Police Story 2013


2014年6月14日(土)「ポンペイ」

Pompeii・2014・加/独・1時間45分

日本語字幕:丸ゴシック体下、林 完治/シネスコ・サイズ(デジタル、Red Epic)/ドルビーデジタル、DATASAT、SDDS

(加14A指定、独12指定)(3D上映もあり)

公式サイト
http://pompeii.gaga.ne.jp
(音に注意。全国の劇場リストもあり)

AD62年、北ブリタニアでケルト騎馬民族の反乱が起り、ローマ軍が一族を皆殺しにし、生き残ったものを奴隷としてローマへ連れ帰った。17年後、グラディエーターとなっていたケルト人のマイロ(キット・ハリントン)は、ブドウ収穫祭が開かれるポンペイのでの試合に出場するため移動し、褐色のクラディエーター、アティカス(アドウェール・アキノエ=アグバエ)と知りあう。そして、ポンペイの有力者の娘カッシア(エミリー・ブラウニング)はローマからもどる途中、馬車のトラブルを助けてくれたマイロに一目ぼれする。さらに、ポンペイに投資しようとローマの元老院議員コルヴス(キーファー・サザーランド)もやってきて、試合を観戦することになっていた。

70点

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 ありがちで平凡なストーリー。語り口も新しくないので、古い映画を見ているよう。ドラマはあるのに、全く伝わってこなかった。ただ、噴火シーンが凄いだけ。何だこれ。しかもヒーローとヒロインが日本人的にはピンと来ない感じで、まったく感情移入できなかった。極端な話、噴火シーンがなかったら見る価値ないかも。

 かつて、めったにいない美男美女は見るだけでもお金を払う価値があるなどといわれた。だから映画にはその国を代表するような美男美女が出た。第1回のミス日本だった山本富士子も女優になったし、主演しているだけで見たいという人もたくさんいた。八千草薫も宝塚在団中から映画に出演し、まさに絶世の美人という感じで、ボクらの上の世代の人たちは、そりゃ見れるだけでありがたかったとか。もちろん好みとか、国の違いとか、いろいろあるとは思うが、このヒーロー、ヒロインでよかったのだろうか。

 内容的には「スパルタカス」(Spartacus・1960・米)や「グラディエーター」(Gladiator・2000・米/英)をチープにしたような感じ。そこに火山の噴火を付け足したと。なんだか、出た人がみんな下手に見えてしまった。本当に残念。そしてかわいそう。さらに悲しい。

 主演のキット・ハリントンは、ゲーム原作の人気ホラーの続編「サイレントヒル:リベレーション3D」(Silent Hill: Revelation 3D・2012・仏/米/加)で、主人公と一緒に行動する高校の転校生を演じていた人。TVドラマの「ゲーム・オブ・スローンズ」(Game of Thrones・2011〜・米/英)がメインのようだ。

 ヒロインのカッシアはエミリー・ブラウニング。痛快ファンタジー・アクション「エンジェルウォーズ」(Sucker Punch・2011・米/加)の主演、ベイビードールを演じていた人。とても同じ人物とは思えない。あんなにかわいかったのに。現在公開中の「ザ・ホスト美しき侵略者」(The Host・2013・米/スイス)にも出ているらしいが、劇場がなあ……。

 ひとり存在感のある黒人闘士アティカスはアドウェール・アキノエ=アグバエ。人気TVドラマ「LOST」(Lost・2004〜2010・米)に出ていた人で、最近だと「マイティ・ソー/ダーク・ワールド」(Thor: The Dark World・2013・米)に出ている。

 ほかに元老院議員コルヴス役でキーファー・サザーランド、カッシアの母役でキャリー・アン・モスも出ているが、残念な印象のみ。

 目立っていた女優は、カッシアの侍女らしいアドリアネのジェシカ・ルーカス。一番美人だった。ただ作品が作品なので、これで注目されることはないだろう。かわいそう。気持ち悪いリメイク・ホラー「死霊のはらわた」(Evil Dead・2013・米)に出ていた人。これまた作品が残念。作品に恵まれたらブレイクするのでは。

 残念な脚本は3人。ジャネット・スコット・バチェラー、リー・バチェラー、マイケル・ロバート・ジョンソン。ジャネット・スコット・バチェラーはヴァル・キルマー版「バットマン フォーエヴァー」(Batman Forever・1995・米/英)を夫のリー・バチェラーとともに書いたひとり。あまり仕事をしていないようだが、なぜこの人だったのか。リー・バチェラーはほぼ妻のジャネット・スコット・バチェラーと仕事をしていて、これまたなぜか不明。マイケル・ロバート・ジョンソンは他に書いているのは、おもしろかったが「シャーロック・ホームズ」(Sherlock Holmes・2009・米/独)のみ。

 監督はポール・W・S・アンダーソン。「バイオハザード」(Resident Evil・2002・英/独/仏/米)シリーズが有名だが、良かったのは第1作のみ? 「イベント・ホライゾン」(Event Horizon・1997・英/米)はとても良かったのに、同じ監督とは思えない。「三銃士/王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船」(The Three Musketeers・2011・独/仏/英/米)も酷かったが……。

 公開8日目の初回、新宿の劇場は全席指定で、ムビチケで金曜に確保。当日は12〜13分前に開場。歴史物ということでか、ほとんどは中高年。男女比はほぼ半々。最終的にはたぶん115席に3.5割りくらいの入り。この出来ではよく入った方だろう。それにしても、オバチャンは良くしゃべるなあ。上映ギリギリまでしゃべってた。

 気になった予告編は……上下マスクの「オール・ユー・ニード・イズー・キル」は新予告へ。ちょっとカットが早過ぎる気がするが、とにかく見たい作品。7/4公開。

 ジョニー・デップのビデオ・メッセージ付き上下マスクの「トランセンデンス」は長い版での予告。これも興味がわく。早く見たい。6/28公開。

 ニコール・キッドマンがグレース・ケリーを演じる上下マスクの「グレース・オブ・モナコ 公妃の切り札」は、モナコがフランス領になりそうだった危機を、グレース・ケリーが一斉一大の芝居を打って救ったという話らしい。面白そう。10月公開。

 上下マスクの「フライト・ゲーム」は、リーアム・ニーソンがエア・マーシャルを演じるアクションで、「フライトプラン」(Flightplan・2005・米)や「96時間」(Taken・2008・仏/米/英)の雰囲気もあるが果たしてどうか。9/6公開。

 上下マスクの「渇き。」は新予告。このミス大賞受賞作。面白そうだが、失敗しそうな感じもあり微妙。役所広司だからなあ……。6/27公開。

 スクリーンが左右に広がって、本編へ。


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