Frozen


2014年3月15日(土)「アナと雪の女王」

FROZEN・2013・米・1時間42分

日本語字幕:手書き風書体下、黄色、松浦美奈/シネスコ・サイズ/ドルビーAtmos(IMDbではドルビー・デジタル、DATASATも)

(米PG指定)(日本語吹替版、3D上映もあり)

同時上映「ミッキーのミニー救出大作戦」(短編)
GET A HORSE・2013・米・6分
日本語字幕:手書き風書体下、黄色、松浦美奈/シネスコ・サイズ/ドルビー・デジタル、DATASAT

(米G指定)(日本語吹替版、3D上映もあり)

公式サイト
http://ugc.disney.co.jp/blog/movie/category/anayuki/
(全国の劇場リストもあり。ただし吹き替え・3D等の表記なし)

アレンデール国には2人の王女がいた。姉のエルサ(声:イディナ・メンゼル)と妹のアナ(声:クリステン・ベル)だ。2人はとても仲が良かったが、エルサには魔法の力があり、雪と氷を自由に操ることができた。ある日、2人で遊んでいたとき、お転婆なアナははずみでエルサの魔法の直撃を受けて気を失ってしまう。目覚めなくなったアナを心配した王と女王は、娘たちをつれてトロールたちに助けを求める。トロールの長老はアナの魔法を取り除くとほとんどの記憶も失ってしまうという。そして、エルサの力はますます強くなっていくから、コントロールする術を学ばなければならないという。そこでアナから魔法を取り除いてもらった両親は、エルサがコントロールできるようになるまで門を閉ざし、人々と触れ合わないように、そしてアナとも接触しないように隔離する。ところがしばらくして両親が船の事故で亡くなってしまう。そして3年後、エルザが女王になるための戴冠式が開かれることになり、久々に門が開けられ、アナもエルサと接触することを許されるのだが……。

82点

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 すばらしい絵と、美しい色使い、自然な動き、立体感、立体音響、心地よい音楽と歌。はらはらドキドキの大冒険と恋と、笑いと、魔法と、ハッピー・エンディングのミュージカル。堂々たるディズニ映画。ミュージカルが苦手な人にはダメかもしれないが、そうでなければ、とても楽しくて、優しい気持ちに慣れる映画。なんだかほっこりする。

 基本、誰も悪い人はいない。せいぜい何でも悪い方に取る他所の国から来た公爵のジイサンがいるくらい。悪い魔法使いさえも出てこない。アレンデールの国を氷漬けにしてしまう雪の女王にしても、だれも不幸にしないためにしたことであって、悪意はない。むしろ善意。呪いも、復讐もない。下心がある男も、策略で取り入ろうとはするが、そんなに悪い奴ではない。ただ。最後の最後にちょっとだけ……。

 美男美女の話で、貧しい若者はパターンだから出てくるとしても、基本は王族・貴族たちの話。そこに批判はあるかもしれないが、きれいな城、ハイソな内装、調度品、衣装、風俗などを見ることができる。絵として美しく、見る価値がある。

 絵も3Dを意識した絵作りで、2D上映で見たが結構、立体感があった。これは意外だった。十分じゃん。たぶんIMAXで見たら2Dでももっと立体感があるはずだ。

 ラストの結末も意外な展開で、そこまで決まり切った展開で来ながら、王道じゃないオチ。そうか、そう来たか。なかなか感動だった。そこから先はもちろん定石通りだったが。普通ミュージカルは絢爛豪華なセットや衣装と、ゴージャスな楽曲で悲惨な物語を描くことが多いが(特に実写や舞台は)、これは結構きれいな物語。さすがはディズニー・アニメ。

 英語版の声の出演は……お転婆なアナはクリスティン・ベル。TVドラマの「ヴェロニカ・マーズ」(Veronica Mars・2004〜2007・米)で主役の高校生探偵を演じていた美女。その後、最初は話題になった「HEROES/ヒーローズ」(Heroes・2006〜2010・米)にも後半出ていた。劇場映画はまだ作品に恵まれない感じで、印象に残っているのは「バーレスク」(Burlesque・2010・米)くらいだろうか。声の出演では劇場アニメの「ATOM」(Astro Boy・2009・香/米/日)をやっている。アナのキャラクターとしては、実在の人物で言うと、なんだか「スピード」(Speed・1994・米)でブレイクしたサンドラ・ブロックのような雰囲気がした。

 姉のエルサの声はイディナ・メンゼル。舞台を映画化したミュージカルの「RENT/レント」(Rent・2005・米)や実写のファンタジー・ミュージカル「魔法にかけられて」(Enchanted・2007・米)、TVのヒット作「Glee」(Glee・2009〜・米)に出ている人。当然本作の主題歌で大ヒットしている「Let It Go」も歌っている。

 アナを助ける氷売りのクリストフの声はジョナサン・グロフ。やはりTVの「Glee」に出ている人だ。ミュージカルなので声優でも歌えなければ話にならない。

 雪だるま、スノーマンのオラフの声はジョッシュ・ギャッド。数学vsギャンブルの「ラスベガスをぶっつぶせ」(21・2008・米)に出ていた人。最近では「スティーブ・ジョブズ」(jOBS・2013・米)でスティーブ・ウォズニアックを演じていたらしい。

 トロールの長老パビの声はキアラン・ハインズ。不気味な役が多い人で、最近は「ウーマン・イン・ブラック 亡霊の館」(The Woman in Black・2012・英/加/スウェーデン)に出ていた。

 キャラクターとしては、全くしゃべらないのだが、トナカイのスヴェンも良かった。いかにもディズニーのキャラクターという感じ。こんな相棒というかペットが欲しくなる感じ。

 原作というかベースになっているのはアンデルセンの「雪の女王」。子供のころNHKの教育テレビの人形劇で見た気がする。脚本は共同監督も務めるジェニファー・リー。脚本ではこの前にゲームの世界を描いたアニメ「シュガー・ラッシュ」(Wreck-It Ralph・2012・米)を書いている。監督は本作が初めて。

 もう1人の監督はクリス・バック。ディズニー・アニメ「ターザン」(Tarzan・1999・米)の共同監督を務めた人。本作の前に「サーフズ・アップ」(Surf's Up・2007・米)を共同監督している。

 公開2日目の初回、新宿の劇場は全席指定。当日は15分前くらいに開場となって場内へ。観客層は若い人から中高年まで幅広く、若い人が多い印象。字幕版でも下は親に連れられた小学生くらいの女の子。上映中、どこかで子供が泣いていたが、大丈夫だったのか。小さい子は2時間集中していられないからなあ。老若比は3対7くらい。倍近く居た。また男女比は3対7でみれまた女性が倍以上。ミュージカルということからなのかもしれない。最終的には607席に8割りほどの入り。さすがアカデミー賞最優秀アニメーション賞と主題歌賞受賞作品。

 気になった予告編は……上下マスクの「ニード・フォー・スピード」はストリート・カー・レースを描くものだそうで、なんだか「ワイルド・スピード」(The Fast and the Furious・2001・米/独)みたいな印象。原作はゲームらしい。6/7公開。

 上下マスクの「マレフィセント」は新予告に。全体にかなり怖そうな雰囲気。特にアンジェリーナ・ジョリーが怖い。マレフィセントとは「眠れる森の美女」に登場する魔女のことだとか。オーロラ姫はエル・ファニング。7/5公開。


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