Need for Speed


2014年6月7日(土)「ニード・フォー・スピード」

NEED FOR SPEED・2014・米/フィリピン/アイルランド/英・2時間11分(IMDbでは132分)

日本語字幕:手書き風書体下、菊地浩司/シネスコ・サイズ(デジタル、in CANON)/ドルビー・デジタル、DATASAT、SDDS

(米PG-13指定)

公式サイト
http://disney-studio.jp/movies/nfs/
(全国の劇場リストもあり)

仲間たちと自動車修理工場を営むトビー(アーロン・ポール)は、ローカル・レースのチャンプ。ある日、セレブのライバル・レーサー、ディーノ(ドミニク・クーパー)が現れ、フォードのマスタングを昔シェルビーがしたようなイカしたカスタムにしてくれたら、売値の1/4を払うと申し出る。経営が行き詰まっていたトビーは申し出を受け、最高時速370kmが出る車を完成させる。大々的な発表会で、イギリス訛りの女性ジュリア(イモージェン・プーツ)が現れ、本当に370km出るなら270万ドルで買い取ると言う。かくして車は売れるが、ディーノはオレとレースをして勝ったら全額、負けたらゼロで勝負しないかと提案してくる。そしてディーノの叔父の車アゲーラ3台で、ディーノ、トビー、トビーのチームの若手でディーノの彼女アニータ(ダコタ・ジョンソン)の弟のピート(ハリソン・ギルバートソン)3人でストリート・レースをすることに。ところが、ディーノとピートの車が接触、ピートはディーノが逃走したため亡くなってしまう。そして、ストリート・レースと事故の責任を問われてトビーが逮捕され、2年間刑務所に服役する。

70点

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 IMDbでは7.2点と高評価だが、日本人的にはどうにも……。どこかで聞いたような話で、予定調和というか、決まり切ったパターンのままの映画。何のヒネリも無く、決して予想を裏切らない。何回も「バカか」と突っ込みを入れたくなった。

 ゲームの映画化らしく、ストーリーはどうでもいいのだろう。見どころはスーパー・カーによるスピード感あふれるレース・シーンと、美しい絵、迫力の音響のみ。ちょっとレース・カーに乗り込んだような気にもさせてくれる。しかし、有名な俳優もほぼ出ていないし、タフを気取った無口な男って、いまさらこんなヤツが主人公? どうにもチンピラっぽく見えて感情移入しにくかった。

 技術的にはすごいと思う。俳優たちが本当に危険なシーンで運転しているように見える。仮に本当にやっていたとしても、いまはデジタルでできるから、感動は薄いのが残念。ストーリーがちゃんとしていて、無口なタフガイなんてヤツじゃなかったら、最後には感動していたかもしれないけど。ゲームを好きな人は、実写映画としてみることができて、楽しいのかもしれない。また次々と登場するスーパー・カーの数々も、ファンにはたまらないものがあるのだろう。ボクはその辺のところがビンと来なかったので、いまひとつ乗り切れなかった。

 主役のトビーはアーロン・ポール。TVで活躍してきた人で、ほとんど日本では知られていない。アメリカでは有名なのだろうか。なぜこの人だったのか、よくわからない。

 ヒロインの美女ジュリアはイモージェン・プーツ。残念なゾンビもの「28週後...」(28 Weeks Later・2007・英/西)でメインとなる子供の姉の方を演じていた子。他にリメイク版の「フライトナイト-恐怖の夜-」(Fright Night・2011・米/印)で主人公の恋人を演じていた。最近だと「フィルス」(Filth・2013・英)に出ていたようだが見ていない。ロンドン生まれの、本物のイギリス人。

 ライバルのディーノはドミニク・クーパー。「マンマ・ミーア!」(Mamma Mia!・2008・英/米/独)で娘の婚約者の青年を演じていた人。最近だとコリン・ファレルの「デッドマン・ダウン」(Dead Man Down・2013・米)でチンピラを演じていた。この人もロンドン生まれ。

 仲間の1人フィンは、ちょっとミニク・クーパー似のラミ・マレック。ショッキングなTV戦争ドラマ「ザ・パシフィック」(The Pacific・2010・米)で強い印象を残した人。トム・ハンクスが監督した「幸せの教室」(Larry Crowne・2011・米)にも生徒役で出ていた。

 良くわからないのは、ほとんどずっとラジオのスタジオのようなところにいるだけのザ・モナーク役のマイケル・キートン。物語上は重要な役どころだが、誰でもイイ感じはあって、実際に存在感もなかった。さすがに歳を取ったなあという感じ。このごろあまり見かけなくなっていたが、つい最近リメイク版の「ロボコップ」(RoboCop・2014・米)に出ていた。

 原作はエレクトロニック・アーツの同名レース・ゲーム。脚本はプロデューサーとしての仕事が多いジョージ・ゲイティンズ。どうも初めての脚本らしい。プロデュース作品も短編が多く、日本で劇場公開された作品はないようだ。

 監督はスコット・ウォー。なんとあの本物が出演した「ネイビーシールズ」(Act of Valor・2012・米)の監督だ。スタントマン出身で、劇場長編映画の監督としては本作で2作目。ちょっと目が回るシーンはあったものの、やはりアクションはうまい。スピード感もあった。脚本がまともで、もう少し有名俳優が出ていたら……。

 登場するスーパー・カーは、シェルビー・マスタング、ランボルギーニ・エレメント、サリーンS7、マクラーレンP1、ブガッティ・ヴェイロン、GTAスパーノ、ケーニグセグ・アゲーラR、グラン・トリノ1969など。

 銃は後半のグランドキャニオンあたりで出てくる ショットガン。これはM870あたりか。警官たちはグロック。

 公開初日の初回、新宿の劇場は全席指定で、ムビチケはわざわざ劇場まで行かなくてすむので電車賃の節約ができるものの、同じ日に見ようと思ったもう1本が普通の前売り券だったので、ムビチケを窓口で出して金曜に確保。当日は10分前くらいに開場。意外と若い人から中高年まで。ただ最初は15〜16人。女性は若い人が5〜6人。遅れてくる人が多く、最終的に232席の半分くらいが埋まっただろうか。本編が始まる前に立ち上がって出て行くカップルが2組みほどいて、関係者だったのだろうか。

 気になった予告編は……リーアム・ニーソンの上下マスクの「フライト・ゲーム」はエアー・マーシャルの話らしい。アメリカの上空を飛ぶ旅客機にはかならず1人乗っていると言われる。気になる。9/6公開。


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