Police Story 2013


2014年6月8日(日)「ポリス・ストーリー レジェンド」

警察故事2013・2013・香/中・1時間58分(IMDbでは110分)

日本語字幕:フチ付き丸ゴシック体下、伊東武司/シネスコ・サイズ(クレジットではIMAXも)/ドルビーATMOS

(香IIB指定)(日本語吹替版もあり)

公式サイト
http://www.policestory-legend.com
(音に注意。全国の劇場リストもあり)

香港警察のベテラン刑事ジョン・ウェン(ジャッキー・チェン)は、クリスマス・シーズンのある日、一人娘のミャオ(ジン・ティエン)に呼び出され、3周年記念パーティーで招待客しか入れないナイト・クラブ「ウー・バー」にやって来る。ところが、ミャオから彼氏として紹介されたオーナーのウー(リウ・イエ)はミャオを利用してジョンを呼び寄せただけで、ジョンを拘束してしまう。そして客全員を人質にとり警察に連絡すると、刑務所に収監されているウェイ(ジョウ・シャオオウ)を連れて来いと要求する。

74点

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 思っていた以上にミステリー仕立てで、なんだか舞台の芝居を見ているような雰囲気も。ほとんど物語は要塞と化したナイト・クラブの中だけで進行する。そこに主人公も呼ばれてやってくるし、5年前の事件の関係者も集められてくる。そして真相を求め、犯人探しが始まる。ちょっと「羅生門」(1950・日)的な構成でもある。

 ポリス・ストリーというから、割りとシリアス系のアクション映画だと思った。確かにアクション満載で、ジャッキーらしいアクロバティックな縦もふんだんに盛り込まれているのだが、メインはミステリーのような謎を探る話で、かなり感情に訴えてくる。重い内容。もちろん、ジャッキーも60歳ということでアクション・メインの作品からは引退宣言をしていながら、このシリーズはアクションがメインだからアクションは多い。

 香港だけではなく中国との合作という形なので、ちょっとニュアンスの違うものになっているかと思ったら、ちゃんとしたジャッキー映画で、ラストにはNG集も付いていた。堂々たるエンターテインメントで、ギャグを封印し、リアル路線で作ったミステリー。それでいてアクションを全面に取り込み、しかもアクションで締めると。

 西部劇の大スターのような名前のジョン・ウェン役はジャッキー・チェン。前作「ライジング・ドラゴン」(Chinese Zodiac・2012・香/中)が最期のアクション作品になるはずだったが、本作もアクション作品。監督に騙されたなんて言っているようだが、ビルからも落下してるからなあ。「ポリス・ストーリー」シリーズはほとんど笑いを入れないシリアス系で、おもしろい。ウワサでは「ラッシュ・アワー4」をやるとかやらないとか。まだまだがんばって欲しい。

 敵となるオーナーのウーはリウ・イエ。チェン・カイコー監督の「PROMISEプロミス」(The Promise・2005・中/米/韓)、チャン・イーモー監督の「王妃の紋章」(Curse of the Golden Flower・2006・香/中)、ハリウッド映画「セルラー」のリメイク「コネクテッド」(Connected・2008・香/中)などに出ている人。

 娘のミャオはジン・ティエン。ケバイ化粧が似合っていた。ほとんどの出演作が日本劇場未公開。「7日間の恋人」(Shadows of Love・2012・香/中)が公開されているが、見ていない。ジャッキー・チェンとは2011年にジャッキーのミュージック・ビデオで共演しているらしい。

 アクション監督は、公式サイトではヘ・ジュン。IMDbではアクション・コーディネーターがジャッキー・チェンで、ヘ・ジュンはスタント・コーディネーターとなっている。ジャツキー・チェンのスタント・チームのメンバーで、「メダリオン」(The Medallion・2003・香/米)以降のジャッキー作品に参加しているらしい。「ライジング・ドラゴン」でジャッキーとともに香港と台湾の最優秀アクション監督賞を受賞しているんだとか。

 監督・脚本・編集はディン・シェン。日本劇場未公開のリウ・イエ主演「アンダードッグ」(The Undergog Knight・2008・香/中)でジャッキーの目に留まり、ジャッキー主演の中国の時代物「ラスト・ソルジャー」(Little Big Soldier・2010・中/香)を監督することになった。本作はその流れということか。

 銃はほとんど中国製のものが使われているようで、ジャッキーが使うのはマカロフの中国版59式ピストルかと思ったら、どうもPPK似の64式ピストルのようだ。特殊部隊のSWATが使うのはブルパップ・ライフルの95式自動小銃らしい。スナイパー・ライフルは中国版ドラグノフの79式スナイパー・ライフル。ほかにグロックもあったように気がしたが、中国作品だからなあ……。銃より、カッターナイフの方が怖い気がした。

 ラストはもちろんNG集。CGなんか使っていないぞと。セリフの言い間違いが面白い。

 公開3日目の初回、六本木の劇場は全席指定。金曜にムビチケで確保。20分前くらいに到着し、チケットを印刷して待つと11〜12分前に開場。最初はオヤジが3人。雨の日で、席に傘ホルダーが付いていないので、置き場所に困るが、空いていたので問題なかった。遅れて入ってくる人もいたので正確なところはわからないが、180席にだいたい男性が10人くらいの、女性が3人くらいではなかったか。少ない! ジャッキー映画なのに。宣伝不足ではなかろうか。

 気になった予告編は……明るいままでよく見えない東宝ムービー・トピックスでは役所広司の「渇き。」原作は「このミス」の大賞受賞作。興味は惹かれるが失敗しそうな予感も。6/27公開。

 クマのぬいぐるみのテッドとセス・マクファーレン監督が登場する予告は、「荒野はつらいよ アリゾナより愛をこめて」で、西部劇になるらしい。テッドの続編かと思ったら違った。なんてタイトルだ。予告では「ミリオン・ウェイ・トゥ・ダイ」とかと出ていた気がするが。9月公開。

 上下マスクのSFアクション「ジュピター」は新予告に。公開日は不明。

 スカーレット・ヨハンソンの上下マスク「LUCY」は凄いアクションの連続という感じ。名優モーガン・フリーマンも出ている。面白そうだけど、リュック・ベッソンというのが引っかかる。8/29公開。


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