Silent Hill: Revelation 3D


2013年7月13日(土)「サイレントヒル:リベレーション3D」

SILENT HILL: REVELATION 3D・2012・仏/米/加・1時間35分(IMDbでは94分)

日本語字幕:丸ゴシック体下、埜畑みづき/シネスコ・サイズ(デジタル、Panavision(IMDbではRed One MX))/トルビー・デジタル、DATASAT、SDDS(IMDbではトルビー・デジタル、DATASAT)

(米R指定、日PG12指定)(3D上映、日本語吹替版もあり)

公式サイト
http://silenthill3d.gacchi.jp/
(音に注意。オフにしても2分後に自動デモ。うっとうしい。全国の劇場リストもあり)

女子高生のヘザー・メイソン(アデレイド・クレメンス)は父ハリー(ショーン・ビーン)のと二人暮らしで、引っ越しばかりを繰り返していた。そして最近、毎日同じ「サイレントヒルには行くな」という悪夢でうなされて目覚めていた。不気味な異世界が昼間でも見えるようになってきたある日、父が何者かにさらわれ、壁に「サイレントヒルに来い」という血文字が書かれている。ヘザーはサイレントヒルに向かう決心をするが、高校で同じクラスの転校生ヴィンセント・クーパー(キット・ハリントン)がボクも行くと声を掛けてくる。

73点

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 コナミの原作ゲームをしたことはないが、たぶん世界観はすばらしい。前作同様の異世界感。前作を見ていると同じ世界観が守られていて、ちょっとホラーというのとは違う。霊的なものとかでは無く、異次元とか異世界というイメージ。前作「サイレントヒル」(Silent Hill・2006・加/仏/日/米)を見ていると、だいたいどんなヤツがいるかわかるから、その意味での怖さは無くなっている。逆に、前作を気に入った人は、嬉しい再開だろう。

 ただボクは前作を見ているが、ほとんど忘れてしまって雰囲気くらいしか覚えていない。たぶん前作の主人公の娘の物語ということになるのだと思う。忘れていても、新作として楽しめると思う。特に三角帽子の処刑人で守護役のレッド・ピラミッドと、ちょっとエロい顔なしナースが良い。

 ストーリーのヒネリはなく、驚きもなく、特に感動もない。つまり世界観を楽しむ映画なのだろう。だから3Dなのだ。何カ所か3D-CGを使ったあえての画面向きの刃物の飛び出しなどがあるのに、ほとんど立体に見えていなかったのはなぜだろう。カットが短すぎて脳の認識が(ボクだけ?)追いついていなかったのかも。残念。いつも降っている灰などは立体感があったし、前景、中景、遠景がそろっているもの、手前から奥に向かって道路がつながっているとか、廊下があるようなパースの付いた絵なら立体感はあった。あとはそれなり。

 特殊効果は相変わらず素晴らしく、普通の町がサイレントヒルに変わっていく様は見事。そして残酷描写。腕や指が刃物でバッサリと飛ばされ、傷口までハッキリ見せるとは。ファンタジー的な部分と、リアリティの微妙なバランス。

 女子高生のヘザー・メイソンはオーストラリア出身のアデレイド・クレメンス。大ヒット・シリーズ「ウルヴァリン:X-MEN ZERO」(X-Men Origins: Wolverine・2009・米)に出ていたらしいがよく覚えていない。最近では「華麗なるギャツビー」(The Great Gatsby・2013・豪/米)で出ていたと。美女だらけだったので目立たなかったかも。ちょっとキャリー・マリガンに似ているか。

 転校生ヴィンセント・クーパーはキット・ハリントン。イギリス出身で、TVドラマの「ゲーム・オブ・スローンズ」(Game of Thrones・2011〜・米/英)でショーン・ビーンと共演しているらしい。

 父ハリーはショーン・ビーン。前作「サイレントヒル」ではクリスという名前だった。あらたなキャラ、サイレントヒルの指導者の魔女ようなクローディアはキャリー・アン・モス。大ヒット・シリーズ「マトリックス」(The Matrix・1999・米/豪)以降、あまり役というか作品に恵まれていない感じ。また前作から引き続きぶきみな魔女風のダリアは「クラッシュ」(Crash・1996・加/英)のデボラ・カーラ・アンガー。この人もあまり作品に恵まれていない感じだ。私立探偵のダグラスは「エクトプラズム怨霊の棲む家」(The Haunting in Connecticut・2009・米/加)のパパのマーティン・ドノヴァン。

 顔見せ程度で、まだまだ元気な70歳「ブルーサンダー」(Blue Thunder・1983・米)のマルコム・マクダウェルが囚人役で、トラック・ドライバー役で「ラッキーナンバー7」(Lucky Number Slevin・2006・独/米)のピーター・アウターブリッジ、前作のヒロイン「エンド・オブ・ホワイトハウス」(Olympus Has Fallen・2013・米)で主人公の奥さんを演じたラダ・ミッチェルらがちょっとだけ出ている。

 原作はコナミの人気ゲームで、脚本・監督はマイケル・J・バセット。IMDbでの評価は低いが、ボクは好きな第1次世界大戦の戦場を舞台としたホラー「デス・フロント」(Deathwatch・2002・英/独)の監督・脚本をやった人だ。なるほど納得。

 クリーチャー・デザインは前作から引き続き「GODZILLAゴジラ」(Godzilla・1998・米/日)のパトリック・タトポロス。「アンダーワールド:ビギンズ」(Underworld: Rise of the Lycans・2009・米/ニュージーランド)では監督業にも進出した。本作のレッド・ピラミッド、顔なしナース、クローディアの正体は特に素晴らしく、夢に出そう。

 銃は、家に隠してあってヘザーが持ち出すのがS&Wのダブル・カラムのシルバー・オート。ハンマーがよく見えなかったのでM5946とかそんな感じ。刑事2人はシルバーのチーフ(M60?)風と、S&Wのシルバー・オート。ただしサイレントヒルのクリーチャーたちには効かない。

 学校の廊下の壁だったと思うが、女性の顔で口のところに羽根を広げたチョウチョ(ガ?)が留まっている「羊たちの沈黙」(The Silence of the Lambs・1991・米)のようなポスターがあったのはなんだったんだろうか。

 公開2日目の初回、六本木の劇場は全席指定で、ムビチケで金曜に確保。2D券だったので差額をカードでお支払い。3D眼鏡が必要なら400円、持ち込みなら300円。2種類あったので持っていったら、それでも見られるがどちらとも違うタイプだというので100円を支払ってそれをもらう。3種類もあるんだ! めんどうくさい。でも液晶式より軽く、安いし、もらえるから、まあいいか。

 11〜12分前くらいに開場。ゲーム原作ということでか、メインは20代くらいの若い人。男女比は半々くらい。中高年はチラホラ。遅れてくるヤツが多く、たぶん最終的には164席に6割ほどの入り。まあまあか。

 明るいまま始まった新作ニュースは、見にくかったが……上下マスク3D-CGアニメの続編「くもりときどきミートボール2」は12/28公開。子供向けのよう。前作も見てないし……。

 ロン・ハワード監督のインタビューで始まったのは新作「RUSH」。F1の実話の映画化で、ニキ・ラウダとジェームズ・ハントの戦いを描くらしい。日本のサイトはまだない模様。アメリカは9/27公開。日本は来年だとか。

 マイケル・ファスベンダー、ブラッド・ピット、ペネロペ・クルス、ハビエル・バルデム、キャメロン・ディアといった豪華キャストで描くリドリー・スコット監督の「悪の法則」は、ティーザーで何が何だかわからなかったが、とにかくすごそう。公式サイトはまだない模様。

 半暗になってから……上下マスクの「劇場版SPEC」はもうやらないと言っていながらの続編。しかも前後編だと。映画界らしい節操のなさ。「漸ノ篇」11/1公開、「爻ノ篇」(こうと読むらしい)11/29公開。

 上下マスク「ガッチャマン」はふざけているのか、シリアスな作りなのか良くわからない。8/24公開。

 宮崎アニメ「風立ちぬ」は特別な4分の映像ということで予告が上映された。ユーミンの「ひこうき雲」が前面にフィーチャーされていて、まさしく飛ぶ映画で、宮崎アニメ。ただ結末は堀辰雄なら宮崎アニメらしくないことになりそうだが、どうさわやかに終わるのか。ちょっと主人公らしいナレーションがシロートっぽくて気になった。7/20公開。

 ピクミンが出てきて3Dめがねを掛けるように指示があって……上下マスクの「スター・トレック イントゥ・ダークネス」は内容が一緒でも3Dだと印象はちょっと変わるが、それほど効果はないかな。たぶん半暗で暗くなかったことも効果を落としていたと思われる。8/16から先行公開あり。

 その後、半暗のまま3Dで上下マスク「ワールド・ウォーZ」の予告へ。映像より音響の方がリアルで素晴らしい気がした。8/10公開。

 ようやく暗くなって、スクリーンが左右に広がって、本編へ。関係者らしいグループが5〜6人。多いって。


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