You're Next


2013年11月17日(日)「サプライズ」

YOU'RE NEXT・2011・米・1時間34分

日本語字幕:丸ゴシック体下、齋藤敦子/シネスコ・サイズ(デジタル、Red)/ドルビー・デジタル

(米R指定、日R15+指定)

公式サイト
http://surprise.asmik-ace.co.jp/
(入ったら音に注意。全国の劇場リストもあり)

別荘地のある1軒家で夫婦が惨殺される。翌日、隣の大きなお屋敷風の別荘に中年夫婦がやって来る。中に入ろうとすると、なぜかドアの鍵が開いている。そしてどこかに人がいるような気配。そうこうしている内に、つぎつぎと息子、娘たちがやってきて、一家全員が揃う。両親の結婚35周年を祝うためだ。晩餐が始まると、家族それぞれにぎこちなさが露見するが、そのとき1本の矢が窓から飛び込んできて、長女の夫が即死してしまう。そして殺戮が始まる。

70点

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 なぜ2011年の作品を今?と思ったが、DVDを発売するのか。まったく残念な内容。予告からは、謎の襲撃者たちを家族が結束して返り討ちにする斬新な話かと思い期待したのだが、そんなことはなかった。この種の映画のダメなところを集めたような作品で、期待は見事に裏切られた。でもIMDbで6.8点の高評価。公式サイトでは満足度96%とか。

 必要のない、冒頭の殺し。しかもエッチから始めるというパターン。報酬によって殺しを依頼されるならプロのはずだが、プロは必要以外の殺しなどしない。手間がかかるしリスクも大きくなるからだ。だからほかに理由があるのかと思いきや、ただ物語の振りとするための必要のない惨殺シーンに過ぎなかった。よくあるパターン。もうここからガッカリ。思わせぶりな公式サイトの屋敷の設計図は何なんだ。まったく関係ないではないか。この作品をほめている人のコメントとリストがあるが、書いた人を覚えておいた方が良いのでは。

 日本語タイトル通りの映画だ。原題は「次はオマエだ」ということらしいが、それも関係ない。「サプライズ」はビックリだろうから、それはピッタリ。つまり音なんかで脅かす映画であって、怖いとかハラハラするとか、そういう映画ではない。ひょっとしてアメリカなんかの誕生日パーティーで良くある「サプライズ・パーティ」のようなものじゃなきゃ良いけどと思いもしたが(ビックリさせようと思ってやり過ぎて、逆に本気になられて逆襲されちゃうとかの「ゲーム」(The Game・1997・米)的なヤツ)、そうではなかった。単なるビックリ映画。

 現実に存在しない音、すなわち効果音を、でかい音量で使って脅す。何だこれ? せめて現実に起きそうな音を使え。良くあるパターンの突然鳥が飛ぶとか、ドアが閉まるとか、何かが落ちるとか。何も起きていないのに、ドカーンとかって大音響がするのはフェアーじゃない。ただ脅かす目的じゃないか……ああ、タイトルが「サプライズ」だった。

 キャストは、狙いなのかもしれないが、ほとんど見たことがない人ばかり。まあ、どうでもいいか。「ホーム・アローン」(Home Alone・1990・米)みたいに、襲撃者たちを返り討ちにしてくれれば面白かったのに。

 脚本は製作も兼ねるサイモン・バレット。これまで作られたほとんどが日本劇場未公開。最新作が公開されて、その勢いで古い作品まで公開してしまったという印象。設定はありふれているし、展開にも無理があり、会話も無駄なものばかり。あえてなくても良いくらい。本作ではタイガー・マスクの男として出演もしている。

 監督・編集はアダム・ウィンガード。この人もサイモン・バレットと似たような感じ。襲撃者がボウガン(クロスボウ)を持って外にいながら、何度も中にいる人たちが窓際に立ちながら撃たれないとか、できるだけ格闘で刃物を使って残酷に惨殺したいという意図があったような不自然な演出。しかも、これだけの大家族なのに、わざわざ1人になるという、これまたミエミエ演出。みんなバカか!? どちらにしても音で脅すのだから、あまり手腕は必要ないということだろう。カメラもシネスコなのに動かしまくり。

 武器はほとんど刃物。防御側は包丁、ドライバー、ハンマーなどで、攻撃側はナイフとナタというかマチェーテみたいなもの。銃はラストに登場する警官が4インチくらいのリボルバーを使う。オフィシャル・ポリスっぽかったが……。自作の武器のドアの仕掛けは、作った途端にラストのオチだとわかる……残念。

 かすれた感じのクレジットの文字はなかなかグッド。誰が手掛けたかは不明。

 公開4日目の2回目、六本木の劇場は全席指定で、金曜にムビチケで確保。当日10分前に開場。予想どおり若い人が多く、最終的には124席に15人くらい。女性はたぶん2〜3人。この出来では、こんなものだろうし、これ以上増えることもないだろう。

 気になった予告編は…… 上下マスクの「キッス・アス ジャスティス・フォーエバー」は新予告。面白そう。2月公開

 「銀の匙」はアニメというかコミックの実写版。3/7公開。

 「土竜の唄」は新予告というか、別バージョン。生田斗真の全裸磔が少ない版。やっぱりインパクトが少ない。2/15公開。

 上下マスクの「ハンガー・ゲーム2」はどうなんだろう。「1」があんな出来だったのに、続編を作るなんて。やっぱりアメリカでは受けたんだろうか。12/27公開。

 上下マスクの「ゼロ・グラビティ」は新予告に。これではジョージ・クルーニーが最初からいる。てっきりジョージ・クルーニーは危機に落ちたサンドラ・ブロックを助けてくれる宇宙人だから出てこないのかと想像したりしたが、違ったか。12/13公開。

 上下マスク「REDリターンズ」も新予告に。日本語ナレーション。面白そう。11/30公開。


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