2 Guns


2013年11月3日(日)「2ガンズ」

2 GUNS・2013・米・1時間49分

日本語字幕:手書き書体風影付き下、松浦美奈/シネスコ・サイズ(デジタル、with Panavision)/ドルビー・デジタル、DATASAT、SDDS

(米R指定)

公式サイト
http://www.2guns-movie.jp/
(音に注意。全国の劇場リストもあり)

ボビー・トレンチ(デンゼル・ワシントン)とマイケル・スティグマン(マーク・ウォールバーグ)は銀行を襲う下見のため、貸金庫を借り、向かいのダイナーで準備を進める。その1週間前、2人はメキシカン・マフィアのボス、パピ・グレコ(エドワード・ジェイムズ・オルモス)に偽造パスポートを届けるが、約束のヤクではなく現金で支払うと言われ、ヤクを用意しろと突き返す。アメリカへの帰路、2人はパピの銀行を襲ってヤツの資金を盗もうと話すが、国境で2人ともDEAに逮捕され取り調べを受けることになってしまう。

74点

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 よくあるバディもので、しかもB級テイストなのだが、おもしろい。ちょっとヒネリが効いていて、最後まで楽しめる。どんでん返し、殴り合い、カー・チェイス、銃撃戦、ヌード、爆発……アクションの定番はすべてちりばめられている。しかも、デンゼル・ワシントンとマーク・ウォールバーグの豪華顔合わせだ。ギャグもたくさん盛り込まれているようだが、そこはさすがに英語がわからないとあまり笑えないものの、結構受けていたのは意外。笑える。

 悪党映画と思えたのが、実は違っていて、長年の相棒同士と思っていたのが、実は違っている。仕事の同僚と思っていたのが実は違い、味方と思っていたのが実は違う。見た目と真実は違うという逆転の積み重ねでストーリーは進展していく。もっとも悪いのは定番のCIAだが、これがなかなか怖くて良い。ロシアン・ルーレットは一方的だが恐ろしい。300万ドル(約3億円)を盗むつもりが、銀行にあったのは4,312万5,000ドル(約42億7,300万円)。これはヤバい。

 海軍情報部、DEA(麻薬取締局)、CIA、メキシカン・マフィア、四つ巴の戦い。それぞれに特徴が出ていておもしろい。銃も海軍情報部はP226Rのサイレンサー・バレル付き、M16、特殊部隊はMP5にM4カービン。DEAはグロック。CIAはUSP、M4、ヘリにはFN MAG。マフィアはシルバーのSAA、シルバーの彫刻入りガバメント、ポンプ・ショットガン、ウージー、AKM、イングラムなど雑多。銀行のガードマンは.22オートのような小型ポケット銃。

 アーマラーはマイケル・パネヴィクス。主にTVで活躍していて、「チェ 28歳の革命」(Che: Part One・2008・仏/西/米)あたりから映画も手掛けるようになったらしい。最近作は「プレデターズ」(Predators・2010・米)や「エージェント・マロリー」(Haywire・2011・米/アイルランド)。なかなか良い仕事をしているのではないだろうか。

 ボビー・トレンチはデンゼル・ワシントン。アル中映画「フライト」(Flight・2012・米)は残念だったが、「デンジャラス・ラン」(Safe House・2012・米/南ア)に続いてスパイ・アクションという感じか。意外とアクションものが良い気がする。使っていた銃は最初S&Wのシルバーのオート。途中からバギーに乗った自警団からルガー・レッドホークを奪って使う。ラストはP226のシルバー。

 マイケル・スティグマンはマーク・ウォールバーグ。銃反対派らしいが、アクション作品にも良く出ている。結構アクション作品もプロデュースしている。生きているぬいぐるみコメディ「テッド」(Ted・2012・米)は話題になった。そして製作も兼ねた「ハード・ラッシュ」(Contraband・2012・米/英/仏)はなかなか面白いアクションだった。使っていた銃は、メキシカン・マフィアのアジトでニワトリ撃ちにシルバーのSAA。それから自前のキンバー。レーザー・サイトを取り付けたスナイパー・ライフルはSIG 556 DMR。ラストはなぜかHK45C。

 メキシカン・マフィアのボス、パピ・グレコはエドワード・ジェイムズ・オルモス。名作SF「ブレードランナー」(Blade Runner・1982・米/香/英)でレプリカントを追っていた折り鶴の人。そのあとTVの「特捜刑事マイアミ・バイス」(Miami Vice・1984〜1990・米)で主任を演じた。最近は暗いSFドラマ「バトルスター ギャラクティカ」(Battlestar Galactica・2004〜2009・米)で艦長を、映画では残念な「グリーン・ホーネット」(The Green Hornet・2011・米)に出ていた。使っていた銃はタウルスPT92のシルバー。

 DEAの美人捜査官デビーはポーラ・パットン。傑作SFミステリー「デジャヴ」(Deja Vu・2006・米/英)でデンゼル・ワシントンと恋に落ちる役をやっていた人。本作ではついにベッド・シーンがあって、ついに胸まで露出している。ナイス・バディ。「ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル」(Mission: Impossible - Ghost Protocol ・2011・米ほか)ではメンバーの1人をやっていた。使っていた銃はグロック。

 CIAの怖い男アールはビル・パクストン。ちょっとズルい役が多い人。「トゥルーライズ」(True Lies・1994・米)や「タイタニック」(Titanic・1997・米)など、ジェームズ・キャメロン作品に良く出ているが、「アバター」(Avatar・2009・米/英)には出ていなかった。最近見たのは「エージェント・マロリー」。使っていた銃はルガーのSP101ステンレス・リボルバー。

 海軍情報部のクインス少佐はジェームズ・マースデン。「X-メン」(X-Men・2000・米)のサイクロプスを演じた人だ。「魔法にかけられて」(Enchanted・2007・米)では王子様を演じていた。そのあとあまりパッとしなかった感じ。このあと色々出ているようだ。使っていた銃はP226。

 海軍の提督役でちょっとだけ出ていたのは、フレッド・ウォード。古くは宇宙開発の実話を描いた「ライトスタッフ」(The Right Stuff・1983・米)やアクションの「レモ/第1の挑戦」(Remo Williams: The Adventure Begins・1985・米)、SFモンスター・アクション「トレマーズ」(Tremors・1990・米)などに出ていた人。最近は「ピザボーイ 史上最凶のご注文」(30 Minutes or Less・2011・独/加/米)に出ていたらしいが、小劇場公開で見ていない。

 原作は、作スティーブン・グラント、画マテウス・サントラウコの同名グラフィック・ノベル。脚本はプロデューサーで脚本家でもあるブレイク・マスターズ。脚本としてはフォックス系で放送されたTVドラマ「ブラザーフッド」(Brotherhood・2006〜2008・米)や「LAW & ORDER: LA」(Law & Order: Los Angeles・2010〜・米)を手掛けたらしい。劇場長編作は初めての模様だが、「LAW & ORDER: LA」なんか面白かったからなあ。

 監督はバルタザール・コルマウクル。アイスランド出身で、俳優からスタートし、監督よりプロデューサーとして手掛けた作品の方が多い。監督作品には実話の映画化「ザ・ディープ」(Djupia・2012・アイスランド)や、マーク・ウォールバーグが主演したハリウッド作品「ハード・ラッシュ」がある。アクションはなかなかの冴えを発揮する人らしい。次作も期待したい。

 公開3日目の初回、銀座の劇場は初回のみ全席自由。といっても、なぜかほとんどお昼からで、ゆっくりスタート。30分前くらいに着いたら窓口に15人くらいの行列。ほぼ中高年で、女性は2〜3人。ここはCM・予告編からほぼ暗くなるので、最終的な入場状況はわからないが、2〜3分前で50人ほど。あまり広告していないからなあ。

 気になった予告編は……第1作目は面白かったヴィン・ディーゼルのSFアクション・シリーズ第3作めが作られるらしい。ヴィン・ディーゼルの一言ビデオ・メッセージ付きで、上下マスクの「リディック ギャラクシー・バトル」は賞金稼ぎの話らしい。期待したいが……。3/8公開。

 上下マスクの「マイティ・ソー ダーク・ワールド」は面白そうに見えるが……2/1公開。

 ビジュアルのインパクトが強いのは「ゼロ・グラビティ」。若田さんが宇宙ステーションへ行ったばかりで、それと連動する部分もある気がして、恐ろしい。サンドラ・ブロックが良い感じ。ジョージ・クルーニーも出ている。これは見ないと。12/13公開。


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