Hindenburg


2013年2月16日(土)「ヒンデンブルグ第三帝国の陰謀」

HINDENBURG・2011・独・1時間50分(IMDbでは180分)

日本語字幕:丸ゴシック体フチ下、吉川美奈子/ビスタ・サイズ/音声表記なし

(英語吹替版での上映)

公式サイト
http://hindenburg.toeiad.co.jp/
(全国の劇場リストもあり)

1937年、ドイツ。ツェッペリン飛行船会社の設計技師マーテン・クルーガー(マクシミリアン・ジモニシェック)はグライダーの初飛行で湖に墜落し、たまたま居合わせたアメリカ人女性ジェニファー(ローレン・リー・スミス)に助けられる。その夜、アメリカ領事館のパーティーで2人は再会するが、ジェニファーはアメリカの石油会社の社長エドワード・ヴァンザント(ステイシー・キーチ)の娘で、フィアンセがいた。翌日、父が倒れたためジェニファーと母親のヘレン(グレタ・スカッキ)はヒンデンブルグ号でアメリカに帰国することになるが、ツェッペリン社の会長エッケナー(ハイナー・ラウターバッハ)にエドワード社長から電話があり、ジェニファーとヘレンを乗せないように頼まれる。エッケナーはマーテンにそれを依頼するが、空港でそれを知ったフィアンセのフリッツ・リッテンベルク(アンドレーアス・ピーチュマン)が襲いかかってきて、もみ合う内、誤って殺してしまう。親衛隊やゲシュタポから終われる身となったマーテンは飛び立とうとするヒンデンブルグ号に紛れ込む。

70点

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 思った通りTVムービー。どこか安っぽい感じが。しかも英語吹替で口の動きとあわないところが多いし。しかも3時間版を70分もカットしているので、おかしなところが多い。話が進み過ぎ。知らないはずの部屋を知っていたり、会って1度に話さず、大したことないのに何回かに分けて話に来たり。爆発物はダイナマイトといっているが、出てくるのは粘土のようなプラスチック爆弾っぽい外観で、それは第二次世界大戦中にアメリカ軍が開発したものだから、時代的に合わないのでは……などと、いろいろヘン。こういったところにはお金が掛けられていなようだ。確かにTVとしてはCGに予算がかかっていて、そのスケールを超えているが……。

 冒頭から、なかなか入り込めなかった。曲が英語版で入れ替えられたのか、今風過ぎてまったく1930年代に合わない。しかも、グライダーで飛ぶ前、空にジェット機のヒコーキ雲があるし。TVなら画面が小さいからわからないと思ったのだろう。デジタルなら簡単に消せるはずなのに。時代が合わないだろ。ジェニファーが湖にグライダーで落ちたクルーガーを助けるときも、下着のシミーズ(?)は時代を感じさせるが、その下のパンツが水に濡れてラインが見えるのだが、今風のVカット。ここもTVなら画面が小さいからわからないと思ったのでは? 甘い! こういう下着もあったのかもしれないが、ついつい疑ってしまう。

 飛行船は実際に中で撮影したようで、素晴らしい迫力。有名な炎上落下シーンも非常にリアルだった。TVのレベルは超えている感じ。ただ、いまひとつ伝わってこなかった。ヒンデンブルグ号が炎上したのは事故ではなく、陰謀だったのだというのも特に新しいわけではなく、問題はどれだけ説得力を出せるか、ということだと思うが……。ドイツがこれを作ったという点はおもしろいかもしれない。

 ちなみに日本語ではヒンデンブルグというが、ドイツ語読みではヒンデンブルクで、劇中英語ではヒンデンバーグと言っていた。

 マーテン・クルーガーはマクシミリアン・ジモニシェック。ドイツのTVで活躍する人で、日本ではほとんどなじみがない。これも感情移入しにくかった原因かも。

 ヒロインのアメリカ人女性、ジェニファーはカナダ出身のローレン・リー・スミス。やはりTVの人で、 「CSI」、「Lの世界」などに出ているらしい。本作ではベッド・シーンもあるが、TVなのでギリギリのところで乳首が見えないように編集されている。

 その母ヘレンはイタリア生れのグレタ・スカッキ。この人は映画でも見る人で、少し前だが1挺のバイオリンが巡り巡る「レッド・バイオリン」(Le violon rouge・1998・加/伊ほか)、ちょっと前で「フライトプラン」(Flightplan・2005・米)などに出てた。

 その夫、アメリカの石油王エドワード・ヴァンザントはステイシー・キーチ。悪役が多い人で、最近はTVの仕事か多かったよう。1980年代は「探偵マイク・ハマー」(1984〜1987)で主演を、シーズン1は見られたTVドラマ「プリズン・ブレイク」(2005〜2006)で刑務所長を演じていた。古くは西部劇に良く出ていて「ドク・ホリデイ」(Doc・1971・米)、「ロイ・ビーン」(The Life and Times of Judge Roy Bean・1972・米)、「ロング・ライダーズ」(The Long Riders・1980・米)などがある。つい最近「ボーン・レガシー」(Bourne Legacy・2012・米)でアメリカ海軍のお偉いさんを演じていた。

 監督はフィリップ・カデルバッハ。ドイツのTVの人で、日本ではほとんどしられていないよう。「Unschuldig」(2008〜)(無実という意味?)という犯罪ミステリーが評価が高いようだが、日本ではリリースされていないので不明。

 銃は、ラストに登場するオートマチックのみ。ガバメントだったろうか。よくわからなかった。たしかハンマーも起きておらず、室内で銃声がすると人が倒れていて、銃が落ちているという程度。

 公開初日の2回目、新宿の劇場は全席指定で、金曜に確保。10分前くらいに開場して場内へ。若い母が幼い男の子を2人連れてきていたが、字幕版で大丈夫なのか。子供を預けられず連れてきたという感じだろうか。ほかは、ほとんど中高年というか、高寄り。最初は15〜16人だったが、最終的には149席に30人くらい。女性は6〜7人。まあこんなものだろう。

 気になった予告編は……上下マスク「利休にたずねよ」はティーザーなので、内容はサッパリわからない。市川海老蔵主演で、暗い感じ。12月公開とか。

 「探偵はBARにいる2ススキノ大交差点」は前作並の出来なら期待したいところ。5/11公開。「相棒」も続編が作られるらしい。「X DAY」は水谷豊があまり出てこない感じだったが、どうなんだろう。3/23公開。

 「ザ・マスター」はホアキン・フェニックスとフィリップ・シーモア・ホフマンで描く新興宗教の話らしい。かなり重そう。3/22公開。成島出監督の「草原の椅子」も人生とか、ずっしりと重い感じ。また3.11の「遺体」も非常に重く、暗い予告が続いて、予告だけで気持ちが落ちてきてしまった。2/23公開。


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