After Earth


2013年6月23日(日)「アフター・アース」

AFTER EARTH・2013・米/加・1時間40分

日本語字幕:丸ゴシック体下、松崎広幸/シネスコ・サイズ(デジタル、Canon、Sony)/トルビー・デジタル、DATASAT、SDDS

(米PG-13指定)

公式サイト
http://www.afterearth.jp/
(入ったら音に注意。見にくく情報少ない。全国の劇場リストもあり)

人類が地球を滅ぼしてしまい、惑星ノヴァ・プライムへ移住したが、そこには先住者がおり、人類を抹殺するためモンスターの「マーサ」を送り込んできた。人類は世界規模の戦闘部隊「レンジャー」でこれに対抗した。なかでもサイファ(ウィル・スミス)は恐怖心をコントロールすることでマーサに感知されない技を取得し活躍、将軍にまで登り詰めた。サイファの息子キタイ(ジェイデン・スミス)は、父の後を追い、レンジャーになるため訓練校に通っていたが、教官の評価は厳しく認めてもらえなかった。そんなとき、父が任務から帰還し、本物のマーサを使った訓練に同行することになる。しかし訓練が行われる惑星へ向かう途中、惑星嵐により宇宙船は地球に不時着、父と息子だけが生き残る。

71点

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 やられた。M・ナイト・シャマランの監督作品だったとは。なぜこの人は映画を撮り続けられるんだろう。不思議。良かったのは「シックス・センス」(The Sixth Sense・1999・米)だけなのに。本作はやっぱりIMDbで4.9点の低評価。

 100分の作品なのに、長い、退屈、眠い。何回か気を失ってしまった。ようするに遭難した親子が救難信号を上げるまでの話。それだけ。しかも生存者は都合が良いことに父と息子のみ。軍人の父は怪我をし、まだ訓練生の息子は自分と父のためだけにがんばる。多少、心の葛藤とかあるが、結局それは家族内の話で、つまりホームドラマ。家でやってくれ、という感じ。見どころもほとんどない。キャラクターも、2人ともちっとも魅力的じゃない。

 息子の成長を描いているはずが、ラスト、息子に「ママと働く」と言わせてしまう。おいおい、何のがんばりだったんだよ。困難とは言え、救難信号を出すというたった1つのミッションをやり遂げただけで、完全燃焼かよ。さすがはM・ナイト・シャマラン映画。

 ただ、SFチックな宇宙船や色の変わるスーツ、帆船の帆のようなシェードが付いた家なんかのビジュアルはお金がかかっている感じ。反して地球は先祖返り状態となっているので原始時代のようだからSFっぽさはない。ネムノキのように葉を閉じる植物は面白いが、「アバター」(Avator・2009・米/英)でもっと派手な効果をやっているからなあ。どれも魅力的かと言うと、どうなんだろう。もちろん合成や3D-CGは存分に使われているだろうから、とにかくお金がかかっている気はした。手間もかかっている。絵は良い。音も良い。その辺のクォリティは高い。

 ウィル・スミスは「メン・イン・ブラック3」(Men in Black 3・2012・米ほか)ぶりの映画。「ハンコック」(Hancock・2008・米)なみに酷いキャラクター(「2」なんか作らないで!)。この人はコメディ系の方が生きる気がする。最近は製作も多いけれど、「ベスト・キッド」(The Karate Kid・2010・米/中)も「Black & White/ブラック&ホワイト」(This Means War・2012・米)も残念だった。本作では原案、製作も担当している。向いていないのではないだろうか。

 ジェイデン・スミスはウィル・スミスの息子。1998年生れだから、もう15歳。確かに「幸せのちから」(The Pursuit of Happyness・2006・米)では良かった。しかし、それは演技とかスターとか意識していなかったからだろう。物心ついて「ベスト・キッド」でもう鼻につく感じが。幼い頃からVIPだもんなあ。

 感心しない脚本はM・ナイト・シャマランとゲイリー・ウィッタ。ゲイリー・ウィッタは劇場映画では、本作の前に「ザ・ウォーカー」(The book of Eli・2010・米)を書いている。西部劇的な物語がうまいのかも。ほかには2本のビデオ・ゲームのシナリオを書いている。そういえば本作はゲームっぽいのかも。

 監督はM・ナイト・シャマラン。おまけに脚本まで書いている。なぜこの人だったのか。「シックス・センス」以降、2年に1本のペースで撮り続けているが、1本とて良かったものがない。本作の前はあの「エアベンダー」(The Last Airbender・2010・米)だ。IMDbでは4.4点などという信じられないほどの低評価・なぜ撮り続けられるのか。

 公開3日目の初回、新宿の劇場は全席指定で、金曜に確保。10分ほど前に開場になって場内へ。土曜はなぜか小さい劇場で、日曜は一番大きな劇場ということから日曜を選択。若い人も少しいたが、メインは中高年。それも高寄り。女性は1/4ほど。最終的には607席にわずかに50人前後。これじゃあ、すぐに打ち切りか。M・ナイト・シャマランだからしかたないだろう。

 気になった予告編は……特に新しくはないが「パシフィック・リム」は音が素晴らしく良い。侵略してきた宇宙人を巨大ロボットで撃退する話らしい。ロボットは気のせいか鉄人28号っぽい感じも。芦田愛ちゃんが予告では目立っている。8/9公開。

 上下マスクの韓国映画「ベルリン・ファィル」は驚きのアクション満載。しかも国際的な物語らしい。面白そう。7/13公開。

 スクリーンが左右に広がってから「キャリー」の予告。クロエ・グレース・モレッツがすごい。11/8公開はずいぶんと先。怖そう。

 「ホワイトハウス・ダウン」もシネスコですごい迫力。心配は監督がローランド・エメリッヒだということか。うまくいくか、失敗か。期待したい。8/16公開。


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