Captain America: The Winter Soldier


2014年4月26日(土)「キャプテン・アメリカ ウィンター・ソルジャー」

CAPTAIN AMERICA: THE WINTER SOLDIER・2014・米・2時間16分

日本語字幕:手書き風書体黄色影付き、林 完治/シネスコ・サイズ(デジタル、ALEXA)/ドルビーATMOS、ドルビー・デジタル、DATASAT

(米PG-13指定)(3D上映もあり)

公式サイト
http://studio.marvel-japan.com/blog/movie/category/captain-america2
(全国の劇場リストもあり)

国際平和維持組織シールドのストライク・チームのリーダーとして活躍するキャプテン・アメリカ(クリス・エヴァンス)は、あるときニック・フューリー長官(サミュウル・L・ジャクソン)に呼ばれ、新造巨大空母3隻を使った「インサイト計画」が進行中であることを聞かされる。それは空中から全人類の敵となる人物を監視し、いつでも抹殺できるようにするものだった。キャプテン・アメリカは異議を唱え、ニック・フューリー長官も「インサイト計画」の延期をシールズの理事であるアレクサンダー・ピアース(ロバート・レッドフォード)に進言するが聞き入れてもらえない。そんなとき、ニック・フューリー長官が謎の暗殺者ウィンター・ソルジャー(セバスチャン・スタン)に襲われ、ブラック・ウィドウ(スカーレット・ヨハンソン)が盗み出したファイルの入ったメモリー・チップをキャプテン・アメリカに託して死亡する。キャプテン・アメリカとブラック・ウィドウの2人はメモリー・チップを手がかりに捜査を開始するが……。

73点

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 うーむ、スゴイんだけど、スゴ過ぎてほとんどCGの作り物という感じ。リアルで見た目の違和感はないものの、あり得ない映像の連続でアニメのような感覚も。現実感がない。カメラワークもスゴイけれど、やっぱりCGなんだろうという。だから感情も伝わって来にくい。ただそのCGのレベルは異常に高い。そしてスケール感も半端ない。

 とはいえ、アクション・シーンが良くない。アクション・シーンだけカメラを振ったり、速度を速めているようで、特に3D上映では認識が遅れるから目がついて行かない。とても疲れる。長いこともあって、眠くなる。アメリカ人的には面白いのだろうが、どうも日本人的にはピンと来ないというか、なんかなあ……。見どころは素晴らしい3D-CGと、美女スカーレット・ヨハンソンくらい。3D上映はたいして効果がなく、むしろ疲れるだけ。たぶん2Dで見た方が眠くならないし見やすいのでは。カメラワークがすごいところもあるが、デジタルならどうにでもなるだろうし、それより監督がアクションに慣れていないのではないだろうか。見せ方がヘタ。

 海から船に上がってくるのに濡れていなかったり、ブラック・ウィドウのグロックがサプレッサーなしなのに銃声が小さかったり、突っ込みどころも満載。しかも、キャプテン・アメリカがフリスビーのように使う円盤の楯を背負うとまるでニンジャ・タートルだ。漫画ではないかって、これは漫画が原作だった。

 終わってトイレに行ったら、「疲れたあ。目が付いて行けないよ」の声が。まったく同感。たいして立体感もないのに、2Dで充分というか、2Dの方がいいかも。

 キャプテン・アメリカはクリス・エヴァンス。「セルラー」(Cellular・2004・米/独)が抜群に良かったが、その後あまりパッとしなかった感じ。「ファンタスティック・フォー[超能力ユニット]」(Fantastic Four・2005・米/独)も残念だった。スカーレット・ヨハンソンとは未公開作品も含め何回か共演している。「私がクマにキレた理由」(The Nanny Diaries・2007・米)は面白かったが小さな役で、クリス・エヴァンスは存在感なし。最近出たSF「スノーピアサー」(Snowpiercer・2013・韓/米ほか)はヒゲが伸びていてわからなかったが、なかなか良かった。

 ブラック・ウィドウはスカーレット・ヨハンソン。とにかく美人。こういう映画にも出るところがまたイイ。体にぴったりしたスーツで、お尻がステキ。どうしても「モンタナの風に抱かれて」(The Horse Whisperer・1998・米)の印象が強いが、意外と「ヒッチコック」(Hitchcock・2012・米/英)のジャネット・リー役は存在感があって良かった。「モンタナの風に抱かれて」で監督もしたロバート・レッドフォードと共演している。

 驚いたのはアレクサンダー・ピアース役のロバート・レッドフォード。大御所で、まさかこういう作品に出るとは。たぶん今までこういう映画に出たことはなかったのではないだろうか。何か心境の変化か。ボク的には「明日に向かって撃て!」(Butch Cassidy and the Sundance Kid・1969・米)や「スティング」(The Sting・1973・米)が最高傑作という気がするが、意外とコメディ系も良かったりする。最近見たのは学生運動をモチーフにしたミステリー「ランナウェイ/逃亡者」(The Company You Keep・2012・加)。


 今回新たに加わった、元軍人のサム・ウィルソンはアンソニー・マッキー。爆発物処理班の活躍を描いた「ハート・ロッカー」(The Hurt Locker・2008・米)、SFラブ・ストーリーの「アジャストメント」(The Adjustment Bureau・2011・米)や、最近では「L.A.ギャング・ストーリー」(Gangster Squad・2012・米)に出ていた人。印象に残る。

 脚本はクリストファー・マルクスとスティーヴン・マクフィーリー。2人で「ナルニア国物語/第1章:ライオンと魔女」(The Chronicles of Narnia: The Lion, the Witch and the Wardrobe・2005・米/英)シリーズを書いており、1作目の「キャプテン・アメリカ ザ・ファースト・アベンジャー」(Captain America: The First Avenger・2011・米)はもちろん、「マイティ・ソー/ダーク・ワールド」(Thor: The Dark World・2013・米)も書いている。「ナルニア」以外はなあ……。アメリカでは受けはいいようだが。

 監督はアンソニー・ルッソとジョー・ルッソの兄弟。「ウェルカム トゥ コリンウッド」(Welcome to Collinwood・2002・米/独)で注目されたという。その後2人はTVで活躍し、再び劇場映画に戻ってきたらしい。ヒットを受け、第3作も手掛けるのだとか。うむむ。

 銃は、船を襲った海賊たちがG36CやEotechの付いたM4カービンなどを使い、ブラック・ウィドウはグロックの2挺拳銃。警察のSWATはM4カービンで、悪党どももメインはM4カービンで、グレネード・ランチャー付きもあり、ほかにFN F2000なども使っている。またミニガンまでも登場する。アレクサンダー・ピアースがシルバーのP226を、女性エージェントのシャロンがFN-P45を使っている。ガン・ロッカーには1911カスタムもあったような。そしてウィンター・ソルジャーがVz61スコーピオン、翼を付けて飛ぶサム・ウィルソンがシュタイアのサブマシンガンを使う。銃撃戦はかなり派手だ。

 エンド・クレジットはものすごい人数。CGを使いまくりだからだろう。そこでアーマラーは見つけられなかったが、IMDbによるとヘッド・アーマラーはラリー・ザノフ。この人は最近だと「野蛮なやつら/SAVAGES」(Savages・2012・米)、「ジャンゴ 繋がれざる者」(Django Unchained・2012・米)、「エンド・オブ・ホワイトハウス」(Olympus Has Fallen・2013・米)など、個性的な銃が出てくる作品に関わっている。

 公開8日目の初回、新宿の劇場は3D字幕上映の全席指定。金曜に確保して、当日は12〜13分前に開場。意外に中高年がほとんどで、むしろ高齢者が多い感じ。それも8〜9割くらいは男性。最終的には157席に4割りくらいの入り。1週間目でこの入りはヤバイのではないだろうか。アメリカでは大ヒットしたらしいが……。

 気になった予告編は……とにかく明るいまま予告編を上映するのは止めて欲しい。良く見えない。特に上下マスク「X-MENフューチャー&パスト」は暗いシーンが多く、どうなっているのか。5/30公開。面白そう。

 半暗になってCMのあと本式の予告か。上下マスクの「マレフィセント」は新予告に。特殊メイクしたらしいほお骨の出たアンジェリーナ・ジョリーが怖い。7/5公開。

 上下マスクの「ニード・フォー・スピード」はストリート・レースの話らしく、どうにも「ワイルド・スピード」(The Fast and the Furious・2001・米/独)とダブる気が。6/7公開。

 3Dメガネの説明があった後、スイッチを入れろと。入れてから渡してくれればいいんじゃない? めんどうな。暗くなってからのテストじゃ、メガネが作動しなくても、係員に言いに行くのは大変だ。タイミングがおかしくないか。しかもレンズにくもりがあるし。

 スクリーンが上下が狭まってシネスコ・サイズになり、3Dで「ポンペイ」の予告。ただ半暗なので明るくて3Dはスクリーンが見にくい。何か「グラディエーター」(Gladiator・2000・米/英)みたいな雰囲気。「24」のジャックことキーファー・サザーランドが出ていた。ミラ・ジョヴォヴィッチは出ていないのだろうか。6/7公開。

 暗くなって、最後に映像があると字幕が出てから本編へ。ラストはあの予告が入って、「アベンジャーズで帰ってくる」とまた「007」のような予告文字。


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