X-Men: Days of Future Past


2014年5月31日(土)「X-MEN:フューチャー&パスト」

X-MEN: DAYS OF FUTURE PAST・2014・米/英・2時間11分

日本語字幕:丸ゴシック体下、松崎広幸/シネスコ・サイズ(デジタル)/ドルビー・デジタル、DATASAT(IMDbではドルビー・デジタルのみ)

(米PG-13指定)(3D版、日本語吹替版もあり)

公式サイト
http://www.foxmovies.jp/xmen/
(音に注意。全国の劇場リストもあり)

2023年、人類が開発した対ミュータント用バイオメカニカル・ロボット「センチネル」は暴走を始め、ミュータントばかりか人類までをも攻撃し、地球そのものが滅亡しかかっていた。わずかに残ったミュータントも、プロフェッサーX(パトリック・スチュワート)とマグニートー(イアン・マッケラン)が手を組み「センチネル」と戦っていたが、「センチネル」はミスティーク(ジェニファー・ローレンス)のDNAから作られていたので、ミュータントの能力を取り込んで攻撃してきて、どんな必殺技を仕掛けても倒すことができなかった。そこで、意識を過去に送り込むことができるミュータント、キティ・プライド(エレン・ペイジ)の力を使い、どんなにダメージを受けても復活できるウルヴァリン(ヒュー・ジャックマン)の意識を1973年のウルヴァリンに送り込むことにする。この年、「センチネル」を開発することになる科学者のボリバー・トラスク博士(ピーター・ディンクレイジ)がミスティークによって暗殺されたことから、政府はミュータントを危険と判断して「センチネル」の開発を加速していたのだ。はたしてウルヴァリンはミスティークの暗殺を止め、守ることができるのか。

76点

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 いかにも「Xメン」らしい、映画。そして映画らしい映画。話のスケールが大きく、壮大で、とんでもない話なのにリアリティがあり、説得力があって、楽しめる。時間制限もあり、1973年の話と2023年の話が同時進行することで、ハラハラドキドキ感が半端ない。どちらの世界でも問題が起き、予定通り行かない。にっちもさっちも行かなくなる。一体どう解決するの?。

 タイムトラベルも、意識だけ過去の同じ人物に送り込むという設定で、あまり無理がないように思える。でも、過去で人を殺してない? もししていたら、未来の人口は変わることになるし、結果が変わることになるだろうし……。そんな抜かりはないか。

 1973年の風景もいい感じ。ニクソンが大統領で(ソックリさん!)、ちょうどベトナム戦争からアメリカ軍が撤退を開始した年。使われている曲も中高年には懐かしい。

 ただし、機械による人類滅亡で、過去に戻ってやり直すというのは「ターミネーター」(The Terminator・1984・英/米)そのままではないか。ただし、殺すのではなく殺させないのが目的だが。

 見どころは、過去世界からどうやっふミュータントたちを見つけ出し、いかに仲が悪い同士を協力させるか。やっと苦労してくっつけると、今度は協力していながら立場の相違から最後には反発しあい、一体何やってんだと。それをどう解決するか。そして、すごいミュータントたちと、その能力と、それをリアルに描き出す3D-CG技術。

 オール・スター状態とは良いながら、メインは歳を取らないウルヴァリンとミスティーク、そして若き日のマグニートーとチャールズ・エグゼビア。

 ウルヴァリンはハマり役となったヒュー・ジャックマン。「ウルヴァリン:SAMURAI」(The Wolverine・2013・米/英)に出ていたと思ったら、シリアスな誘拐ものの「プリズナーズ」(Prisoners・2013・米)に出ていて、すぐ本作。すごいなあ。出まくり。「X-メン」(X-Men・2000・米)から早14年だ。歳を取らない役なので、そろそろ辛いかも。

 ミスティークはジェニファー・ローレンス。コスチュームが水着のようなものなので、とてもエロティック。「ハンガー・ゲーム」(The Hunger Games・2012・米)シリーズは残念だが、「アメリカン・ハッスル」(American Hustle・2013・米)は生活感があって、大人っぽくて良かった。本作も、ほとんどセリフはないが良い感じ。

 若き日のマグニートーはマイケル・ファスベンダー。この人も良く映画に出ているような。あまりに整った顔で「プロメテウス」(Prometheus・2012・米/英)のアンドロイドがピッタリだったが、ショッキングな「悪の法則」(The Counselor・2013・米/英)でもいい味を出していたし、奴隷の実話を描いた「それでも夜は明ける」(12 Years a Slave・2013・)でもしっかり印象に残った。

 若き日のチャールズ・エグゼビアはジェームズ・マカヴォイ。この人も最近良く出ている感じ。「ナルニア国物語/第1章:ライオンと魔女」(The Chronicles of Narnia: The Lion, the Witch and the Wardrobe・2005・米/英)のタムナスさんがいい雰囲気で、ショッキングな「ラストキング・オブ・スコットランド」(Last King of Scotland・2006・英/独)は怖さが良く出ていた。最近は「トランス」(Trance・2013・英/仏)などバイオレンス系が多いような。

 ローグ役のアンナ・パキンも出ていたらしいが、気が付かなかった。

 脚本はプロデューサーでもあるサイモン・キンバーグ。イギリス生れで、脚本は面白い作品と残念な作品がハッキリ分かれる人。「ジャンパー」(Jumper・2008・米/加)や「Black & White/ブラック & ホワイト」(This Means War・2012・米)、なんて作品も書いているが、本作のシリーズ前2本のほか、大ヒットとなった「シャーロック・ホームズ」(Sherlock Holmes・2009・米/独)も書いている。だいたいはアクションものがいいような。

 監督はシリーズ第1作「X-メン」から手掛けているブライアン・シンガー。最近はTVの製作総指揮が多いようで、「ジャックと天空の巨人」(Jack the Giant Slayer・2013・米)はかなり残念だった。とても同一人物とは思えないほど。また「ユージュアル・サスペクツ」(The Usual Suspects・1995・米/独)のようなものも撮って欲しい。

 1973年で使われていた銃は、ギャングがガバメント、ハイパワー、若き日のストライカー少佐がガバメント、兵士や護衛はM16A1、マグニートーに対処したプラスチックの透明銃はパイソンとガバメント。エンド・クレジットではクリスチャンなんとかとあったように思うが、IMDbにはリストされていない。

 ラスト、エンド・クレジットの後に映像があるので、早く出ないように。人々の前に立つのは誰? 男?女? 宗教? 神?

 公開2日目の初回、新宿の劇場は全席指定で、2D字幕版の上映。金曜の夜にムビチケで確保したら、まだ余裕だった。当日は12〜13分前に開場。若い人から中高年まで幅広く、男女比は6対4くらいで男性の方が多かった。2D版は上映劇場が小さく、157席だったので、当然のようにほぼ満席。

 気になった予告編は……上下マスクの「トランセンデンス」はジョニー・デップがビデオ・メッセージで登場する新予告に。ちょっとダークっぽいが、ますます楽しみ。6/28公開。

 上下マスクの「ポンペイ」も新予告に。スペクタクルはすごいが、奴隷の剣闘士のラブ・ストーリーみたいな感じで、「グラディエーター」(Gladiator・2000・米/英)をなぞったようなものでなければいいが。6/7公開。

 「猿の惑星 新世紀ライジング」は新予告に。進化した猿たちは森で暮らしていて、そこへ人間が入っていくようだ。そしてほぼ戦争へ。うむむ。猿がめちゃくちゃリアル。9月公開。

 左右に広がって、暗くなって本編へ。


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