RoboCop


2014年3月16日(日)「ロボコップ」

ROBOCOP・2014・米/英・1時間57分

日本語字幕:丸ゴシック体下、林 完治/シネスコ・サイズ(デジタル、Arri、Red、with Panavision)/ドルビー・デジタル、DATASAT、SDDS

(米PG-13指定)

公式サイト
http://www.robocop-movie.jp
(入ったら音に注意。全国の劇場リストもあり)

アメリカのオムニコープ社はロボットの警官「ロボコップ」の、人型のED-2Gや二足砲塔型のED-208を世界各国に売り込み、危険な地域の任務に当たらせていたが、アメリカだけは「ドレイフュス法」によってロボットによる治安維持は禁じられていた。最大の理由は感情を持たない物に命を預けられないというものだった。そこでオムニコープ社のレイモンド・セラーズ社長(マイケル・キートン)は手足などを失った人間と、ロボットを合体させた製品を作るため、リハビリ・センターで人口の腕や足を開発しているデネット・ノートン博士(ゲイリー・オールドマン)と組み、候補者探しを始める。そのころデトロイト警察のアレックス・マーフィ刑事(ジョエル・キナマン)はギャングのバロン(パトリック・ギャロー)一味によって愛車に爆弾を仕掛けられ、左手左足を失い、体の80%が4度の火傷という重傷を負う。セラーズ社長は妻のクララ(アビー・コーニッシュ)に命が助かるには体をロボットにするしかないと説得し、ロボコップとしてよみがえらせる。

73点

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 良い、悪いの前に、カメラ動かし過ぎ。この監督にはまだシネスコは早かったのでは。何でもないカットまで、カメラが揺れていて、カメラ酔いしそう。IMAXでの上映もあるようで、IMAXならなお酔うんじゃないかなあ。そして、あからさまに、デジタル処理するショットでは、完全なフィックスになっていることが多い。もちろん、手間をかければ手持ちカメラでも動きをトレースして、自然なデジタル合成できるのだが、それだと大変な手間がかかる。ドキュメンタリー・タッチにしたかったのかもしれないが、SFアクションでファンタジーの部分もあり、それは必要ないだろう。

 それ以外は、第1作に対する敬意とかも感じられ、アクションの切れも良く(カメラさえ動かなければ)、銃撃戦も壮絶な感じで素晴らしい。生身の人間として残っている部分の表現も実に生々しく、この大人のファンタジーのような物語を信じさせる手だてとなっている。

 冒頭のテーマ曲も、大ヒットした前作の曲で、他のロボコップは前作のデザインに近いし、主人公のマーフィーも最初はほとんど前作のデザインだ。ただこれにオムニコープ社の社長が異を唱えて、鶴の一声「黒にしよう」で黒にされてしまう。ボロボロになったラストでは修理されて再びシルバーの前作のデザインにもどるし。これがなかったら、黒いスーツのようなデザインは受け入れられなかったかも。

 アレックス・マーフィ刑事はスウェーデン生れのジョエル・キナマン。残念ながら、警官というよりは犯罪者に見える。どういうキャスティングなんだろう。日本の感覚とあわないと言うだけだろうか。小劇場での公開で見ていないが「ダーケストアワー 消滅」(The Darkest Hour・2011・米)に出ていたらしい。それ意外ではデンゼル・ワシントンとライアン・レイノルズのアクション「デンジャラス・ラン」(Safe House・2012・米/南ア)にも出ていたんだとか。どこかで見た気はしたが、あまり印象に残っていない。生身の人間の時使っていた銃はベレッタPx4。ロボコップになってからはTSR66と呼ばれる大腿部に収納された2挺の50口径のプロップガンと、同様に50口径のサブマシンガン、そしてMP7 SMGも使う。ただしロボコップはマーカーのある人を撃てないようにプログラムされている。

 オムニコープ社のレイモンド・セラーズ社長はマイケル・キートン。歳を取ったなあという印象。1951年生れらしいから63歳か。「バットマン」(Batman・1989・米/英)やってたのに、すっかり悪役のイメージ。最後に見たのはスリラーの「サイレントノイズ」(White Noise・2005・英/加/米)だったか。このときはそんなでもなかったのに。グロックを使っていた。

 良い役のデネット・ノートン博士は、悪役が多いゲイリー・オールドマン。最近だと「バットマンビギンズ」(Batman Begins・2005・米/英)から始まるシリーズでは良い刑事を、「欲望のバージニア」(Lawless・2012・米)ではギャングを演じていた。

 過激な発言連発のTVニュース・ショーのMC、パット・ノヴァクはサミュエル・L・ジャクソン。最近は「アイアンマン」(Iron Man・2008・米)以降、同系シリーズのニック・フューリー役でいろんな作品に出ていて、そんな役が多い感じ。また残酷ウェスタン「ジャンゴ繋がれざる者」(Django Unchained・2012・米)では、とんでもない黒人執事を演じていた。最近作は韓国映画のリメイク「オールド・ボーイ」(Oldboy・2013・米)らしい。

 オムニコープ社の警備担当の主任、傭兵のようなリック・マトックスはジャッキー・アール・ヘイリー。なんだか怖い雰囲気の人。最近だとティム・バートン版吸血鬼の「ダーク・シャドウ」(Dark Shadows・2012・米/豪)や「リンカーン」(Lincoln・2012・米)に出ている。使っていた銃はUSPマッチのように見えたが、imfdbではバレル・ウェイト付きのKH45としている。

 ほかに出てきた銃は、AKのレール・カスタム、撃たないがFN F2000、SG551/552、スタンド・アローンのグレネード・ランチャー、MP5、クリス・ベクター、M4カービン、タボールなど。すごい銃撃戦だ。主人公はロボットなので、50口径以下なら多少は銃弾にあったてもOKだから一層過激になっている。武器係は2人の名前がエンド・ロールにあったが、IMDbでは4人あげられている。

 リード・アーマラーはカナダの人でAl Vrkljan。名字は何と読むのかわからない。最近だとリメイクの「トータル・リコール」(Total Recall・2012・米/加)や「RED/レッド」(Red・2010・米)などを手掛けている人。ヘッド・アーマラーでチャールス・タイラー。この人もカナダの人で、主にTVで活躍しているようで、劇場映画だと最近出は「キック・アス/ジャスティス・フォーエバー」(Kick-Ass 2・2013・米/英)を手掛けている。Vrkljanとの仕事が多いようだ。ほかに「RED/レッド」も手掛けたグラハム・ロバートソン、TVで活躍しているリック・ウォーキントンの名も上がっている。

 脚本はジョシュア・ゼトゥマー。どうも長編劇場映画は本作が初めてらしい。ベースはオリジナル版の「ロボコップ」(RoboCop・1987・米)になっているらしいが。どこの人かも不明。

 監督はジョゼ・パジャーリャ。実際にブラジルで起きたバイ・ジャックを追ったドキュメンタリー「バス174」(Oibus 174・2002・ブラジル)で話題になった監督。ブラジル生れの47歳。そのご日本劇場未公開の特殊部隊アクション「エリート・スクワッド(未)」(Tropa de Elite・2007・ブラジル)でベルリン国際映画祭金熊賞受賞。これが本作に繋がったらしい。ただし、予想どおりシネスコ・サイズは本作が初めてらしい。ドキュメンタリーの人は手持ちカメラが多いからなあ。


 公開3日目の初回、新宿の劇場は全席指定。12〜13分前に開場。下は中学生くらいからいたが、メインは中高年。ほとんど男性で、女性は男性20人に1人くらい。最後に若い人も少し増えて、最終的には287席に6割りくらいの入り。

 近くにいたオヤジが靴を脱いで、匂いはしなかったが不快。どんなマナー感を持っているんだろう。暗くなるから見えないとか思ってるんだろうか。自宅にいるわけじゃないんだから……。ケータイはあちこちで点いていてまぶしいし……。

 気になった予告編は……歴史的な大災害を描いた上下マスクの「ポンペイ」。「バイオハザード」の監督が描くと出たけど、ポール・W・S・アンダーソンは「三銃士/王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船」(The Three Musketeers・2011・独/仏ほか)が残念で、SFの方が向いていると思うんだけど、また歴史物か。どうなんだろう。6月公開。

 「THE NEXT GENERATION―パトレイバー―」はとにかく実寸大というパトレーバーがすごい。ものすごい実在感。CGとは違った何かがある。4/5から第1章公開。

 「リベンジマッチ」は「ロッキー」(Rocky・1976・米)のシルベスター・スタローンと「レイジング・ブル」(Raging Bull・1980・米)のロバート・デ・ニーロが年取ったボクサーとして登場し再びリングで戦うと。あれ、どこかでいたような話。予告はなんだか既視感満載。どこかで見たようなシーンばかり。でもスタローンとデ・ニーロの顔合わせだし、アラン・アーキンやキム・ベイシンガーも出てるからなあ。4/4公開。


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