Last Vegas


2014年5月25日(日)「ラスト・ベガス」

LAST VEGAS・2013・米・1時間45分

日本語字幕:フチ付き丸ゴシック体下、藤澤睦実/シネスコ・サイズ(デジタル)/ドルビー・デジタル、DATASAT(IMDbではドルビー・デジタルのみ)

(米PG-13指定)

公式サイト
http://lastvegas.jp
(音に注意。全国の劇場リストもあり)

かつて近所の幼なじみで、いつも一緒に遊んでいた男4人と女1人。58年後、男4人となったが時々連絡を取りあう関係が続いていた。そしてある日、リーダー的な存在だったビリー(マイケル・ダグラス)が30歳以上も歳の離れた若い女性と結婚することになり、ラスベガスで独身最後のバチェラー・パーティを開くため、発作を起こさないため息子から何もするなと言われているアーチー(モーガン・フリーマン)、最近元気がないと妻に心配されているサム(ケヴィン・クライン)、最愛の妻に先立たれ引きこもりがちのパディ(ロバート・デ・ニーロ)が久しぶりに集まることになる。

76点

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 出来過ぎの話で、リアルさはないのかもしれない。基本、コメディだし。大人のファンタジーと呼んだ方がいいのかもしれない。しかし面白かったし、笑えたし、ボクの心の琴線に触れるものがあった。映画らしい映画で、男たちの関係が気持ち良く、老人が活躍する痛快さも気持ち良かった。いつまでも見ていたような、そんな感じ。今さらながら、こんな友達が欲しい。

 とにかく素晴らしいのは、4人のキャラクター。リーダー役のビリーはプレイボーイで、金持ちらしく、ちょさといけ好かない感じもするのだが、ラストで良い奴だとわかる。お互いを尊重し、好きなことを言い合い、大騒ぎもするが、守るべきところはちゃんと守り、バカはやらない。浮気しそうになる若い女に、「あなたのような男性と結婚したい」とまで言わせる。

 そして普段はまわりから老人扱いされていて、すっかり老人そのもの。ところが、ベガスへ行って普段のしがらみを取っ払ってしがらみを外すと、途端に生き生きして魅力的になり、大活躍。老人扱いが人を老人にしてしまうのではないかと。

 スラップスティックな笑いでは無く、シチュエーションや巧妙なセリフで笑わせるギャグ満載。自虐もあったり、カッコよかったり、ジーンとさせたり。実にいい雰囲気。しかも、なんだか4人と一緒にラスベガスへ旅行したような気になる。この辺も見事。

 音楽も、ちょっと古い曲もあったりしていて懐かしく、全体に優しい曲が多くてほっこりする。劇中、メアリー・スティーンバージェンが歌う曲も良かった。このサウンド・トラックは買いかも。特にラストのアース・ウインド・アンド・ファイアーの“セプテンバー”が染みた。

 プレイボーイのビリー役はマイケル・ダグラスにピッタリのイメージ。奥さんのキャサリン・ゼタ・ジョーンズはいま病気で大変なようだが、過去にはいろいろゴシップの絶えなかった人。名作への出演も多く、「ブラック・レイン」(Black Rain・1989・米)では日本にも来ている。見ていないが、つい最近TVムービーの「恋するリベラーチェ」(Behind the Candelabra・2013・米)にマット・デイモンとともに同性愛者の役で出ていたらしい。1944年生れの70歳。

 暗いキャラのパディはロバート・デ・ニーロ。最近映画に出まくりで、2013年に制作された映画だけで7本も出ている。名優だからもちろんどれも説得力がある。最近作はシルベスター・スタローンと共演した「リベンジ・マッチ」(Grudge Match・2013・米)。さすがに老いを強調した役が多くなってきたようだ。1943年生れの71歳。

 アーチーはモーガン・フリーマン。米空軍の退役軍人のキャップをかぶっていたから、そういう設定だったのだろう。この人も名優で、本当にうまい。そしてこんな良い人の役は実にピッタリ。笑わせてくれる。1937年生れということは77歳か! 本作の前に「グランド・イリュージョン」(Now You See Me・2013・仏/米)に出ている。

 一番の笑わせ役サムはケヴィン・クライン。たぶん注目されたのは西部劇の「シルバラード」(Silverado・1985・米)あたりから。「ワンダとダイヤと優しい奴ら」(A Fish Called Wanda・1988・米/英)でアカデミー助演男優賞を受賞。最近あまり見かけなかった気がする。ボクが最後に見たのは「ピンクパンサー」(The Pink Panther・2006・米/チェコ)だったろうか。出ていないわけではなく、日本公開されるものが少ないか、アート系公開ばかりということらしい。1947年生れの67歳。本作でもたっぷり笑わせてくれる。

 重要な紅一点のダイアンはメアリー・スティーンバージェン。「バック・トゥ・ザ・フューチャーPART 3」(Back to the Future Part III・1990・米)で西部時代の学校の先生を演じていた人。最近はやはりアート系が多いようで、最後に見たのは「あなたは私の婿になる」(The Proposal・2009・米)あたり。1953年生れの61歳。さすがに老けた感じはしたが、まだまだ色気があって、歌もすばらしかった。

 脚本はダン・フォーゲルマン。アニメの「塔の上のラプンツェル」(Tangled・2010・米)を書いた人で、だいたいコメディ系が多いようだ。最近作はこほん公開されていないが、その前は「ラブ・アゲイン」(Crazy, Stupid, Love.・2011・米)を書いている。

 監督はジョン・タートルトーブ。大笑いスポ根「クール・ランニング」(Cool Runnings・1993・米)のヒットで知られるようになった人。ずっとディズニー系畑だったようで、「ナショナル・トレジャー」(National Treasure・2004・米)も監督しているが、最近作は残念な「魔法使いの弟子」(The Sorcerer's Apprentice・2010・米)。やはりコメディ系がうまい人のようだ。

 公開2日目の初回、新宿の劇場は全席自由。35分前くらいに着いたらオバサンが2人。30分前くらいには8人くらいになって入口が開き、階下へ。25分前くらいに開場。この時点では15〜16人ほど。ほぼ中高年で、男女比は半々くらい。15分前で30人くらいだったのに、予告が始まる頃には588席の1/3くらいが埋まったのはさすが。これくらい入って当然だと思う。

 それにしても、いくら節電とは言え、場内が暗過ぎ。本も読めないくらい。ときどき明るくなったりしていたが、すぐにもどる。だから場内でケータイをつけると、煌々と光って遠くからでも気になる。ロビーでやれ。

 カーテンが左右に開いて始まった予告編で気になったのは…… ついに映像が公開になった「猿の惑星:新世紀ライジング」は、最初、西部劇かと思ったが、アクション満載で戦争映画のようでもあり、なんだかすごそう。秋公開。

 上下マスクの「マレフィセント」は新予告に。オーロラ姫とのからみもあって、期待させる。とにかくアンジェリーナ・ジョリーの尖ったほお骨が印象に残る。3Dでここも飛び出すのだろうか。7/5公開。

 かつて日活が「オヤジ劇場」銀座シネパトスでやっていた「男たちのヒート祭り」(B級テイストなアクションばかりを上映)をここでやるらしい。「沈黙の処刑軍団」「ザ・バッグマン 闇を運ぶ男」「レッドスカイ」の3本。6/21、7/5、7/19公開。見たいけど、4館あるからなあ……。どこでやるかで見たさが変わるなあ。

 上下マスクの「ノア約束の船」は新予告。エマ・ワトソンの日本向けビデオ・メッセージ付き。6/13公開。

 上下マスク「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」はそのままだったが、上下マスクの「トランスフォーマー/ロスト・エイジ」新予告に。はまたあの監督だが、とにかく絵はすごい。これにマーク・ウォールバーグが出ているなんて。新予告も絵がすごいのと、マーク・ウォールバーグが期待させる。8/8公開。

 上下マスクの「300帝国の進撃」は、300人の軍団ではないはずなのに……。今度は海戦らしい。絵画のような絵がすばらしいが、はたして。6/20公開。

 上下マスク「ザ・ホスト美しき侵略者」は、面白そうだが4館のうちのどこで上映するかだよなあ。公開日は他にもたくさんの話題作が公開されるし……。銀めっきのヘリがすごい。6/14公開。

 スクリーンが左右に広がって、1対2.2くらいで本編へ。ちょっと横長が足りないような……。


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