係か。セス・ホフマンもTVの人で、「フラッシュフォワード」のほか、やっぱり尻すぼみの「プリズン・ブレイク」(Prison Break・2005〜2009・米)なんかも手掛けている。うむむ……。

 監督はマーク・ネヴェルダインとブライアン・テイラーの2人。2人で組んで仕事をしており、多くのCMやミュージック・ビデオを手掛けたらしい。疾走アクション「アドレナリン」(Crank・2006・米)や続編の「アドレナリン:ハイ・ボルテージ」(Crank: High Voltage・2009・米)はスゴかった。「GAMER」はちょっと観客を置き去りの感があったが……。本作はさらに落としてしまったか。

 公開2日目の初回、新宿の劇場は全席指定で金曜に確保。10分前くらいに開場となり場内へ。やはりメインは中高年。若い人はパラパラ。男女比は9対1くらいで圧倒的に男性ばかり。毎回遅れてくるヤツが多いが、たぶん最終的に157席に6.5割くらいの入り。思ったより多くて驚いた。

 入場プレゼントがありグリコの「LEE」レトルト・カレーをもらった。ラッキーと思ったら、辛さが20倍で怖くて食べられない。どうしよう。

 気になった予告編は……上下マスクの「クラウド・アトラス」は新予告に。不思議で、絵が凄くて、面白そう。3/15公開。

 「ダイ・ハード/ラスト・デイ」も新予告というか長いバージョンでの予告。楽しみ。2/14公開。

 上下マスクの「ジャンゴ繋がれざる者」はこれまでどおりだが、劇場の壁にタランティーノ監督が来るとか何とか! これは混むんだろうなあ。特別チケットになるらしい。

 トミー・リー・ジョーンズがビデオ・メッセージで登場する上下マスクの「終戦のエンペラー」は、日米が相互理解を始めた原点を振り返る映画だという。日本人俳優もたくさん出演しているようだ。面白そう。夏公開。

 シュワルツェネッガーの上下マスク「ラストスタンド」も新予告に。知事時代はかなりお堅い感じになってしまったのに、映画では銃を撃ちまくり。ポリシーなしか。でも見るけど。4/27公開。

 スクリーンの上下がせばまって小さくなってシネスコになって、暗くなって本編へ。


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